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ダビングした映像に思わず涙…VHSの2025年問題 「映像というのは言葉と一緒」 図書館ではある問題も…作業に忙殺

VHSテープとDVDと長島さん

1980年代から1990年代にかけて家庭用ビデオとして世界的に普及したVHS。

ただ、再生機器の生産終了やテープの劣化を理由に、ユネスコは「2025年までに磁気テープに記録されている音声や映像をデジタル化しなければ二度と見ることができなくなるおそれがある」と警告している。

VHSが見られなくなる?

インタビューに答える女性(静岡市内)

中高年にとっては懐かしさを感じる人も多いであろうVHS。
ただ…。

村田彬 記者:
VHSビデオに使われているテープの寿命は20年から30年ほどと言われています。2025年はまさにそのデットラインの時期を迎えています

女性(50代):
爪を折って上書きの録画ができないようにして沢山録っていた、歌番組とか

男性(80代):
子どもの記録が多い。妻が歌をやっていて歌謡祭などたくさん録ったものがある、そのまんま

女性(20代):
おばあちゃんの家で見たことがある。自分の小さいときの映像が入っていたと思う

図書館での作業風景(静岡市)

このVHSの2025年問題の影響を受けるのは個人だけではない。

県立中央図書館 調査課地域調査班
山本加奈恵さん:
地震対策の防災ビデオが作られているが、英語版とポルトガル語版があり出版年によっていくつかあるのでタイトルを間違えないように貼るため確認していた

静岡市駿河区にある県立中央図書館では一連のデジタル化作業が進められていた。

県立中央図書館 調査課地域調査班
八木麻美 班長:
工場のようにラインで流すことはできず、1つ1つ情報のデータを入れて、背ラベルを作って背タイトルを作っているので想像していたよりも時間がかかっている

ダビングされたDVD(県立中央図書館)

所蔵していたVHSのうち約650本については2024年のうちにダビングを済ませたが、貸し出し用と保存用のDVDをそれぞれ1枚1枚データベース化する作業に忙殺されている。

県立中央図書館 調査課地域調査班
八木麻美 班長:
今の静岡県民だけではなく未来の県民に必要な情報を届けることが私たちの使命。必要な資料は紙であれVHSのようなビデオであれ、未来の県民に届けるための仕事を
していきたい

県立中央図書館ではVHSの貸し出しは当面続けつつ、並行してDVDの貸し出しが始められるよう今後、著作権の処理を進めていくということだ。

大切なものはDVDに

VHSを持ち込んだ長島さんと受け付ける岩崎さん

静岡市葵区にある写真店「ズームアイ」。

VHSをDVDにダビングしてほしいという依頼がここ数年急増していて、中には1人で50本近く持ち込む人もいるという。

ズームアイ・岩崎恭子 代表:
持ってくる人は古い(VHS)テープ。子供の成長記録や行事の記録、家族旅行や大事な結婚式のビデオが多い

2025年に入ってからは依頼のない日の方が珍しく、この日も市内に住む長島八千代さんが3本のテープを手に来店した。

ラベルには“昭和60年”の文字。

聞けば長男の入園式や当時の日常の様子などが収められているそうだ。

作業をする岩崎さん

長島八千代さん:
見たら泣いてしまいそう、思い出に残すというか家宝なので

受付を終えると早速アーカイブ担当の岩崎正さんがVHSの状態を確認。

あまりにも劣化が著しい場合はダビングできない場合もあるそうだが、長島さんのVHSは映像に多少の乱れが見られる程度でパソコンを使って作業を進めていくことができた。

ズームアイ アーカイブ担当・岩崎正さん:
とにかく大切なものはDVDに記録しておいた方がいい。30年も40年も前の映像が見られることは素晴らしいことだと思う

映像を確認する長島さん

4日後、再び店を訪れた長島さん。

問題なくダビングされているか機器を借りて確認すると…。

長島八千代さん:
これおばあちゃんだ、この子が長男で2歳でなんか泣けちゃって

40年前、家族で訪れたという焼津市の小川港。

長島八千代さん:
ついちょっと前の感じだが、それだけ長い年月が経ってしまった

もちろん、長男・威行さんの入園式の様子もしっかりとデジタル化できていた。

長島八千代さん

長島八千代さん:
映像というのは言葉と一緒で、私のおじいちゃん、おばあちゃんの気持ちや私の子供に対する愛情などが伝えられたと思う。泣けてしまうけれど幸せ

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