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伊豆半島の南側、山と海に囲まれた静岡・下田市にある「平野屋」は、歴史的な建物を改築した博物館のようなカフェです。3日煮込むビーフシチューや、秘伝のタレを使ったステーキなど、絶品メニューに出会えます。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ了仙寺の北 大横町通りで見つけた一軒
ペリーが来航し日米和親条約締結の舞台となった了仙寺から北へ向かうと、大横町通りにでます。

この通りで目を引く建物に出会いました。外壁や塀は“はなまこ壁”です。看板には「喫茶と軽食」の文字。
一方で「欠乏書跡」と書かれた石碑が立っていて、歴史的な場所なのでしょうか。ペリーとゆかりがありそうな雰囲気が漂っています。

伊豆急・下田駅から南へ徒歩約12分の場所にある「平野屋」。庭には整えられた植込みがあり、落ち着いた時間が流れています。
ペリー来航と結びつく歴史が明らかに
店内に入ると、木製の太いはりが重厚感を感じさせる空間が広がります。

取材に応じてくれたのは代表の鈴木千枝さん。この建物の歴史を教えてくれました。
平野屋・鈴木千枝さん:
この建物自体はペリーが来航した後、安政元年(1855年)に建てられました。この場所だけが外国船で足りなくなった水とか食料とか欠乏品の供給場所だったんです。その建物をリノベーションして、今レストランとして営業しています

欠乏所とは、海外の船に不足した品々を販売する場所。幕末の歴史をそのまま体感できるような空間に、思わず息をのみます。
現在の業態はカフェですが、博物館としての展示もあり、その中でゆっくりお茶を飲むことができるスペースです。

仕込みに数日かかる看板メニュー「ビーフシチュー」
平野屋の自慢のメニューを紹介します。
数量限定の看板メニュー「ビーフシチュー(サラダ・ライス・ドリンク付き2000円)」は、つぼ風の入れ物に入ったビーフシチュー、上にはブロッコリーが乗っています。サラダの小鉢も付いています。

大ぶりな肉塊と、濃いブラウンソース。一口食べると、ほろほろと肉が柔らかく溶けて細かくなり、いつの間にか消えてしまうような食感です。
カボチャ、ニンジン、タマネギといった具材もひとつひとつが大ぶりで、野菜の甘みと牛のうま味が口いっぱいに広がります。

このビーフシチューには並々ならぬ手間がかかっていました。
肉が手に入ったときに仕込みを始め、煮込みに数日かかるので、1回にできる量は数十人分です。1日10食以内の限定で販売しています。

平野屋・鈴木さん:
ビーフシチューは牛肉命なので、ほかの具材は一緒に煮込まないんです。最初にタマネギとニンジンで牛肉をだいたい10kg、3日ぐらい煮込んで、タマネギとニンジンはなくなります
大量に作れないからこそ、食べられた人はラッキーです。
母から受け継いだ「かぼちゃのケーキ」
続いてデザートとして登場したのが、看板商品の「かぼちゃのケーキ(600円)」。

プリンタイプのケーキで、フォークで持ち上げると、ツヤのあるキャラメル色のソースが輝きます。皿にはクリーム、ミントの葉が添えられていました。
ムース状のしっとりとした部分が口の中に溶けていき、かむたびにカボチャのうま味と香りがじわじわと広がっていきます。カボチャ本来の甘みで勝負しています。

平野屋 代表・鈴木さん:
カボチャとバターと牛乳と生クリームで作っています。このレシピは母から伝授してもらったものです
レストランを始めたのは鈴木さんの母、その料理の腕がしっかりと受け継がれているのだと感じます。
秘伝のタレ「ステーキランチプレート」
最後に、特別なメニューを紹介してもらいました。
「ステーキランチプレート(ドリンク付1800円)」はガーリックライスの上に焼き目のついたグリルステーキを並べ、表面にはガーリックチップをのせた豪快な一皿。

平野屋 代表・鈴木さん:
昔はステーキを鉄板でジュージュー焼くメニューをメインで出していたんですが、土日だけそのステーキを生かせるプレートを作っているんです
ブロッコリー・ニンジン・ポテトの付け合わせと、サラダの小鉢も添えられています。
歯切れが良く、くどくない。すっきりとしたうま味が広がり、肉をたっぷり食べているはずなのに、さらに食欲が増していくような感覚です。その秘密は、先代から受け継がれてきた「タレ」にありました。

平野屋・鈴木さん:
タレは命だと思っているので、タレも先代からずっと受け継いできたものを足して足して使っています。レシピは全部頭の中に入っています。ステーキ屋さんに行くと自分のタレを持っていきたくなっちゃうんです
門外不出の秘伝のタレが、長年の常連客を引きつけ続けているのです。

なお、このステーキランチプレートはいいお肉が入った土日のどちらかにしか提供しない、まさに「食べられたらラッキー」な一品。午前11時のオープンと同時に駆け込んでくる常連客もいるほどだといいます。
平野屋・鈴木さん:
11時オープンなんですけど、もう11時になったかならないかに来て「できる?」と聞かれました

歴史ある建物の中で、先代から受け継いだ味を守り続ける平野屋。博物館のような空間での絶品料理は格別です。看板商品のビーフシチューもステーキランチプレートもどちらも数量限定。運も試されるかもしれません!
■店名 平野屋
■住所 静岡県下田市三丁目1-4
■営業時間 11:00~15:00
■定休 火・金 ※臨時休業あり
■問合せ
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