布団を嗅ぐにむらリポーター
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【磐田・丸八真綿】イヌ臭がする布団 どうやって洗ってるの? 全国から布団が集まって来る巨大工場 

クリーニングに出した布団は、どうやって洗濯されているのでしょうか。国内最大級の布団クリーニング工場「丸八真綿(まるはちまわた) クリニック工場」に、汚れやへたりの激しい布団を持ち込んで、復活するのかどうか調査しました。

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年間16万枚 全国の布団を洗う磐田工場

丸八真綿 クリニック工場(磐田市駒場)

冬物の寝具をしまう季節ですが、ふとんクリーニングを利用しようかどうか迷います。本当に大きくて厚い布団がきれいになるのでしょうか。

見学するのは、静岡・磐田市にある国内最大級の布団クリーニング工場「丸八真綿 クリニック工場」。

丸八真綿の石本圭人さんが案内してくれました。

にむらあつとリポーターと丸八真綿の石本圭人さん
左)にむらあつとリポーター

丸八真綿の磐田工場は1985年に開業し、2025年で40年を迎えました。

静岡だけでなく、全国各地から届く布団を年間約16万枚も洗っています。

1985年に開業した丸八真綿は年間16万枚の布団をクリーニング

子供・イヌあり家庭の“難敵”布団

そんな国内屈指の技術を誇るクリーニング工場で、今回洗ってもらう布団は2種類。2つともなかなかの難敵です。

一つは、にむらあつとリポーターの家で使われていた布団です。シミが多くあり、イヌ臭もします。

にむらあつとリポーター:
子供が3人いるのとイヌも3匹いるので、だいぶ汚れちゃっていると思います。恥ずかしいですね

にむらあつとリポーターの汚れた布団
茶色いシミがあちこちに

もう一つは番組ディレクターの羽毛掛け布団。

にむらリポーター:
40代男性の羽毛布団で、へたっている感じが見てわかります

中野ディレクターのへたった掛け布団

そんな難敵にも、「ビフォーアフターを楽しみにしてほしい」と話す丸八真綿の石本さん。買った時のようにふかふかに復活させると自信を見せます。

「シミ抜き」汚れの原因を一発で見抜くベテラン

さっそくクリーニングの工程を見せてもらいます。

まずは、目立った汚れを落とす「シミ抜き」を行います。

染み抜きの工程を担当する丸八真綿の中山さん
丸八真綿 シミ抜き担当・中山さん

担当はこの道20年の大ベテラン・中山さんです。

汚れの種類に応じて、洗剤や道具を使い分けるのがプロの技。

“しみ抜きの中山”の手にかかれば、あっという間なのです。

にむらリポーター持ち込みの布団の汚れは、よだれか食べこぼし

にむら家の布団は茶色いシミが付いていましたが、ぱっと見ただけで「よだれ」か「食べこぼし」ではないかと汚れの原因を見抜きました。

「20数年やってますので」と笑う、しみ抜きの中山さん。

まず汚れにかけたのは黄色い液体。たんぱく質を分解促進する洗剤です。

汚れの種類によって洗剤や道具を使い分ける

次に使ったのはスチームアイロンのような形をしたアイテム。洗剤をかけた部分に蒸気を吹きかけ温めることで、洗剤の浸透を早くします。

さらに超音波が出るガンを当てて布団に振動を与え、汚れを分解。

超音波を出すガンで振動を与える

最後は蒸気で汚れを飛ばし、仕上げます。

すると、あっという間に茶色く汚れたヒツジの柄が、真っ白なヒツジになりました。プロの技が光ります。

完全にシミがなくなり、羊が真っ白に

「洗い」ベルトコンベヤーで流れる布団

シミ抜きのあとは、長さ20mの巨大ベルトコンベヤーに乗せて洗いの工程に進みます。

使うのは洗剤を上・横・下から吹き付ける装置です。

洗剤を上下・横から吹き付ける装置

片面に約1.2Lもの洗剤をたっぷりとかけます。洗剤をかけた後は、浸透させるために約4分半かけてベルトコンベヤー上を布団が移動し、汚れと洗剤を反応させます。

続いて浮き出た汚れを流しだすため、水を吹きかけていきます。

浮き出た汚れを水の力で流し出す工程

丸八真綿・石本さん:
1回あたり720Lくらい水を吹き付けて通過させてます

脱水の工程では、水を含んで膨らんだ布団が一気にしぼみます。洗濯機のようにぐるぐると回して水を絞るのではなく、ベルトコンベヤーに乗ったまま布団を圧縮していました。

脱水の工程
真ん中の布団が急にぺしゃんこに

「すすぎ」巨大洗濯槽に大量の水

汚れを含んだ水を一度脱水したら、巨大な洗濯槽ですすぎの工程へ。

丸八真綿・石本さん:
1tの水をためて、中綿までしっかり2回すすぎます

1tの水を使ってすすぐ工程

にむらリポーターの布団もしっかり洗ってもらいました。

「乾燥」2段階でふかふかに

すすぎが終わったら、最後の乾燥工程に進みます。

まずは予備乾燥から。15mのベルトコンベヤーに布団をのせ乾燥させる「連続平面乾燥機」を使います。

布団を縮ませないために固定して乾燥

洗濯の乾燥といえば回転させて乾かすイメージですが、敷いたまま乾燥させるんです。

丸八真綿・石本さん:
布団乾燥は初期段階で一番縮むんです。布団を固定して平面で流していくことで、縮みにくい状態で乾燥できます

約15分かけて機械の中を通したら、巨大な乾燥機の部屋に入れてさらに2時間、仕上げの乾燥を行います。

仕上げの乾燥
仕上げの乾燥をする部屋へ布団を運ぶ

難敵のビフォーアフターは?!

クリーニングの工程を無事に終え、布団が戻ってきました。

にむらあつとリポーター:
一目瞭然で白いことがわかります。「イヌ!」という臭いも消えました。家族も喜びます

クリーニングの後には羊の白い部分が真っ白に

羊のデザインが以前は薄汚れていましたが、真っ白になって返ってきました。染み込んだペットの臭いもなくなり、スッキリしました。

にむらあつとリポーター:
ディレクターの掛け布団、なんということでしょう。明らかにふかふか感が違いますね

へたっていた布団もふかふかになって真っ白に

番組ディレクターのへたった羽毛布団は、ビフォーアフターで並べて比べると、この違い。プロの力でふかふかの布団に仕上がりました。

プロの技が光る布団クリーニング。外についたシミから見えない中綿まで徹底した洗浄で清潔に。布団だけでなく気持ちもスッキリさせてみてはいかがでしょうか。

■施設名 丸八真綿 クリニック工場
■問合せ 0120-4649-08(お客様相談室 8:30~20:00)

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