窃盗と傷害の罪に問われている男が12月5日未明、入院していた静岡県伊豆の国市の病院から逃走し、午後、三島市内で身柄が確保されました。学校が休校になるなど周辺に大きな影響が出ました。
順天堂大学医学部附属静岡病院から逃走していたのは住居不定・無職の男(54)です。
警察は逃走後に男の写真を公開し、広く情報提供を求めてきました。
男が起こしたとされる事件は…
鈴木衣緒里 記者:
今年9月、こちらのスーパーマーケットで食品1点を盗み、呼び止めた警備員にケガをさせていました
男は9月2日、食品1点・500円相当を盗んだ窃盗の罪と呼び止めた警備員を転倒させケガをさせた傷害の罪で起訴され、富士宮警察署で裁判を待つ状況でした。
そうした中、11月28日、箸で自分の腹を刺したため伊豆の国市の病院に運ばれ入院していました。
5日で入院からちょうど1週間。手術を終えて退院予定日だったと言います。
男の病室は7階の一人部屋で窓際にベッドがあり、カーテンをはさんでトイレが設置されていたということです。
警察官が2人体制でカーテン越しに監視し、午前1時15分頃、男がトイレに行ったのは確認されているということです。
しかし、午前2時過ぎには…。
村田彬 記者:
病院から歩いて200mほどの場所にきています。逃走した男が歩いている姿があちらの防犯カメラに映っていました
男の姿は郵便局の防犯カメラに捉えられていて、警察は逃走先の絞り込みを進めました。
それにしても男は7階の病室からどうやって逃走したのか。
窓は大きく開かない構造でしたが、窓を開くカギと補助カギ合わせて2つが壊され、無理やりこじ開けられた跡が残されていました。
警察は窓のひさしや5階の張り出した外壁部分から非常階段に移動し逃走した可能性があるとみて調べています。
同報無線:
伊豆の国市長岡の病院から犯人が逃走しています
病院に通う人や地元住民は…
病院に通う人:
警察官が4、5人、三島駅でホームを巡回していて、おかしいな
地元住民:
この辺は幼稚園とか小学校があるから、子供たちのこともありお母さんたちもすごく不安だと思う。(Q.今までこういう事は?)いや~ないですね
地元住民:
早く捕まってほしい
村田彬 記者:
病院の正面玄関からほど近い交差点の辺りまで歩いてきました。あちらに交番がすぐ近くにあるのがわかります。その先には小学校が見えてきました
5日は伊豆の国市の長岡南小学校は門が閉じられ、静まり返っていました。
小中学校9校で休校とする措置が取られた他、保育園や図書館、体育館など市の施設も休館に。
市民生活に大きな影響が出ました。
5日午後、警察は男を三島市内で発見し、逃走の疑いで逮捕しました。
所持金を持たない状態で伊豆の国市から三島市までどのように移動したのか。
なぜ病院から逃げたのか、警察が追及する方針です。
また、男の逃走を許し住民に大きな不安と影響を与えた事態について監視体制のどこに問題があったのか詳しく調べられます。
