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学歴詐称を追及された田久保前市長の「大義なき解散」 議会解散権の見直しを 伊東市議会が国に要望「法律で定めた権利の濫用」 自民党は対応検討へ

新市長の誕生から2日、静岡県伊東市の議会が混乱を長期化させた要因の改善を国に求めました。要望したのは田久保前市長が行った個人的な問題にともなう「議会解散権」の見直しです。

12月16日、自民党本部を訪れたのは伊東市議会の議員たち6人です。

自民党の高市早苗総裁に宛てた陳情書を萩生田光一 幹事長代行に手渡し、「恣意的な議会解散を防ぐ制度的な歯止め」を求めました。

伊東市では9月、学歴詐称問題をめぐり田久保眞紀 前市長が議会から全会一致で不信任決議を受けると「市民に信を問う」と議会を解散しました。

議員たちは10月に市議選を戦ったあと、2度目の不信任決議を行うと市長は失職…続いて行われたのは市長選挙です。

12月14日、新市長がする誕生まで半年以上にわたって伊東市は市政の停滞と混乱が続きました。

要望に訪れた議員たちは「政策の対立なら理解できるが自己保身のための議会解散は許されない」と訴えます。

伊東市議会・井戸清司 議員:
個人的な問題によって我々が解散させられ選挙になったことは法律の濫用という思いは強い。法的な解釈も含めてしっかり考え直さなければならないのでは

続いて一行は総務省を訪れて自治行政局の大臣官房審議官に書面を提出し、伊東市の実情や問題点を訴えました。

市長には地方自治法で強い権限が与えられていますが、過去にその行動が問題視され法律が改正された事例があります。

鹿児島県阿久根市のケースです。

2008年から10年にかけて務めた当時の市長は議会に諮らず自分だけで決定する「専決処分」の権限を相次いで行使して副市長や補正予算などを決定。

議会も市民も大混乱となりました。

この事態を受け、国は法改正を行い専決処分の範囲や議会招集権を変更しました。

市職員との不適切な行動で辞職した群馬県前橋市の市長。

セクハラ問題で身を引く決断をした福井県知事。

同じく自らのセクハラ問題で議会を解散、2度の不信任で失職した沖縄県南城市の市長。

自治体のトップが資質を問われる事態が相次いでいます。

自民党・勝俣孝明 衆議院議員:
伊東市だけではなく全国的に他の都市でも起きている。もちろん大義が必要だが(不信任決議が)全会一致の時はどうか。ある程度ケースを考えてやったらどうかという案も出ていた。具体的に法整備を考えていくのは党としてやっていかなければいけない

伊東市が求めるのは市長と議会、「二元代表制」の根幹に関わり「法改正は容易ではない」とされますが、まずは「問題提起と対策を議論するきっかけになれば」と話しています。

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