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浜松市の自宅で祖父母と長兄をハンマーで殴り殺害したとして懲役30年を言い渡された元警察官が判決を不服として1月28日に控訴したことがわかりました。男は解離性同一症を患っていますが、完全責任能力が認められた点などについて「高裁でもう一度判断を仰ぎたい」と話しているということです。
控訴したのは静岡県警の元警察官の男(25)で、2022年3月、浜松市中央区佐鳴台の自宅で祖父(当時79)・祖母(当時76)・長兄(当時26)の3人をハンマーで多数回殴って殺害したとして、2025年1月15日の判決公判で懲役30年の実刑判決を言い渡されています。
裁判の中で、男は中学生の頃まで長兄から尿をかけられたり飲まされたりしていたほか性暴力を受け、父親からは暴力を振るわれていただけでなく、目の前で母親に暴行を加える姿を何度も見せられ、祖父母からは「金をあげるから母親に暴力を振るってほしい」と依頼されていたことが原因で複雑性心的外傷後ストレス症と解離性同一症を患っていたことが明らかにされ、裁判長は「動機に同情できる点がある」と話す一方、「後先を考えて行動を制御する能力が低下していたとは認められるものの著しいものではなかった。完全責任能力があったと認められる」と結論付けました。
こうした中、男は1月28日付で控訴し、弁護人は男が量刑や完全責任能力を認められた点について不服を申し立てていて、「高裁でもう一度判断を仰ぎたい」と話していたことを明らかにしています。