福井県福井市で女子中学生が殺害された事件で、一度は有罪が確定し服役したものの、2024年に再審開始が決まった前川彰司さんが1月24日に浜松市を訪れ、59年前に静岡県清水市(当時)で一家4人が殺害された事件をめぐり再審の末に無罪を勝ち取った袴田巖さんの姉・ひで子さんと面会しました。
1986年に福井市で中学3年(当時)の女子生徒が包丁で刺され殺害された事件をめぐっては前川彰司さんが逮捕され、一度は有罪が確定し7年間服役したものの、名古屋高裁金沢支部は2024年10月、弁護側の示した証拠が「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」と判断して裁判のやり直しを認める決定を下しました。
その後、検察が異議申し立てを断念したため再審開始が確定し、初公判は3月に開かれる予定です。
こうした中、1月24日の昼過ぎに前川さんが浜松市を訪れ、1966年に静岡県清水市(当時)で味噌製造会社の専務一家4人が殺害された強盗殺人放火事件をめぐり、一度は死刑が確定したものの、再審の末に無罪を勝ち取った袴田巖さんの姉・ひで子さんと面会しました。
面会の中で、前川さんに開口一番「ともかく良かった」と喜びを伝えたひで子さん。
この後、袴田さんの支援者を含めた3人で昼食を共にしながら談笑し、前川さんは「(初公判は3月)上旬と言われていますけれど、即日の見通し。(判決は)夏前には欲しいですね。(検察は)新証拠は出さないものの、ただ有罪は主張するようだ」と現況を伝えました。
その上で「我々の心理としては”無罪”という言葉を聞くまでは安心しない方がいい。ただ、無罪判決をもらっても人は疑うのかなと思うと…」と話しています。
また、「ひで子さんがおっしゃっていた。『袴田だけが勝てばいいと思ってない』と。僕はあの言葉を胸の中に留めていま歩んでます」と述べると、ひで子さんも「そうだよ。巖だけ助かればいいってもんじゃない」と頷き、前川さんは「再審法改正、再審法が改められれば世の中は変わると思いますので、僕はそれを信じてます」と口にしています。
一方、袴田さん自身は外出していたため同席しませんでした。