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「嘘はついていない」強弁を貫いた田久保被告の“矛盾” 卒業証書を自作し”偽印鑑”まで購入した裏で「卒業していないことを知って自分自身も驚いている」 推定無罪が原則も起訴状と過去の発言に明らかな食い違い

田久保眞紀 被告

静岡地検は3月30日、伊東市の前市長・田久保眞紀 氏を有印私文書偽造・同行使などの罪で起訴した。まだ公判が請求された段階であり、刑事裁判においては推定無罪が原則だが、起訴状では田久保被告が市長に就任した5月29日から6月4日までの間に卒業証書を”自作”し、さらにはインターネットを通じて業者に作成させた学長名と学部長名の印鑑を押印するなどしたと指摘されている。これを前提にすれば、田久保被告は少なくとも市長就任時、またはその直後に東洋大学を卒業していないことを認識していたことになり、これまでの被告の説明とは大いに食い違う。そこで、田久保被告の学歴詐称問題に関わる言動や出来事を時系列で振り返る。

5月25日:
伊東市長選で現職を破り、田久保被告が初当選

5月29日:
田久保被告が伊東市長に就任

6月初旬:
市議全員宛てに「東洋大学卒ってなんだ!彼女は中退どころか、私は除籍であったと記憶している。こんな嘘つきが市長に選ばれるなんて信じられない!議会に真実の追及を求める!※こんな嘘つき、卒業証書の偽造には注意を」と記された告発文が届く

6月4日:
市議会の正副議長に田久保被告が“卒業証書”とされる書類を“チラ見せ”するも複写には応じず

6月25日(市議会本会議):
質問戦で議員から「東洋大学法学部を平成4年3月に卒業していますね?」と問われるも、田久保被告は「この件に関しましてはすべて代理人弁護士に任せているので、あとのことは弁護人から公式に発言のない限りは私からの個人的な発言は控える」と発言

6月26日(ぶら下がり取材):
田久保被告が「前にお見せしているような卒業アルバムとか証書とか、そういった形になりますが、とりあえず手元にあるものはそういう風に(公開)していこうかなと思います」と、7月2日の会見に“卒業証書”を持参する意向を示す

7月2日(会見):
田久保被告は「私が経歴を詐称しているということは一切ない」と切り出した上で、「6月28日土曜日に卒業証明書を取りに大学の教務課窓口に私自身が出向いた。申請手続きを行ったところ、卒業が確認できなかった。除籍であると判明した」と東洋大学除籍を認めた。

この際、「卒業していないことを知って自分自身も驚いている」「非常に恥ずかしい言い方になるが、(卒業していたと)勘違いしていたと言われるとまったく否定できない」と述べつつ、在学中の自身については「大学時代後半は、特に自由奔放な生活をしていて、いつまできちんと学校に行っていたのかと言われると、いつまでときちんと答えられるような通学の状態ではなかった」と説明。

一方で「一度卒業という扱いになって、なぜ除籍になっているのかはきちんと事実関係に基づいて確認していかないと(いけない)」と発言し、代理人の福島正洋 弁護士も「あれ(“卒業証書”)が普通に考えて偽物とは思わない」と断言。

なお、この日、“卒業証書”は持参しなかった。

7月7日(会見):
“卒業証書”について、田久保被告が「私は本物だと思って、各方面、必要だと思った方にお見せしている」と述べ、代理人の福島正洋 弁護士も「私の目から見てあれが偽物とは思っていない」と強調。

この会見で、田久保被告は「証書については卒業アルバムと在籍期間証明書、私の上申書と共に静岡地検に提出することにした。検察で捜査の対象として調べてもらう。よって卒業証書の調査の結果は検察の捜査にすべて任せたい」とも発言している。

7月18日(ぶら下がり取材):
記者から「“卒業証書”は偽物ではないか?」と問われた田久保被告は「いえ!」と語気を強め反論するも、「卒業証書が偽物かどうかというのは私の方で答えられない」とも発言。

除籍に関して「私も保証人の母もそのような(除籍)通知を受け取っているということはないと記憶している」と述べる。

7月31日(会見):
田久保被告は「6月28日に大学へ出向いて除籍処分との事実を初めて認識した」「28日までは私自身が除籍になっていると知り得なかった」「私が除籍を知ったのは6月28日。それ以前にそのような発言をすることはあり得ない」と従来の姿勢を崩さなかった一方、“卒業証書”が本物という認識に変わりはないか聞かれると「守秘義務に抵触する範囲ということで明確な回答は今の時点では控えたい」と述べる。

8月6日:
東洋大学がホームページ上で「本学学則では、卒業した者に、卒業証書を交付することとしており、卒業していない者に対して卒業証書を発行することはありません」との声明を発表。

8月13日(百条委員会):
証人尋問で、田久保被告が「私が除籍である事実を知りました、つまりは卒業できていないという事実を知りましたのは、6月の28日、大学の方に訪れた時になります」などと発言。

“卒業証書”の真贋に関しては「大学に問い合わせを個人的にかけたが、残念ながら夏休みに入ってしまっているので、大学の窓口が開いたら必要に応じて問い合わせをしていきたい」と述べた。

また、6月4日の出来事について「報道であるようなチラ見せといった事実はありません。私の方としては、こうやって提示をしまして、約19.2秒見ていただいたと記憶しております」と主張し、委員会終了後の取材でも「会話は録音の記録を持っていて、ストップウォッチで計った。持っている記録上では19.2秒提示して、『もっときちんと見せてほしい』といった発言はなく、最終的には『いいじゃん』ということで私としては肯定してもらったと受け取れる発言があった。私としては見せて19.2秒ちゃんと提示したと認識している」と強調。

8月14日(ぶら下がり取材):
東洋大学の声明を受け、田久保被告が「卒業できていない人間に卒業証書を渡さないのは当然だと思うので、そこはきちんと確認するべき」と発言。

8月15日(ぶら下がり取材):
“19.2秒”の音声データについて、田久保被告が「必要であれば公開する準備があるので、週末に相談したい」と発言。

8月19日(ぶら下がり取材):
“19.2秒”の音声データ公開について、田久保被告が「公開は差し控えた方がいいと思っている」と前言を撤回。

9月1日(市議会本会議):
東洋大学から提出された記録などを基に「田久保眞紀 氏が、東洋大学を卒業しておらず、正規の卒業証書が授与された事実はないということが正式に判明した」「田久保眞紀 氏が、4年次に卒業できる見込みがなかったことが裏づけられることとなり、田久保眞紀 氏が、卒業していたものと勘違いしていたとの主張は明らかに無理が生じる状況であることが確定するとともに、田久保眞紀 氏は、6月28日以前から自身が除籍であったことを知っていたものと断定できることとなった」などと記された百条委員会の結論が報告される。

また、百条委員会は“19.2秒”発言は虚偽と認定。

9月1日(ぶら下がり取材):
田久保被告は自身の学歴詐称問題について「刑事告発をされるということはそれなりに重いことなので、それに関して、あまり事実関係がしっかりしないうちから発言できなくなった」と述べる。

10月(伊東市議選の応援演説):
市民から「嘘つき」と指摘されるも、田久保被告は繰り返し「私は嘘はついていない」と反論。

10月19日(テレビ出演):
疑念を深めた”卒業証書”とされる書類について、田久保被告が「私にとっては本物」と述べる。ただ、詳細については「今の時点では話が出来ない。いつか話が出来る時点になったらしっかり話したいという気持ちは変わっていない」と言及を避ける。

10月28日(定例会見):
田久保被告が百条委員会で、自身が有している“卒業証書”とされる書類について「東洋大学側に確認する」と述べていたことについて問われ、「必要な問い合わせは引き続きしている」と答えたものの、「刑事告発と関係があるのでコメントは差し控える」と詳細については言及を避ける。

10月31日(ぶら下がり取材):
“卒業証書”について記者から改めて説明するよう求められるも、田久保被告は「刑事告発が理由で(説明拒否は)道理が通らないということより、刑事告発で捜査対象となっていて公式の場で発言できないそのものなので、そちらについてご容赦いただきたい」と拒否。

「捜査対象というのであれば、なぜ捜査機関に提出しないのか?」という問いには「お答えできない」とだけ口にした。

11月19日(会見):
自身の失職に伴う市長選に立候補することを表明した際に、記者から「“卒業証書”とされるものの提出を求められた場合に提出するか?」と問われるも、田久保被告は「大変申し訳ないが、捜査上の問題について発言は慎重にと思っている。差し控えさせていただく」と回答を拒否。

これに対し、「捜査状況に関わる問題ではなく意思の部分。市民も注目している」と質問されるも「それは詭弁であると思う。捜査上の進展の問題は私の意思だけで進むものではないので、慎重に対応するというのは捜査機関に対する礼節でもあるし、ここで軽はずみな発言は控えさせていただきたい。何度も申し上げているので、同じ質問に答えられないので、その点につきましてはご容赦いただきたい」と持論を展開。

「公人として不祥事への説明責任がある。なおも説明責任を果たさないのは、市民に自分のどこを信頼してもらうのか?それに対しても説明責任を果たさないか?」との質問にも「何度も繰り返しになり、質問と答えがかみ合っていないのを感じるが、何度も申し上げているが、捜査上関係のあることはお答えできない。それは変わらないので、何度質問いただいても同じ答えになる。それが誠意のない態度と仰るのは個人の意見として承るが、私は個人として誠意のない態度ではなくて、いまの現状で私のできる精一杯の中での対応と思っていますのでご了解をいただきたい」と答える。

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