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静岡・磐田市のイメージキャラクター白い犬の「しっぺい」。なぜイヌかというと、磐田市に残る勇敢なイヌの伝説がモチーフになっています。しっぺい伝説のゆかりの地を訪ねると、ペットに御利益がある神社もありました。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへりりしい姿の 霊犬悉平太郎 像
しっぺいは磐田市の平和を守る賢くて優しい人気者。磐田市の特産品メロンが大好物、という設定です。

なぜイヌなのかというと、磐田市に残るある伝説がモチーフになっています。
さっそく磐田市見付にある、伝説ゆかりの地「見付天神 矢奈比賣神社(やなひめじんじゃ)」にやってきました。

“見付のお天神様”として磐田市で親しまれてきた神社です。
テレビ静岡・大森万梨乃アナウンサー:
もしやあれがでは? イヌの像がありますよ。ずいぶんりりしい顔をしていますよね

境内に向かうと現れたのは赤い鳥居。その隣には、すっと座るイヌの像があります。
像には「霊犬 悉平(しっぺい)太郎」と書かれています。
これが、磐田市のイメージキャラクター“しっぺい”のモデルとなったイヌです。

愛らしい“しっぺい”の姿からは、これほどりりしいイヌだとは想像もしていませんでした。
さまざまな“しっぺいグッズ”も神社では販売されていました。
種類豊富なお守りや絵馬など、かわいらしいアイテムが並んでいます。

特に目を引いたのは、“しっぺい”がスポーツをしている姿の「しっぺいおみくじ(500円)」です。
磐田市はサッカーやラグビーといったスポーツのほか、卓球のオリンピック代表だった水谷隼さんの出身地としても知られています。

サッカーボールやラグビーボールを抱えたしっぺい、野球のバットを持ったしっぺい。
卓球・水谷隼さんがモチーフの、ラケットを持ったしっぺいもいました。
そんなスポーツをするしっぺいに、実は伝説のヒントが隠されていたのです。

神社の金田憲和さんに、悉平太郎について詳しく聞いてみました。
見付天神 矢奈比賣神社・金田憲和さん:
「災難除け」や「勝負事に勝つ」といったご利益があります。

なるほど、スポーツには勝ち負けがつきもの。しっぺいのご利益があれば、勝利に近づくかもしれません。
ではなぜしっぺいは「災難除け」や「必勝祈願」といったご利益を持つようになったのでしょうか。
鎌倉時代から伝わる化け物退治の物語
その伝説は8月の暑い日から始まったといわれています。
見付天神 矢奈比賣神社・金田憲和さん:
鎌倉時代の話です。当時、お祭りの度に里の家に“白羽の矢”が立ったんです
見付の里には“白羽の矢”が立った家は、娘をいけにえに捧げなければならないという悲しいしきたりがありました。

その話を聞いた旅の僧。
「見付の神様は、そんなに酷いことをするはずがない」と思い様子を見ていると、娘の入ったひつぎの前に見るも恐ろしい化け物が現れ、こんなことを呟いていたのです。
見付天神 矢奈比賣神社・金田憲和さん:
化け物は「今日は“悉平太郎”は来てないな」と呟いていて、悉平太郎というものを恐れていたんです

化け物が恐れていた悉平太郎とは何者なのか?
見付天神 矢奈比賣神社・金田憲和さん:
お坊さんが悉平太郎を尋ねて全国をまわったところ、長野県駒ヶ根市の光前寺に悉平太郎というイヌがいたんです

僧は悉平太郎と共に見付の里に戻りました。
翌年の8月に再び化け物が現れますが、悉平太郎は見事に勝利。
こうして見付の里を救った英雄として語り継がれることになったのです。

イヌをまつる珍しい「霊犬神社」でペットの健康祈願も
磐田の町を守った英雄・悉平太郎。
見付天神の境内をめぐると、もうひとつ鳥居を見つけました。
なんと悉平太郎をまつった「霊犬神社」があるんです。

イヌをまつった神社は全国的にもかなり珍しいとのこと。
神社の案内には「ペットの健康祈願」と書かれており、イヌだけでなくさまざまな種類のペットの健康を祈願することができます。
怪物を倒すほど屈強だった悉平太郎にあやかって、ペットの健康祈願に訪れる方も多いんです。

この日も愛犬と一緒に参拝している人がいました。
飼い主:
ペットと一緒に参拝できる数少ない神社の1つなので、参拝させていただきました
愛犬のエルフィンくんは、驚きの14歳。高齢ながらとても元気です。
長寿の裏には悉平太郎のご利益もあるのかもしれません。

霊犬神社は2025年で90周年 期間限定のご朱印も
霊犬神社は2025年で90周年を迎え、記念御朱印も用意されているとのこと。
「霊犬神社ご鎮座九十周年記念御朱印(600円)」は、2025年9月24日までの期間限定です。
描かれているのは怪物を退治した8月を背景に、こちらを見据える悉平太郎のりりしい姿です。

伝説の英雄から愛されるキャラクターへ
かつて磐田市を守った伝説の英雄・悉平太郎は、今ではかわいらしい姿の“しっぺい”としても愛されています。
見付天神 矢奈比賣神社・金田憲和さん:
愛らしいキャラクターで、磐田市民として我々も嬉しく思ってます

鎌倉時代から語り継がれてきた伝説が、現代でも地域に多くのご利益をもたらしているようです。
■名称 見付天神 矢奈比賣神社(やなひめじんじゃ)
■住所 静岡県磐田市見付1114-2
■問合せ 0538-32-5298
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