幹に食い込む石
見つけた

【伊東・蓮着寺】石を食うモチノキとは!? びっくりな木ができる謎を追ってみた 自然の力に感動

静岡・伊東市の蓮着寺にあるという「石喰いのモチノキ」は、なんと木の幹にたくさんの石が食い込んでいる不思議な木です。訪れた人が思わず「えっ、なにこれ!?」と声を上げるほどインパクトがあるこの木がどう誕生したのか、謎を追いました。

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「石喰いのモチノキ」はどこにある?

「石喰いのモチノキ」があるのは、伊東市にある蓮着寺(れんちゃくじ)です。本堂から城ヶ崎海岸へ向かう途中の道沿いです。

城ヶ崎海岸にある、観光客に人気の吊り橋や灯台からも、徒歩約23分でアクセスできます。

「伊豆海洋公園」の隣にある蓮着寺

蓮着寺(伊東市富戸)

蓮着寺は、スキューバダイビングスポットとして人気の「伊豆海洋公園」のすぐ隣にあります。

国道135号線から伊豆海洋公園の方へ、海に向かって下りましょう。道中目にする伊豆海洋公園の看板を目印にすると、迷わずたどり着けます。

駐車場は蓮着寺の敷地内に数台分のスペースがあり、城ヶ崎海岸の観光とセットで訪れるのがおすすめです。

蓮着寺正面の階段下

境内には、丁寧にお手入れされたお花や植木があり、お参りがてら眺めると心が落ち着きます。

観光地らしい賑やかさはなく、静けさの中に凛とした空気が流れ、どこか時間が止まったような場所です。

境内には推定樹齢1000年のヤマモモの木

推定樹齢1000年のヤマモモの木

階段を上ると、まず目を引くのが圧倒的な存在感を放つ大木。

推定樹齢1000年とも言われるヤマモモの木で、幹の太さは大人が両手を広げても抱えきれないほど。その迫力に、思わず声をあげてしまうでしょう。

幹は長い年月の重みを感じさせ、無数の枝が空へと力強く伸びています。

「蓮着寺のヤマモモ」について説明看板が立っています

「蓮着寺のヤマモモ」は、国の文化財に指定された大切な木です。

樹齢1000年ということは、およそ平安時代からこの場所に立ち続けているということ。歴史や景色の移り変わりを長年見てきたヤマモモの木だと思うと、感慨もひとしおです。

蓮着寺の境内から城ヶ崎海岸の方へ

石喰いのモチノキと書かれた案内標識
案内看板がさす方へ

ヤマモモの大木に圧倒されたあとは、城ヶ崎海岸方面へと続く遊歩道へ向かいましょう。

遊歩道に出た途端、足元は溶岩となり、歩くたびにゴツゴツとした感触が伝わってきます。

道中の「石喰いのモチノキ」と書かれた看板が示す方へ進んでいくと、目的の木が現れました。

静かにたたずむ「石喰いのモチノキ」

石喰いのモチノキ

石喰いのモチノキは、ポツンとありながらも、空高く幹や枝を伸ばしていました。

木の幹を近くで見ると、複数の石が深々と食い込んでいます。食い込んでいるというより、まるで幹の一部として石が溶け込んでいるような状態です。

石の大きさはさまざまで、こぶし大ほどのものから、小さな小石程度のものまで。

木の一部と化している石 人力では引き抜くことはできない

まるで木が意志を持って石を抱き込んだかのようにも見えます。

長い年月をかけて変化してきた形なのだと思うと、自然の力に改めて驚かされます。

モチノキの足元を見ると、幹に食い込んだ石と同じような質感の石が転がっていました。

モチノキの周辺にある石

石はよそから持ち込まれたものではないようです。

約4000年前、大室山の噴火によって流れ出した溶岩が海水によって冷えて固まり、城ヶ崎海岸ができました。

裏側から見た石喰いのモチノキ

木の幹に食い込んだ石も、伊豆半島の大地が生み出したものでしょうか。

大地の歴史が、このモチノキの幹の中にそのまま刻み込まれているのだと思うと、単なる「不思議な木」以上の意味を感じずにはいられません。

ジオガイドに聞いた「石喰いのモチノキ」はどうできた?

なぜ「石喰いのモチノキ」が誕生したのかが気になりました。

自然現象なのか、それとも人の手が加わっているのか。

その答えを求めて、城ヶ崎海岸の成り立ちや地質に詳しい伊豆半島のガイドを訪ねることに。

伊豆高原駅構内にある「伊豆半島ジオテラス」へ

伊豆半島ジオパーク伊東ビジターセンター「ジオテラス伊東」(伊豆高原駅構内)

向かったのは、伊豆急行・伊豆高原駅の構内にある「ジオテラス伊東」。

伊豆半島ジオパークの情報発信拠点として設けられた施設で、ジオパークに関するパネルや資料が置かれています。

駅構内にあるため、電車で訪れる旅行者が気軽に立ち寄れるのが魅力です。

ジオテラス伊東の館内
城ヶ崎海岸の成り立ちや見どころもわかります

施設内には、伊豆半島の自然が作り出した観光スポットや、城ヶ崎海岸で見られる岩石などが展示されており、伊豆の自然がぐっと身近に感じられます。

「伊豆半島はもともと南の方に位置する海底火山の島だった」、など伊豆半島の成り立ちをわかりやすく解説しています。

モチノキに食い込んでいる石については、正確に知るには岩石に含まれている成分を分析しなければわかりませんが、大室山から流れ出た溶岩からできているため、安山岩だと思われるそうです。

ジオガイド「関みどり」さんに聞きました

ジオテラスでお話を聞いたのは、伊豆半島ジオガイドの関みどりさん。

伊豆半島の地質や自然について豊富な知識を持ち、ガイドツアーを通じて多くの旅行者に伊豆の魅力を伝えてきた方です。

みどりさんに「石喰いのモチノキ」が成長して、石を取り込んだ経緯について聞いてみました。

伊豆半島ジオガイド 関 みどりさん

伊豆半島ジオガイド 関みどりさん:
樹木は、幹の外側にむかって新しい細胞の層を形成しながら太く高く成長します。岩石がごろごろある所に芽生えたモチノキが、その幹に触れた岩石を自らの体に取り込みながら成長したため、このような姿になったのではないでしょうか

モチノキが長い年月をかけながら、その場にあった岩石を取り込み成長した姿が「石喰いのモチノキ」の正体でした。

関さんによると木が成長する力はすさまじく、看板などを飲み込んでしまった樹木を見かけるそうです。海外ではベンチを飲み込んだ木さえあると言います。

「石喰いのモチノキ」は逆境に負けない自然の力そのもの

石が食い込んだモチノキ

周囲にある看板やベンチを飲み込むことがあるとは、改めて自然の力強さに驚かされます。

幹の中にすっぽりと石を取り込んだ「石喰いのモチノキ」は、初めて見たときはなかなか衝撃的でした。

この場所で懸命に生きようとする生命力と、逆境に負けない自然ならではの力が生み出すことのできる光景ですね。

伊豆半島は地球の力が感じられる場所

石が食い込んだモチノキ

蓮着寺の「石喰いのモチノキ」、推定樹齢1000年のヤマモモ、そして城ヶ崎海岸に広がる岩石の大地。

伊豆半島には、地球と生命が長い時間をかけて作り上げてきた物語が、いたるところに刻まれています。

観光地としての華やかさとは一味違う、静かで深い感動があるスポットへぜひ足を運んでみてください。

■スポット名 石喰いのモチノキ
■住所 静岡県伊東市富戸839(蓮着寺内)

■施設名  ジオテラス伊東
■住所   静岡県伊東市八幡野1183 伊豆高原駅構内
■営業時間 9:30 〜 16:30
■定休   無休

取材/奥村奈央

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伊豆とダイビングが好きすぎて東京から伊豆へ移住。伊豆の魅力を伝えつつ47都道府県のダイビング制覇と世界中の秘境を潜りつくすことを夢見ているさすらいのダイバー!