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静岡・焼津市役所のすぐ近くに「TUNALABO」という気になる看板を発見しました。日本有数のマグロ、カツオの水揚げ量を誇る焼津で、ツナのおいしさを追求する専門店です。研究熱心な店主が開発した種類豊富なツナを食べ比べしました。
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いつも見慣れた街並みも裏道を巡れば、そこはまるで別世界。静岡県民も必見の裏スポットをお散歩します。今回は焼津市。日本有数のマグロ・カツオの水揚げ量を誇る港町を散策しています。
国産ツナ缶発祥の地 ツナ専門店&ツナ製造所
焼津市役所から徒歩3分ほどの通りに、名前が気になるお店を見つけました。
静岡県焼津市本町にある「TUNALABO(ツナラボ)」です。

ツナとラボ、一体どんなお店なのかその正体を探ることにしました。
店内に入ると、白衣姿の関根仁さんが迎えてくれました。ラボという名にぴったり、研究者のような姿で登場です。
まずはなぜ、ラボという名前がついているのか聞いてみました。
ツナラボ・関根仁さん:
ツナのおいしさを追求しようということで、ツナラボにしております

福島県石川町出身の関根さんがこの地を選んだのには、理由がありました。
ツナラボ・関根仁さん:
焼津市が国産ツナ缶発祥の地なんですよ。すごい歴史のある場所なんです
国産ツナ缶は、現在の焼津水産高校が水産試験場の技師と共に製造したのが始まりです。

ツナ一本でやるなら本家本元でという思いに加え、駿河湾の海洋深層水を使ってツナを作りたかったと関根さんは話します。
焼津市にある「駿河湾深層水取水供給施設」では、一般の人でも海洋深層水を買うことができます。

ツナラボ・関根仁さん:
焼津市の歴史と素材を使って、唯一無二のツナが作れると思って焼津市に製造所をつくりました。どれだけおいしく作れるかに挑戦しています
まさに、ツナ愛にあふれていました。
13種類のバラエティ豊かなツナを試食
店内の棚には、色とりどりの瓶が並んでいます。全部で13種類のツナを「おつな」というシリーズで製造しています。

どれを選ぼうか迷ってしまうと思いますが、とってもいいサービスがあります。なんと全ての味の試食ができるのです。
誰でも無料で試食ができるので、来店した人は30分くらいは試食に時間をかけるそうです。

「自分好みのものを見つけて」と関根さん。まずはベースとなる「おつな プレーン(1458円)」から試食させてもらいました。
一口で違いがわかります。濃さがちょうどよく、こってりしすぎず淡白すぎない絶妙なバランスです。

ツナラボ・関根仁さん:
マグロはお刺身で食べられるような鮮度のいいものに限定し、水は海洋深層水をベースにしているので塩味が安定しています
さらにオイルは全てオメガナインという独自ブレンドのオイルを使用し、うま味を引き出しつつあっさりとした仕上がりにこだわっています。

次は気になっていた「おつな えごま味噌(1512円)」を試食してみます。
口に入れると、みそのうま味が後から追いかけてきます。

ツナラボ・関根仁さん:
福島のみそを使っています。みそをエゴマとあえて、「えごまみそ」とか「油みそ」という郷土料理があるんですが、その郷土料理をツナと掛け合わせた一品です
故郷の味とツナの組み合わせは、まさに天才的な発想です。

次は辛みのある「おつな 島とうがらし(1512円)」を試してみます。
香りはそれほど辛そうではありませんが、食べてみると後から辛さがガツンときます。青臭さがちょうどいいフレッシュ感を出しています。

これしか買わないという人もいるほど、辛いものが好きにはたまらない味わい。ツナでこれほどバラエティ豊かに楽しめるとは予想外でした。
研究段階の試作メニュー3種類
関根さんから、いつ販売するか迷っている研究段階の商品が3種類あると話がありました。
なんとその3種類を特別に試食させてもらい、さらに評価もしてもらいたいという、ラボならではの提案です。

伊豆のワサビ+ツナ
せっかくなので、何を使っているのか、味当てもさせてもらうことになりました。
まず一番左から食べてみます。一口食べると鼻にガツンとくる刺激がありました。これはきっとワサビです。
ツナラボ・関根仁さん:
伊豆産のワサビのオイルを使っていますが、保存が効かないんですよ。ツナは火をかけて殺菌しなきゃいけませんが、そうすると香りが飛んでしまいます。販売の仕方も研究しています

味は間違いありませんが、商品化にはいろいろな課題がありました。
オリーブオイル+ツナ
次は真ん中のツナを食べてみます。シンプルすぎて難しいのですが、これはオリーブオイルだそうです。
オリーブオイルは普通のツナに入っていそうですが、関根さんによると既存の商品には使っていなかったそうです。
ツナラボ・関根仁さん:
オリーブオイルは火にかけてしまうと本来の風味は抜けてしまうのです。なので火をかけないフレッシュなオリーブオイルをかけて提供したいと思っています

とことん加熱しないことにこだわるので、冷蔵販売になるといいます。
いつ出せるか、タイミングが難しい商品ですが、味は絶品でした。
黒マイタケ+ツナ
最後の3つ目は保存が効くものとして開発中だということです。
ほんのり茶色で、黒い粒々としたものも見えます。一口食べると強いうま味を感じますが、全く正体がわかりません。
ツナラボ・関根仁さん:
黒マイタケという最高級のマイタケとスリランカ産の黒コショウを使っています

まさかの山の幸でした。黒マイタケの強いうま味にスリランカ産黒コショウのパンチが効いた一品です。
静岡県に多いクラフトビールに合わせて欲しいという狙いで作った、ビールとの相性を考えた一品でした。
人とのつながりから生まれた商品「おつな」
「ただツナを作るのが好きなだけ」と話す関根さんですが、本当に熱心なツナ博士

ツナラボ・関根仁さん:
もっといろいろ考えてるんですよ。トムヤムクンみたいな味や、ブラジル料理やトルコ料理も勉強しています。そういうものをいっぱい作ってみたいですね
ツナを作るまでには、多くの人の協力があったと関根さんは話します。

ツナラボ・関根仁さん:
“おつながり”から「おつな」という商品名にしています。自分がそうであったように人がつながるようなツナを生み出していきたいと思って、いろいろなツナを勉強したいと思っています
国産ツナ缶発祥の地・焼津で、ツナの可能性を追求し続ける関根さん。研究は今も続いていて、これからどんな新しいツナが誕生するのか楽しみです。
■店名 TUNA LABO
■住所 静岡県焼津市本町1-10-4
■営業時間 11:00~18:00
■定休 月
■問合せ 0546-25-8408
■駐車場 あり
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