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褒めることは子供の自信につながります。しかし、どこを褒めていいかわからない。そんな疑問に尾木ママこと教育評論家の尾木直樹さんが、褒めて子供の“やる気エンジン”を上手にかけるヒントを紹介します。

テレビ静岡で2026年2月22日に放送されたテレビ寺子屋では、教育評論家の尾木直樹さんが、子供たちのやる気を引き出す「共感力」について語りました。
「褒める」を広い視点で捉え直す
教育評論家・尾木直樹さん:
やる気を出すには、「褒める」ことが大事だと言われます。ところが、この「褒める」を狭い意味で捉えていると、どこを褒めたらいいのか、どう褒めたらいいのか分からなくなってしまうことがあります。

そこで私は、「褒める」という言葉の定義を広げて、角度を変えてみました。
例えば、動きの遅い子は「とっても慎重な子」。授業中、こちらが質問する前に答えを言ってしまう子は「頭の回転が速くて、周囲に惑わされず我が道を歩める子」。このように物事の見方を転換することを「リフレーミング」と言い、違う視点から見ることで評価できる面がたくさん見つかります。

「褒める」ことは、良いところを取り上げることではなくて、「ありのままを認める」ということなんです。ありのままを認める言葉を積極的に伝えることによって、自分に対してだんだん自信を持てるようになります。
共感が「やる気エンジン」をかける
よく、「やる気スイッチを入れるにはどうすればいいですか? 」と聞かれます。そんなとき私は、「やる気スイッチではなく、『やる気エンジン』をかける方法はある」と答えます。それは、ありのままの姿に共感するということ。共感することがやる気を引き出してくれます。

例えば、本人が前向きに取り組めること、好きなことから始めさせてみる。「あなたは算数が苦手だから、先に算数をやってから得意な国語をやりなさい」とアドバイスしがちですが、先に好きなことをやってエンジンをかけてから苦手なことに取り組むとうまくいくんです。
子供たちは学習やスポーツでも生活のことでも、好きな分野をしっかり持っているので、そこに共感することを大事にしてあげてください。
計画力と自己責任感を育てる声かけ
私の母親はこの「やる気エンジン」のかけ方がすごく上手でした。
家に帰ると「おかえり、今日の予定はどうなってるの? 」と聞くので「まず宿題をして、次にこうしようと思ってる」と答えると「偉いね、自分で計画立ててるんだ」と褒めるんです。聞かれたから私は言わざるを得なかっただけですが、褒められたことでエンジンがかかって、すぐに宿題に取り掛かる。

すると、生活のリズムを作る力がついて、うまくいった時には自己肯定感が高まります。逆に失敗した時はどうかというと、自分で計画して自分でやったことなので、誰かのせいにしない自己責任感を持つことができます。
自分で計画や予定を組んで実践して、その結果に対して自分が責任を持つ。あるいは自分で自分を褒める。この繰り返しはとても大切です。
相手に共感し、褒めてやる気を引き出すことは、親子関係に限らず誰に対してもできることですから、ぜひ実践してみてください。

尾木直樹:1947年滋賀県生まれ。早稲田大学卒業後、教師として22年間子供主役の教育を実践。その後大学教員に転身し22年教壇に。現在は法政大学名誉教授、臨床教育研究所「虹」所長。
※この記事は2026年2月22日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。
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