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【葵区・羽衣団地】昭和レトロに住める! 日本最古の鉄筋公営集合住宅をリフォーム キッチンに「配膳口」

静岡市葵区に、日本最古の鉄筋コンクリート造の公営集合住宅「羽衣団地」があります。かなりの古さにも関わらず、全国から見学者が訪れているのは、レトロな魅力と歴史的価値があるから。どんな部屋なのか訪ねました。

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日本最古の鉄筋コンクリート造公営住宅「羽衣団地」

JR静岡駅から西へ車で約10分。駒形通四丁目商店街からほど近い場所に、白い外壁の集合住宅が並んでいます。

一見すると、それほど古くは見えませんが、これこそが日本最古の公営集合住宅の「羽衣団地」です。

羽衣団地を訪ねたテレビ静岡・室伏真璃アナウンサー

羽衣団地を管理する静岡市の担当者に、建物の歴史について教えてもらいました。

静岡市 住宅政策課・小澤映里さん:
こちらの「羽衣団地」は1948年に建てられた、日本で今一番古い公営住宅になります。2025年で77年になります

静岡市 住宅政策課・小澤映里さん

民間の鉄筋コンクリート造集合住宅は1916年、日本で初めて長崎県の軍艦島に建てられました。

「羽衣団地」は公営としては日本最古、しかも今も現役で使われているとあって、全国から見学者が訪れるほど注目を集めています。

扉の向こうに広がる昭和の空間

早速、部屋の中を見せてもらいます。が、そこには「ちょっと待ってください!」と言いたくなるほど色あせた扉が。

安心してください。見学用の部屋の入口扉は、塗り直しされた塗料を一部削って、当時の色を見せているからです。

重厚な鉄製の扉

もう一つ驚いたのは、重厚な鉄の扉の真ん中に開けられた「四角い穴」。

これはのぞき窓で、訪問者を直接確認できる仕組みになっています。ただ現代の感覚からすると、かなり気まずくなりそうです。

のぞき窓

それでは重厚な扉を開けて、中に入ります。

年季の入った床板、木製の台所棚、コンクリート打ちっぱなしの水回り。タイル張りのシンク。むき出しの換気扇。質素ながら、なんとも言えないたたずまいを感じます。

テレビ静岡・室伏真璃アナウンサー:
想像していたのと違いました。オシャレじゃないですか?

室内の様子

古さは逆にヴィンテージ感となり、かわいらしさすら感じられます。昭和レトロというより、本物の昭和そのものです。

配膳口と床の間がある暮らし

この建物の大きな特徴が、壁に設けられた「配膳口」です。配膳口とはなんでしょうか?

台所の壁に付けられた引き戸の小窓で、扉を開くと隣の居間とつながっていました。

配膳口

今でいう対面キッチンの役割を果たすのが、配膳口。

この小窓から出来上がった料理を出すのです。

静岡市の小澤さんによると、今も入居者の方々はこの配膳口をそのまま使って生活しているそうです。

今も現役で使われる配膳口

もう1つの特徴が、雲板(うんばん)という壁に付けられた横の板。床の間の役割を果たしています。

鉄筋コンクリート造の集合住宅でも、家の中心には床の間があり、ここを居間として使っていました。

雲板

6畳の居間の他にも8畳の和室があり、当時は5~6人で住んでいたそうです。

全国に先駆けた戦後の復興住宅

こうした公営の鉄筋コンクリート住宅は、戦後の復興事業の一環として全国に建てられました。

静岡市 住宅政策課・小澤さん:
1947年に東京の高輪に建てられた団地がありまして、それをもとに翌年この48型(1948年設計の住宅)の羽衣団地は作られています

竣工当時の羽衣団地の写真

その当時、全国で48型は14都市に74棟建てられていましたが、今現在残っているのは5棟だけです。そのうちの2棟が静岡市に残っています。

この場所に建つ4棟の集合住宅のうち、真ん中の2棟が1948年に建てられた48型「羽衣団地」です。両端の49型「駒形団地」「新通団地」は翌年に建てられました。

4棟並んで建てられた

テレビ静岡・室伏アナウンサー:
みなさんが大切に使っているからか、外から見ても中に入ってもきれいですし、時が経ってもちゃんと残っているということですよね

かつての半地下には共同浴場

ここで羽衣団地クイズです。

今では当たり前にある設備が、この住宅には建設当時ありませんでした。トイレ、キッチン、玄関、押し入れ、リビングはあります。毎日使うもので、ないのは何でしょうか?

見取り図

答えは、お風呂です。

では、一体どうしていたのでしょうか?

一旦外に出て階段を降り、建物の半地下に向かいます。

建物の半地下へ向かう室伏アナウンサー

そこには、団地の階段ごと8世帯で共用していた浴場が設置されていました。

当時は一つのお風呂を1日4世帯ずつ、各家庭が2日に1回入っていたそうです。

共同浴場

静岡市 住宅政策課・小澤さん:
当時は一般の住宅でもなかなかお風呂は家の中になくて、みなさん近所の銭湯に行っていたので、自宅にお風呂があるということ自体がぜいたくでした

市街地を守る防火帯の役割

屋上からは静岡市街地が一望でき、ビルの間から富士山も見えます。

眺めの良い景色

他を上回る高さの4棟が横一列に並ぶ配置。壁のようなこの配置は、羽衣団地が担っていた、住宅以外の役割が故でした。

静岡市は1940年に静岡大火があり、その後第二次世界大戦などもあって、市街地が炎上してしまいました。

その時に安倍川からの西風によって被害が拡大したため、鉄筋コンクリートの燃えにくい建物で、火を防ぐという役割を羽衣団地が担うことになったのです。

防火帯としての役割

つまり、羽衣団地は住宅としてだけでなく、市街地を守る防火帯として重要でした。

レトロ住宅に住みませんか?

そして今、羽衣団地では新たな役割を担うべく、あるプロジェクトが動き出しました。移住者向けのお試し住宅として、実際に住んでもらうためにリフォームをしました。

今度は実際に住んでもらうためにリフォームされた部屋へ。

シューズクローゼットが新設され、シャワーも付き、キッチンもIHになっています。

IHキッチン

畳や押し入れ、台所の「配膳口」など“古き良き”はそのままに、住みやすくなっていました。

静岡市では人口減少を見据え、移住者向けのお試し住宅として、レトロな雰囲気を残しつつリフォームを進めています。

静岡市 住宅政策課・小澤さん:
羽衣団地見学ツアーを実施していて、見学に来られた方からは、ここに住んでみたいという意見もいただいています

羽衣団地見学ツアーで検索

戦後復興の歴史を今に伝える羽衣団地。長い歴史を持つこの建物は、新たな時代の住まいとして生まれ変わろうとしています。

■施設名 静岡市営羽衣団地
■住所 静岡市葵区駒形通4-5-8
■問合せ 054-221-1253 (静岡市まちづくり公社)

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