静岡市清水区の桜ヶ丘病院がJR清水駅東口に移転しJCHO清水さくら病院として3月に開院します。移転先をめぐっては県と静岡市の対立もありました。
JR清水駅東口に新たに完成したJCHO清水さくら病院。
鉄骨造りの地上7階建てで、1万5000平方メートル以上の床面積と159床の病床を備えます。
鈴木櫻子 記者:
地元住民たちの医療の受け入れ先となっていくこの病院。ただ、現在ある桜ヶ丘病院からの移転をめぐっては、長年の紆余曲折がありました
1959年に建てられた桜ヶ丘病院。
60年以上この場所で地域の医療を支える一方、老朽化が進んでいます。
移転場所を巡り真っ向から対立したのが静岡市と県でした。
静岡市が移転先として挙げたのが市役所の清水庁舎。
津波の浸水想定区域で県は再検討を求め一部の住民も反対しました。
静岡市・田辺信宏 市長(当時):
聞いてください、聞いてください.。冷静になって聞いてください
市は当時の田辺市長が直接出向いて住民説明会を開きましたが紛糾する場面も。
それでも8回の説明会で「理解は得られた」と判断し、清水庁舎への移転を正式に発表しました。
しかし、新型コロナの影響で清水庁舎の移転事業を凍結。
庁舎の移転先だったJR清水駅東口公園を病院の移転先として挙げ運営法人のJCHOと協定を結びました。
静岡市・田辺信宏 市長(当時):
このことが総合的に清水の住みやすさにつながるであろうし、ビジョンを示して説明責任を果たしていきたい
ただ、この場所も津波の浸水想定区域で一部の住民は反対し、当時の川勝知事も苦言を呈しました。
静岡県・川勝平太 知事(当時):
重大な問題がはらまれているという風に受け止めております。その判断をした人の責任は非常に重い
落合健悟 記者:(2021年11月)
反対派の住民が工事現場の中に入ってしまっています。市の職員が対応にあたっています
候補地決定の経緯に納得できない反対派の住民による抗議は続いたものの、地域の医療のためにも病院の建て替えは待ったなしの状況。
資材の高騰や人件費の上昇による二度の入札の不調で開院は当初の予定より2年遅れましたが、ようやく竣工にこぎつけました。