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飲食店やバーなどを経営する男性の遺体が損壊された上、静岡県藤枝市の山の中に遺棄された事件。警察は男性の同級生で共同経営者の男など3人を逮捕していて、犯行に至った経緯や動機を調べている。
被害者含め4人はいずれも面識あり
飲食店やバーなどを経営する男性(当時30)の遺体を損壊し、藤枝市の山中に遺棄した疑いで逮捕されたのは静岡市葵区鷹匠に住む会社役員の男(31・以下A)、静岡市葵区六番町に住む飲食店店長の男(27・以下B)、そして静岡市清水区に住むアルバイト店員の女(19・以下C)の3人だ。
関係者によると、男性とAは同級生であり共同経営者。BはAが経営する飲食店の店長を務め、男性とは仕事上のつながりがあり、Cも3人が関係する会社で働いていて、いずれも面識があったという。
遺体発見につながった店からの通報
事件発覚の端緒となったのは10月2日午前9時半頃。
男性と連絡が取れなくなったことを不審に思った母親から警察に連絡が寄せられた。
すると県警がすぐに動き出す。
通報の約1時間後には静岡市葵区にある男性宅を警察関係者が訪れ、夜になると続々と捜査車両や警察関係者が集まり、翌日からは鑑識作業が始まったと近隣住民は記憶している。
一方、10月1日夜には男性の自宅で不可思議なことが起きていた。
知人の話では、5月に男性から「京都に行く」と告げられて以降、自宅のベランダには洗濯物が干しっぱなしとなっていたが、突如としてそれが取り込まれたという。
近隣に設置された防犯カメラの映像からは1日午後7時頃、何者かが男性宅に入る様子も確認できる。
こうした中、事態が大きく動くきっかけとなったのは10月初旬にあった1本の通報だ
「車内清掃を頼まれた車からウジ虫がわいている」
静岡県中部地区にある店の関係者からの連絡を受け、警察は10月3日までに当該車両を押収。
この車は男性が日常的に使用していたものの名義人はAになっていて、搭載されたカーナビのGPS記録を解析したところ、藤枝市の山中を転々としていたことがわかった。
そして、周辺を捜索したところ遺体を発見。DNA型などから男性であることが確認された。
遺体の状況やこれまでの捜査から男性は5月下旬~6月上旬にかけて死亡したと見られ、衣服が燃やされていたことも判明している。
関係性に悩みや不満?
男性は生前、「仕事でAに指示を出す機会が多くなり、関係に悩んでいる」と周囲にもらしていた一方、Bは“舎弟”のような存在だった。このためBが男性宅を訪れる姿を何度も目撃されている。
警察は男性が殺害された可能性も視野に、死亡した経緯を3人が知っていると見て、携帯電話の通信記録や金の流れを調べるなど、全容解明に向け捜査を続けている。