食べる

【清水区・ますかっと家】白いハンバーグと元都知事のための特製牛タン料理 レトロな洋食店を発掘

静岡市清水区の中心部にある夫婦が営む洋食店は、もうすぐ半世紀。扉を開けると時間が止まったかのようなレトロな世界が広がっていました。シソ香る白いハンバーグや、常連さんが必ず頼むという牛タン料理は、ここでしか食べられません。

【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ

いつも通る道でも、一本裏へ入ればそこはまるで別世界。静岡県民必見の裏スポットをめぐります。静岡市にある清水港のすぐそば、清水駅前から南へ延びる「さつき通り」を散歩しています。

レトロな外観に吸い寄せられた!

静岡鉄道の新清水駅の北側のさつき通りから、少し裏に入ったところで黄色い看板を見つけました。

「ますかっと家」と書いて「ますかっとはうす」と読むようです。

果物店のような名前ですが、「ピザ・パスタ・ワイン・生ビール」とあるので、レストランですね。

お店があるのは看板からさらに30m、細い道を進んだ先です。

店名の電飾や赤い三角屋根がレトロ感を漂わせている、1978年創業の「ますかっと家」。

小原俊さん・美和子さん夫婦が、二人三脚で営む洋食レストランです。

2人はなんと中学の同級生。店内も46年間ほとんど変わっていないそうです。

ますかっと家・小原俊さん美和子さん夫婦

もうすぐ半世紀になるますかっと家の定番メニューは、白いハンバーグ「クリームしそハンバーグ(1210円)」です。※ライス別途220円

美和子さんが「一度食べたら絶対リピーターになっちゃう」と話す、おすすめの品です。

クリームしそハンバーグ(1210円)

分厚いハンバーグの下にはパスタが敷かれています。

「ますかっと家にしかない味」と夫婦が太鼓判を押すその味は、濃厚なクリームにサッパリしたシソがよく合っていました。

ますかっと家・小原俊さん:
ベシャメルソースをホワイトソースにして、生クリームとタマネギを一緒に炒めて、それをまたこしています

最初はパスタにかけていたソースをハンバーグに応用。まかないメニューがリピーター続出の人気メニューに昇格したそうです。

元都知事のための特製牛タン料理

常連さんは必ず注文するという裏の看板メニューも紹介してもらいました。

ますかっと家・小原俊さん:
だいたい常連さんは「牛タン」と言うんですよ

それは牛タンという概念が覆される料理「牛タンみのべ漬け(1320円)」です。

牛タンみのべ漬け(1320円)

味がついているので、そのまま食べてみてください。

牛タンがこんなに簡単にかみ切れるのかというほど、お肉がホロホロでした。4時間もボイルしているからだそうです。

味付けはステーキに使っている和風ソース「みのべソース」に漬け込んでいます。

この牛タン料理にも驚きの裏話があったんです。

それはもう50年ぐらい前の話です。

ますかっと家・小原美和子さん:
元東京都知事の美濃部亮吉さんのために考案されたオードブルなんです

小原さんが修行していたのが清水区にある洋食店「キッチン&ビストロ 光輪」。そこの師匠が東京のレストランに勤めていた時に都知事だった美濃部さんが来て、「なにか変わった料理を」とオーダーしたそうです。

そこで生まれたのが「牛タンみのべ漬け」でした。

だから清水区で牛タンみのべ漬けを作れるのは、光輪とますかっと家だけ。

ご飯はもちろん、ワインや日本酒にも合うそうです。

マスカットは出さないんですか?

最後に気になる事を聞いてみることにしました。実は看板を見つけた時から気になっていたんです。

(Q. マスカットは出していないんですか)
ますかっと家・小原俊さん:
出していないです。テーブルの形がマスカットの名前の由来です

たしかに円形のカウンターテーブルは黄緑色で、一粒のマスカットのようでした。

清水区の裏道で見つけた超穴場のレストラン。ぜひマスカットのテーブルに座って、ここでしか食べることができない白いハンバーグや牛タンを味わってみてください。

味のあるマスター夫婦との会話も楽しめそうです。

■店名 ますかっと家
■住所 静岡市清水区巴町13-16
■営業時間 平日12:00~14:30 17:00~22:00
      土日祝12:00~22:00
■定休 水 ※臨時休業あり

【もっと見る! 清水区の穴場グルメ】

アバター画像
静岡のみなさん、おかえりなさい。月~金、夕方4時50分から放送中!静岡県内のニュースや話題のスポット、気になる明日の天気まで、余すところなくお伝えしています。
  • BLOG