
静岡県伊東市の市長選挙は12月14日に投票が行われた。開票作業は現在も続いているが、これまでに田久保眞紀 前市長の落選が決まっている。
伊東市長選は12月14日午後8時に投票が締め切られ、午後9時10分から市立伊東小学校の体育館で開票作業が行われている。
今回の市長選は田久保眞紀 前市長が自身の学歴詐称問題に端を発し、二度にわたり不信任を議決されて失職したことにともない行われ、田久保氏のほか、利岡正基 氏、石島明美 氏、小野達也 氏、岩渕完二 氏、黒坪則之 氏、杉本憲也 氏、大野恭弘 氏、鈴木奈々子 氏の9人が立候補した。
これまでの開票状況から、田久保氏が先行する小野氏と杉本氏の得票を上回る可能性がなくなり、すでに両氏が法定得票数を上回っているため落選が決まった。
田久保氏は大学を除籍されていたにもかかわらず市の広報誌などに「東洋大学法学部卒業」と記した学歴詐称問題で世間を騒がせたものの、一部の市職員や議員に見せた“卒業証書”とされる書類は頑なに公開を拒むなど、いまだ説明責任を果たしていない。
また、市長選に向けた出馬会見では「現状で私にできる精一杯の対応をしている」と語気を強め、選挙戦初日の演説では「きょうは全部話します」と高らかに宣言したが、メガソーラー問題に関連して小野氏の批判に終始するなど、学歴詐称問題に触れることは最後までなかった。
なお、東洋大学はホームページ上で「本学学則では、卒業した者に、卒業証書を交付することとしており、卒業していない者に対して卒業証書を発行することはありません」との声明を発表していて、市議会の百条委員会も「正規の卒業証書が授与された事実はないということが正式に判明した」との結論をまとめている。
田久保氏をめぐっては、警察が公職選挙法違反容疑や偽造私文書等行使容疑などを指摘する複数の告発状を受理した上で市議会関係者への聴取など本格的な捜査を進めていて、今後どのように展開するのか注目されている。
