静岡県浜松市の伊場遺跡周辺で出土した木簡204点が国の重要文化財に新たに指定されました。歴史を紐解く“拠り所”への期待も膨らみます。
浜松市中央区の伊場遺跡。
この遺跡の周辺 東西2.3キロ南北1.2キロには弥生時代から平安時代にかけての複合遺跡があり、伊場遺跡群とも呼ばれています。
1968年から発掘調査が始まり、これまでに土器をはじめとした数多くの出土品が見つかりました。
2025年9月には赤と黒の漆で彩られた木製のよろいなど、弥生時代後期の出土品605点が国の重要文化財に指定されています。
そして今回、飛鳥時代から平安時代にかけて使われていたと考えられる墨で文字が書かれた木の板「木簡(もっかん)」204点が新たに加わりました。
浜松市博物館・鈴木一有 館長:
伊場遺跡群の木簡が地方行政の実態を示す全国でも稀有な事例だという評価を受けて、この度、重要文化財指定に至った
特に注目なのが役所に出向くよう求めた木簡です。
この木簡により伊場遺跡には飛鳥時代から平安時代に役所があったと考えられます。
浜松市博物館・鈴木一有 館長:
郡の役所から里長を呼び出し、里長が郡の役所に来て、そこで何か使命を果たしたので、(木簡の一部を)折って、指令書(=木簡)を捨てているので、その呼びたてられた場所というのは(伊場遺跡が)郡の役所そのものであろうということがわかる
ほかにも通行を許可する文言が書かれたものや神に祈りをささげるための呪文が書かれたものなど、古代日本の支配の在り方を示す貴重な史料となっています。
遺跡から保存状態がいい木簡がこれほど多く見つかっているのは「伊場大溝」と呼ばれる川の跡があるためです。
木簡が水の中や泥の中にあったことで、空気に触れることなく劣化を防いだということです。
浜松市博物館・鈴木一有 館長:
伊場遺跡というのが浜松市を代表する、日本を代表するような古代の重要な遺跡だということが国からお墨付きももらったので、浜松の歴史を紐解いていく、1つのよすが(拠り所)として、こういったものをまた活用できたら
浜松市博物館では3月27日から6月23日まで、重要文化財に指定された木簡のレプリカを展示するということです。
