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秋葉体制でリーグ4戦負けなしの3勝1分け ~清水エスパルスは何が変ったのか~【前編】

秋葉新体制でリーグ4戦負けなし

J2第11節、清水エスパルスはアウェイで大宮アルティージャと対戦し、3対0で完勝した。秋葉監督に代わり、リーグ4戦で3勝1分けと負けなし。第7節までで積み上げた勝ち点5に、わずか4試合で10を加え、勝ち点を15まで伸ばした。

◆「ケチャップの栓」を開くために

今シーズン、クラブでは「1年でJ1昇格」の目標を果たすため、「1節あたり勝ち点2」を最低目標としていた。第7節終了時点での目標は14となるのだが、現実に積み上げられた勝ち点は5。目標と現実で大きくかい離したことが、リカルド解任の要因だった。代わりの監督に外国人を招聘する案も検討されたようだが、最終的に過去にJ2を率いたことがあり、経験も豊かな秋葉コーチ(当時)への引き継ぎが決まった。その後 リーグ戦4試合は負けなしで、勝ち点は15、順位を10位まで上げた。

秋葉体制のリーグ戦初陣はホーム・日本平での東京Vを相手に今季初勝利を掴み、安らかな船出となった。新体制で練習が大きく変わった様子はなかった。グラウンド上で、大声を張り上げる人物が一人だけ代わった印象だ。続く仙台戦では「超攻撃的サッカー」を実践しつつも勝ち切れなかった。なかなかフィニッシュを決めきれない。就任後一週間、秋葉監督は翌週の練習にシュートの要素を多く盛り込んだ。「反復練習なのでトレーニングしないと再現性も、イメージの共有もできない」と報道陣にその理由を説明した。また、そのレベルは、「今の時点で個の力の問題」まで来ているとした。選手が「一撃で仕留められれば仙台戦でも7、8点取れていたかもしれない」と、精度の重要性を強調した。

4月16日のアウェイ・山口戦、その成果が早速現れる。前半の右サイドFK、神谷の入れたクロスに井林がヘディングで先制する。続いて前線でセフンが相手ボールをカットし柔らかなパスを出すと、中央から飛び出した北川は相手DFをブロックしながら右足を振り抜き、待望の今シーズン初得点をもぎ取った。その後、井林、ディサロ、サンタナ、中山と、雷雨での中断を挟みつつ、集中力を切らすことなく大量6得点を奪い、打ちのめした。

清水が10節までで放ったシュートはJ2最多の133本、成功率は9.77%と低いがチャンスメイクの機会が多いのは試合を作っている証左。この一戦でエスパルスの「ケチャップの栓」がようやく開いた。

◆チーム内の競争と若手の底上げ

一方 選手起用について秋葉監督は、「選手にはフラットに考えると伝えている」「忖度は大嫌い」と口にする。特に前線の選手は積極的に交代カードを切っていて、その原則はエース・サンタナも例外ではない。5人の交代枠がある中で、複数の選手が活躍の機会を与え、意識を含めてチームの正当な競争をさせようとの狙いからだ。また、下部組織との意志疎通にも意欲的だ。

このところ、アウェイゲームに出かける際、居残り組の指導をアカデミーヘッドの森岡隆三氏に頼む体制が整えられ、育成組織とトップチームの交流は明らかに増えた。この流れは、ルヴァン杯のアウェイ・川崎戦でより顕著に示される。

大久保・西澤・コロリ・菊池・成岡を除く6人の選手が今季初先発。左SBには阪南大の特別指定選手・高木践、MF・ヘナトは2年ぶりの公式戦出場だ。また、リザーブの選手は全員がユースだった。いわゆるベストメンバー規定による制裁基準が撤廃され、選手選考はチームに任されているものの、興行的には問題視されておかしくない選択だった。しかし若い選手の経験と、「チーム内の公平な競争を求める平等な機会づくり」という秋葉監督の方針を行動で示した。試合は完敗したが、その本気度はチーム内に強く伝わった。

(テレビ静岡報道部スポーツ班 外岡哲)

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