目次
静岡・島田市の街中で見つけたのは「愛するあなたへの悪口コンテスト」の募集ポスターでした。ちゃんと歴史的な由来もあって、街中のメイン通りに優秀作品が張り出されているんです。
コンテストの由来は江戸時代の風習
「愛するあなたへの悪口コンテスト」は、毎年島田市で公募している「日頃の不満を愛のある悪口にしたためる」という何ともユニークなコンテストです。

江戸時代、東海道の宿場町だった島田。島田宿の陣屋にあったお稲荷さん「御陣屋稲荷神社」に悪口を書いて投げ込み、それを元に風刺画にして楽しむという風習があったことから、このコンテストは2004年度に始まったそうです。

2024年度でもう21回目、審査委員長は直木賞作家という立派なコンテストなのです。
ちなみにお稲荷さんは別名「悪口稲荷」と呼ばれているそうです。

おび通りに過去の受賞作掲示
過去の秀逸な作品は、からくり時計がシンボルの「おび通り」に飾られています。
第19回大賞 「泥の船って意外と浮くのね」
夫婦か友人同士か、泥の船とののしりながら、関係が続いていることを喜んでいるのが伝わってきます。
さらにおび通りを歩いて行くとまた見つけました。
第4回大賞「無駄だとは言わぬ美容師 言う鏡」

美容師は気を遣ってか儲けのためか無駄だとは言いませんが、鏡が真実を物語っているという一句。
さらに古い受賞作も掲示されていました。
第2回大賞「私の夢のサスペンス あなたは何度も死んでいる」

死んでいるのは夢の中なので、優しいものです。マジックで書いている文字が、迫力を増してくれますね。
入賞作品は神社の前にも掲載されています。

どれもくすっと笑ってしまう作品ばかりでした。
最新の受賞作を読もう!
そしてこのほど、最新の受賞作品(第21回)発表されました。「まちづくり島田」のHPで紹介されています。
大賞「だとしても ここまできたら 添い遂げる」(愛媛県 悦さん)
準大賞「あの頃は結婚が流行っていたんだ。」(埼玉県 雄之介さん)
島田市長賞「裏金を渡して 孫を手懐ける夫」(神奈川県 つぐみさん)

入賞「むかしむかし、お見送りとお出迎えがあった玄関がありましたとさ。」( 大阪府 猫になりたいさん)
入賞「生粋の浜育ち 枕ことばは ばかやろう。」(焼津市 原田裕子さん)
入賞「また来世で一緒になろう」と夫「もういんじゃない」と妻」(東京都 ゆめみじぃさん)
入賞「俺が風呂で機嫌よく歌っていると台所で妻が鍋をカーンと叩く」(新潟県 千流さん)

愛があるからこそ言える本音の数々。ちょっと辛辣ですが、その裏には深い絆が隠れています。「愛するあなたへの悪口コンテスト」は、江戸時代から続く風習を現代によみがえらせた、笑いと愛情が詰まった島田の文化でした。
■スポット名 御陣屋 稲荷神社
■住所 静岡県島田市柳町
【もっと見る! 島田市のお出かけ記事】