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高校生が企業と連携 目指すはアップサイクル 静岡市も支援 今後もSDGsに関する授業を展開へ

プレゼンする高校生と企業の担当者

静岡市内の高校生が民間企業と市のサポートを受け、社会とのつながりの中でSDGsを多くの人に知ってもらうための実践的な取り組みを進めている。廃棄予定のものに手を加え生まれ変わらせる創造的再利用=アップサイクルだ。

市・企業がサポートするワークショップ

常葉大学附属橘高校(静岡市)

静岡市葵区にある常葉大学附属橘高校。

この日、生徒たちのプレゼンを聞くべく学校を訪れたのは食品飲料メーカー・ネスレ日本の担当者だ。

ネスレ日本・瀧井和篤さんは「若い世代ならではのアイデア、デザイン・使い道といった意見を聞けたら」と期待をのぞかせた。

プレゼンの様子

早速チームごとにプレゼンテーションが始まった。

プレゼンする生徒:
1年間で可燃ゴミから出る焼却灰は約430万トン。そのため最終処分場の残余年数は約20年。この問題を解決するためゴミの量を減らすことが大事になってくる

プレゼンする生徒:
SDGsアクションはマイバッグを常に持ち歩いてコンビニなどでビニール袋を買うことを減らすことで家庭のごみの排出量を減らすことが目標

星崎裕美 主事

この学校ではSDGsに積極的に取り組む静岡市の発案で、4年前から企業の担当者を招いてSDGsに関する取り組みや課題について学ぶワークショップを実施。現在は8つの企業が協力している。

静岡市ごみ減量推進課・星崎裕美 主事:
学生に生の声を聴いてもらうことはもちろん、企業の取り組みをより深く知ってもらうこと。企業がこんなことをやっているPRの場になればいいと思っている

リサイクルに新たな価値を加えて

商品パッケージと紙糸

生徒たちが発表しているのは商品パッケージをリサイクルして生み出された紙を使い、どんな商品を生み出すことができるか。

プレゼンする生徒:
私たちが考えたアクションはアップサイクルで紙布を作り、その紙布を使ってエコバッグを作るものです

プレゼンの様子

目指すのは本来ゴミとなってしまうものをリサイクルし、デザインやアイデアといった新たな価値を加えた商品を生み出すアップサイクルだ。

プレゼンする生徒:
まずは紙をリサイクルして紙糸を作り「しおり」を作る。「しおり」は幅広い世代の人が使っているのでSDGsアクション・アイデアに選びました

プレゼンする生徒:
今回はコースターを作りたいと思います。なぜコースターにしたかというと、ネスレはコーヒーを商品として売っているので、相性が良いと考え、なおかつ紙で作りやすいと思ったからです

セールスプロ―モーションの提案も

プレゼンする生徒

プレゼンする生徒:
大物インフルエンサーとのコラボ動画をSNSにて宣伝する。大物インフルセンサーとのコラボにより、その人の影響力によって社会から注目してもらえてこの活動が多くの人に知ってもらえる

プレゼンする生徒:
今年から橘高校ではスクールプロモーション部ができ、TikTokを活用することで、いろいろ投稿していて、協力を得ることでトートバッグをPRして広めたい

商品の提案にとどまらず、売るための販売戦略も生徒たちが提案。

高校生のアイデアが商品化へ

瀧井和篤さん

いよいよ結果発表。

ネスレ日本・瀧井和篤さん:が「今回のプレゼンの優秀チームは5番女子チーム」と発表し、エコバッグを商品化することが決まった。

プレゼンに参加した生徒に1人は「SDGsについて深く知ることができたし、実際に活動することができたのでとてもいい経験になった」と話し、優秀チームの1人は「どんな人でも簡単に使えて、周りに広めてもらえるような魅力的なバックを作りたい」と意気込みを口にする。

関本和彦 校長

常葉大学附属橘中学・高校
関本和彦 校長:
学校の中だけではなく、社会とのつながりの中で自分がどう考えて自分でどう判断して今後の人生に役立てるか、若いうちから高校の早いうちから取り組みを行うことで将来につなげてもらえたら

エコバッグは2025年3月までにネスレが販売を始める予定で、そのデザインは生徒たち自身が担当し「SDGs」や「静岡」にまつわるものを現在検討しているという。

常葉大橘高校では今後も高校生らしいアイデアを活かせるSDGsの授業を進めていくほか、静岡市もこうした取り組みを他の学校や企業にも広げていきたい考えだ。

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