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静岡・沼津市の大泉寺は鎌倉時代から続く寺院ですが、おもしろい名前の線香や、住職が作る消しゴムはんこなどユニークな仕掛けがあります。お寺の楽しみ方をお伝えします。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ空襲を免れた歴史ある地区
沼津市の西部にあるJR原駅、その北側に旧東海道の13番目の宿場町「原宿」があります。

「原宿」と書かれたモニュメントや地図看板を見ながら気づいたのは、この周辺には神社仏閣が多いこと。なぜこの地区にこれほど多くの寺社が残っているのか、たまたま出会ったボランティアガイドの男性が教えてくれました。
ボランティアガイド:
なぜ神社仏閣があるかと言ったら、空襲がなかったんです。原は非常に歴史的なものがいっぱい残っています

戦災を免れたため、歴史的建造物が数多く現存しているそうです。この地区には源頼朝の異母弟「阿野全成(あのぜんじょう)」の館跡もあるそうです。
阿野全成の館跡がある大泉寺に、歴史の息吹を感じながら歩を進めてみましょう。

楽しいお寺「大泉寺」に“おかしな線香”が
大泉寺があるのは、原駅から北へ車で約7分の根方街道沿いです。歴史もありますが、ユニークなお寺としても知られています。
住職の小島健布さんが、笑顔で一行を出迎えてくれました。

お参りの前に小島住職が紹介してくれたのは、「選考線香」なるものです。この線香、ただの線香ではありません。
「悪い事はしま線香」「欲ばりま線香」「威張りま線香」といったユーモラスなネーミングが付いています。

大泉寺 ・小島健布住職:
お参りというと「お願い」から入ってしまいますが、本来はざんげ・反省です。「最近悪いことをしました、これからはしません、だからお願い宝くじ当たって」と願うものです
(1)ざんげ反省 「○○してすみません」
(2)宣願 「○○を頑張ります」
(3)祈願 「だから○○をお願いします」
本来のお参りは、(1)~(3)の流れであるべきと住職は説きます。

自分にピッタリの線香を選考しましょう。
「自分の事だってよくわからないのに相手の事が分かるわけないじゃありま線香(せんか)」という非常に長い名前の思わず笑ってしまうような線香もあります。迷ったらこれですね。
選ぶだけで笑いが起こります。
大泉寺 ・小島健布住職:
お寺はこうやって楽しんで参拝していただきたいです。お寺は楽しい所です

それぞれが好きな線香を選び、笑いながらお参りする姿は、まさに「楽しいお寺」でした。
鎌倉時代から続く800年の歴史 阿野全成の墓へ
参拝を終えると、小島住職が寺の歴史を教えてくれました。
大泉寺 ・小島健布住職:
阿野全成さんは鎌倉時代に活躍したお坊さんです。阿野全成さんが建てたお寺ですから800年以上の歴史があるんです

阿野全成は源頼朝の異母弟にあたる人物。境内には全成の墓と、その息子・阿野時元(ときもと)の墓が並んでいます。
2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に全成が登場したことをきっかけに、かなり注目を集め、今も大勢の方が手を合わせに来るそうです。
周囲には歴代住職の墓が立ち並び、長い歴史の重みを感じさせます。

住職の趣味が生んだ「消しゴムはんこ」
「実はもう1つ、紹介したいものが」と住職が案内してくれたのは、本堂にある驚きの展示スペース。
大泉寺・小島住職:
私の趣味なんですけれども。「消しゴムはんこ」をしています

その題材は「鎌倉殿の13人」のドラマシーンや出演者たちです。放送回ごとの名言と名シーンが描かれています。
絵はマンガのようなポップな感じ。文字も絵も住職のデザインだというから驚きです。
山寺宏一さん、江口のりこさん、大泉洋さんなど、俳優陣の特徴を見事に捉えた作品が並ぶ中、脚本家の三谷幸喜さんまで消しゴムはんこになっていた。

元々絵が得意だった住職は、知人のすすめで消しゴムはんこを始めてまだ数年ですが、今では大泉寺に欠かせないものとなっています。
通常は200種類以上の消しゴムはんこから選べる御朱印を用意しています。受け取りには日数がかかる場合もあるそうですが、ぜひ特別な御朱印を手に入れてみては。

楽しく参拝でき、笑顔になれるお寺を目指す大泉寺。堅苦しいイメージを覆す、笑いあふれるお寺体験が待っています。
■施設名 大泉寺
■住所 静岡県沼津市井出744
■問合せ 055-966-2016(9:00~17:00)
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