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静岡市清水区にある干物の老舗「ふかくら」には、朝9時半のオープンと同時に行列ができる工場直売所があります。一体何がそんなに人々を引き寄せるのでしょうか? その秘密を探ってきました。
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にむらあつとリポーターがやってきたのは、JR清水駅から北へ歩いて5分ほどの場所。大きな工場が現れました。
「ひもの」の旗がなびくここに、行列必至の工場直売所があります。

静岡市清水区愛染町(あいぞめちょう)にある、干物の老舗「ふかくら」。
ここが連日行列ができるという干物の工場直売所ですが、訪問時は人の姿はありませんでした。

行列について、工場長の川島豊一さんに話を聞いてみました。
ふかくら・川島豊一 工場長:
毎朝9時30分のオープンの時には、10人から20人、週末だと30人ほど並んでくれています

話を聞くと、どうやらオープンの午前9時半に合わせて行列ができるそうです。
地元の人だけでなく、磐田市など県西部から足を運ぶ人もいるほどで、朝から商品の争奪戦が始まるそうです。

ただの干物じゃない 人気の秘密
お客さんの目当ては、ただの干物じゃないんです。販売する干物に人気の秘密がありました。
ノルウェー産の「サバ塩こうじ」、北海道産の「サンマみりん干し・4枚」、「ホッケ・2枚」がすべて500円。

通常なら800円以上もする老舗の干物が、直売所価格でなんと500円で購入できるんです。
工場長の川島さんによれば、多くの人が朝早くから並ぶ理由は、格安で手に入るからだそうです。
一番人気500円の「チョイキズパック」
数ある干物の中で、最大の人気商品が「チョイキズパック(500円)」です。どんな魚が入っているかは、日によって変わります。

この日は、キンメダイ・アジ・ホッケ・サバ・サンマなど合計7種類。
さまざまな種類の干物が一つのパックに詰められて、なんとこれも500円で販売されているかなりお得な商品です。

なぜこんなに安く販売できるのか聞いてみました。
ふかくら・川島豊一 工場長:
身が少しささくれたり、どうしても出てしまう規格外の商品だからです
工場で干物を加工する過程で生じる規格外品ですが、味は折り紙付きです。

試食! おいしさは下味から
特別に「チョイキズパック」に入っているアジの干物を、試食させてもらいました。
にむらリポーター:
ふっくらしていて、うま味がぎゅっと詰まっていますね。塩味がちょうどいいです

ふかくら・川島豊一 工場長:
干物というのは下味が一番大事で、時期によって下味を変えています。暑い時期には強めの下味、寒い時期には弱めの下味と分けています。今は強めの味付けで、暑い時期にさっぱり食べられるようにしています

リピ率90% レンジでチンする「焼きサバ塩こうじ」
なんとリピート率が90%を超えている商品があるそうです。
同じ直売所で販売し、チョイキズパックに負けず劣らずの人気を誇る「焼きサバ塩こうじ(3枚・1000円)」です。この商品は電子レンジだけで調理できます。

ふかくらの営業部の寺嶋孝志朗さんが特徴を教えてくれました。
ふかくら 営業部・寺嶋孝志朗マネージャー:
焼き加工をしてあるので、ご家庭に帰って解凍後、レンジで約50秒温めればすぐ食べられます
電子レンジ600Wで50秒。干物をレンチンで食べられるのはうれしいポイントです。

にむらリポーター:
うま味は全く逃げておらず、身もとろけるような柔らかさがあります
ふかくら・寺嶋孝志朗さん:
レンジで何秒温めるかも、何度も試行錯誤しました。一番うまい焼き加減をどれくらいにするかが一番苦労した点です

「冷凍庫にストックがないと不安で仕方ない」とお客さんから言われるほど、評判の商品だそうです。
ふかくら・寺嶋孝志朗さん:
若い人にも干物を食べてほしい魚を食べてほしい、という理由でレンジの商品を開発しました。SNSを始めたのも、若い人に干物の魅力をお届けしたいというのが一番の理由です

干物好きの方はもちろん、「チョイキズパック」のようなお得な商品や、レンジで簡単に調理できる商品など、普段は干物を食べる機会が少ない方でも楽しめる商品がそろっています。
工場直売ならではの安さと、プロが作る本格的な味わいを求めて、多くの人が朝早くから並ぶのも納得のお店でした。
■店名 ふかくら
■住所 静岡市清水区愛染町19
■営業時間 9:30~15:00ごろまで
■定休 水・日(不定休あり)※詳細はインスタグラム
■問合せ 054-365-1155
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