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「巨大地震注意」 政府の呼びかけ終了…今回の対応は?今後の注意点は?専門家に聞く 静岡

南海トラフ巨大地震注意の臨時情報を受けた政府の呼びかけは8月15日で終了となりました。そこで静岡大学防災総合センターの北村晃寿 センター長に今回の政府の対応などについて伺っていきます。

国民の防災意識が高まった1週間

北村晃寿 センター長

-1週間で政府の呼びかけは終了しましたが、どう受け止めていますか?

静岡大学防災総合センター
北村晃寿 センター長:
この1週間で多くの人の防災意識が高まったと思います。

ただ歴史的には日向灘の地震のすぐあとに南海トラフ地震が起きたことはないため、南海トラフ地震・臨時情報の中でも今回は切迫度がもっとも低かったことに注意してほしい。

もしこれが南海トラフのより内側でマグニチュード7の地震が起きていた場合、巨大地震につながる可能性はより高くなりますので、この1週間の緊張感はより高いものになったと思います

初めての経験を今後に役立てよう

備えの再確認による対応

-この1週間は備えの再確認が呼びかけられ防災用品などが品薄となったほか、花火大会の延期や海水浴場の遊泳禁止などもありましたが、こうした対応をどうご覧になりましたか?

静岡大学防災総合センター
北村晃寿 センター長:
このまま巨大地震が起きなければ今回の臨時情報はいわゆる”抜き打ちテスト”のようなものになります。

初めてのことなので、こういった場所のそれぞれの地震や津波への防災対策には相違がありますので、対応に苦慮して行事の延期や遊泳禁止などの判断に至ったと思います。

今回の経験や他地域の情報、そういったデータをたくさん集めて今後の対応に役立ててもらえれば。

地震のリスクは継続

継続していきたい対策

-15日で臨時情報が解除されましたが、改めて今後私たちはどう生活していけばよいのでしょうか?

静岡大学防災総合センター
北村晃寿 センター長:
今回の臨時情報をきっかけに多くの人が避難経路・避難場所・非常持ち出し袋、備蓄品などについて確認した人が多いかと思います。

さらにニュースや防災アプリを活用して地震に関する最新の情報を得る手段を整えた人もいると思います。

15日 地震臨時情報は解除されましたが、南海トラフ地震のリスクは依然として続いているため、今回の地震臨時情報で行ったこれらの対策を今後も継続してもらえれば。

鎌田靖さん

-鎌田さんはこの1週間の動きをどうご覧になりましたか?

ジャーナリスト・鎌田靖さん:
(地震臨時情報は)初めてだったので、南海トラフの地震は必ずいつか起きるだろうと言われていたのが実際に、リアルにやはりこういう危険があるんだということを多くの人が改めて認識することができたのでは。

ただ一方で、この臨時情報を私たちはどのように受け止め どこまで恐がればいいのか どこまで注意すればいいのかはっきりせず、モヤモヤしている間に1週間が過ぎたという印象です。

1週間経ったあと、危険度は変わらないと思うが、私たちはこれから南海トラフ地震にどういった気持ちで向き合えばいいのでしょうか、もう一度うかがいたい。

静岡大学防災総合センター
北村晃寿 センター長:
地震の場合、それが誘発して次の大きな地震が起きることはありますが、時間と共に発生の可能性は低くなります。

(今回の地震は)もうすでに1週間経っているので、地震が起きた日の夜や直後に比べれば、科学的には可能性が低くなっているということをみなさんにご承知いただければ。

どのように過ごせばいいのか、正しい答えは私たちにもわかりませんが、今回さまざまな人がさまざまな場所でさまざまな対応をしたということで、たくさんのいろいろな対応についてのデータが得られたので、それらを集めて今後の防災対策の強化に使うようにしてもらえれば

備えの意識を忘れずに

いけや賢二さん

-さきほど北村センター長から”抜き打ちテスト”という表現がありましたが、本当に考えさせられることが多かったですよね

料理芸人・いけや賢二さん:
リアルに目の前にあるんだなというふうに思いましたし、ずっと緊張感をもったままいるのもしんどいなと。でも3週間、4週間経つともう忘れてしまうなと。そのあたりの意識をどういうふうに持っていけばいいのか、そこが難しいですよね

私たちも備えの意識を持ち続ける必要性というのを、番組を通してこのあとも、これからも伝え続けなければいけないなと思います。

過度に不安にならず、地震がいつ来ても大丈夫なように備えておくことが大切です。

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