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【キミだれ?】昭和生まれのロボット 名前思い出せますか? 児童会館が閉館後も現役続行 静岡市

テレビ局の資料室に保管された映像から、静岡の今と昔を調査。今回は1971年の映像から、かつて静岡市にあった児童会館で子供たちに愛されていた昭和生まれのロボットの行方を追います。実は科学館「る・く・る」へ引っ越して今も現役なんです。

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かわいい! 子供に大人気でした

1968年に設立されたテレビ静岡の資料室には、開局から56年分の取材記録が保存されています。

今回は1971年の映像から、静岡の子供たちを笑顔にし続けた「ある人気者」が見つかりました。

映像には、子供と握手をしながらお辞儀をするロボットの姿が映し出されています。

愛らしい姿で、たくさんの子供たちに囲まれています。

角張った体に光る目。見た目はいかにも“ザ・昭和”のロボット。

2003年の映像によると、ロボットがいる建物は白い外観の3階建てで、「静岡市立児童会館」の文字が見えます。

ロボットはかつて赤色でしたが、青色に変わっていて、帽子をかぶって水筒をぶらさげています。

ますます親しみやすくなっていました。

続く映像には、旧式のパソコン画面を見つめる子供たちの姿が。パラボラアンテナで遊ぶ子供たちもいます。科学実験ができる施設のようです。

さあ、当時子供だった静岡市のみなさん。この場所を、このロボットを覚えていますか?

閉館した児童会館の痕跡を求めて

映像に映っていた建物を探すため、かつて児童会館があった駿府城公園へ向かいます。

しかし2003年まで存在していた児童会館は、すでに取り壊されていました。

映像にあった3階建ての建物があった場所は、広々とした公園になっていて、児童会館の痕跡はありません。

児童会館の跡地

20年以上の歳月が流れ、かつての賑わいを想像するのも難しくなっていました。

ロボットの記憶 街頭で聞きました

街行く人々に、児童会館とロボットについての記憶を尋ねました。多くの人が懐かしそうに当時を振り返ります。

街行く人:
よく行きました。天文台があって音楽室があって、1階に科学展示があって「ロボット」が立っていて、なんか押すとチカチカしてしゃべるんです

街行く人に児童会館の思い出を聞き込み

次々と思い出がよみがえる、当時子供だった人たち。

別の人:
幼稚園の頃からずっと遊びに行っているところで、学校の帰りとかよく寄っていました。2階にシアタールームがあったり、下にはテレビ電話があったり、本当に楽しかったですよね

テレビ電話があった

テレビ電話があったことや、映像に映っていた大きなパラボラアンテナを覚えている人もいました。

そして、ついに聞き込みをした人からロボットの名前が判明!

その名は「カンちゃん」でした。

ロボットの名前がわかった!

児童会館の入口で「ボク、カンチャンです。きょうはどうも来てくれてありがとう」としゃべりながら子供たちを出迎えていたそうです。

カンちゃんの名前を教えてくれた女性によると、今もカンちゃんは別の場所に展示されているそうです。カンちゃんにぜひ会いたい!

「カンちゃん」を発見

カンちゃんが今も展示されているという静岡科学館「る・く・る」へ向かいます。

すぐに待望のカンちゃんとのご対面となりました。

エレベーターホールで見つけたカンちゃんは、台に乗っているとはいえ、身長177cmの光田有志アナウンサーとほぼ同じ大きさです。

昔とは色合いこそ違いますが、映像にあったロボットで間違いありません。

意外に大きいカンちゃん 左は身長177cmの光田有志アナ

あの巨匠が手がけたロボットだった?!

静岡科学館る・く・るの木南友希さんから、カンちゃんの歴史について詳しく聞くことができました。

1971年に児童会館に納品され、2003年に児童会館は閉館。その翌年2004年に「る・く・る」にやってきたそうです。

静岡科学館る・く・る・木南友希さん

かつては「案内ロボット」として活躍し、現在は出口に立って「見送りロボット」として子供たちに笑顔を与え続けています。

そして、驚きの誕生秘話が木南さんの口から明かされました。

静岡科学館る・く・る・木南友希さん:
手塚治虫先生がデザインに加わっていたのではないか、という逸話が職員に伝わっています

いきなり飛び出したマンガ・アニメ界のビッグネーム。

木南さんは確証はないとしながらも、「手塚治虫氏がデザインした」と記載された展示物ガイドが、児童館に残っていたと話します。

カンちゃんのデザインに巨匠が関わっていたかもしれないのです。

さらに驚きの事実が。手塚治虫氏が手がけたカンちゃんは全部で4体あったそうです。

静岡科学館る・く・る・木南友希さん:
最初は歩くロボットとして1号機が、案内ロボットとして2~4号機が作られました。そのうちの1体が、このカンちゃんだと言われています

カンちゃんに兄弟がいた可能性まで出てきました。

昭和に生まれ、平成を経て、令和の今もなお子供たちを見守り続けるカンちゃん。驚きのビックネームをバックボーンに持ったロボットは、時代を超えて愛され続けています。

■施設名 静岡科学館る・く・る 
■住所 静岡市駿河区南町14-25 エスパティオ8~10階 
■営業時間 9:30~17:00
■定休 月
■入場 大人(15歳以上※中学生は除く)520円 
    小・中学生120円(静岡市内在住・通学者は無料)
    未就学児 無料
■問合せ 054-284-6960  

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