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人口減少が進む日本で、これからの社会を支える“人財”とは。弁護士の住田裕子さんが、AIにはない人間ならではの力と、子供たちの可能性を引き出す大切さを語りました。

テレビ静岡で4月19日に放送されたテレビ寺子屋では、弁護士の住田裕子さんが、AI時代に求められる人間固有の能力「共感性」の重要性について語りました。
AIにはできない人間ならではの“社会力”
弁護士・住田裕子さん:
いま日本では人口減少が進み、日本社会自体が小さくなりつつあります。そんな社会で活躍できる「人財」とはどのような人でしょうか?
「じんざい」の「ざい」は素材の「材」ではなく、財産の「財」と書きました。これには、「一人ひとりが大切な宝物である」という私の思いが込められています。

人口減少に伴う人手不足の救世主として、AIやロボットの活躍が期待されています。特にAIは情報経験値を上げて進歩しており、これから多くの仕事がAIに置き換わっていくと言われています。
では、AIになくて人間にしかない能力とはなんでしょうか?

まず、AIには「学歴で測定できる能力」があります。過去のデータを記憶し、○か×で判断する能力です。人間で言うと、正解のある試験勉強に例えられます。
ところが、社会に出て仕事をすると、○か×で判断ができない課題であふれています。つまり、社会で活躍できる能力は学歴だけでは測定できないのです。
成績が平均点以下でも落ち込む必要はない
例えば商品を開発するときに、社会のニーズを想像し、企画し、そして実行する「職務遂行能力」が挙げられます。
また円滑なコミュニケーションをとる「対人関係能力」、人をマネジメントし、まとめ上げていく「組織的能力・集団統合力」も人間が持つ素晴らしい能力です。

私の子供がある進学校に入学したときに言われたのは「この学校に入った時点で、半分のお子さんは平均点以下です」という言葉でした。
はじめは驚きましたが、これは「平均点以下だからダメ」という意味ではなくて、「学校の成績が平均点以下でも落ち込む必要はない。この学校に入学したからには、いろんな可能性と方向性で、その子に向いている素質を見極めて育てていきましょう」という言葉だったんです。

「子供の成績が平均点以下で困っている」とAIに尋ねると、あらゆる視点から平均点をとるための提案や知恵を教えてくれるでしょう。
でも、「社会で活躍するためには、平均点にこだわる必要はない」という答えを出せるのが人間です。もちろん、最低限の知識や心身の健康、基礎的な能力を身につける努力は必要ですが。
「共感性」が素晴らしい“人財”を育む
社会とは組織の集合体で、組織の中で人間関係を構築するには「つながる力」=「共感性」を持つことが大切です。「共感性」は「同じ立場、同じ目線で、相手の悲しみや喜びを感じる心」のことで、人とつながるための大切な要素です。
この「共感性」を養うには、身近なところで教えてくれる存在が必要となります。大人は温かく柔らかな心を持って子供たちに接してください。そうすることで、「共感性」は必ず伝わります。

その積み重ねがすばらしい「人財」を育み、小さくともキラリと光るすてきな日本社会に続く道であると、私は信じています。
住田裕子: 兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、検事に。その後、全省庁女性初の法務大臣秘書官となる。1996年、弁護士に転身。テレビ番組などでも活躍。NPO法人長寿安心会の代表も務める。
※この記事は4月19日にテレビ静岡で放送された「テレビ寺子屋」をもとにしています。
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