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【焼津・浅田梨園】「最高です!」と声援が飛ぶナシ狩りの1日1組限定“珍サービス”

静岡・焼津市を含む志太地区は、古くからナシの生産が盛んな地域。ナシ狩りはもちろん、珍しいプロの撮影サービスがあるナシ園をリサーチしました。

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560本の梨を育てる浅田梨園

浅田梨園の外観

焼津市の東名高速道路・大井川焼津藤枝スマートICを降りて、大井川方向へ車で約3分。

広い畑の中にある「浅田梨園」を訪れました。

「まさに今がナシの最盛期です」と話すナシ農家の浅田侑也さんに、案内してもらいました。

浅田梨園・浅田侑也さん

早速ナシ園の中へ入っていきますが、思ったより果樹の丈が低く、腰をかがめる必要があります。

浅田梨園・浅田侑也さん:
元々棚を低くして収穫しやすいようにしているんですが、今なっているナシの重さが全部のしかかってきているんですね。なので棚もぐんと普段よりも下に下がってきている状況です

腰をかがめる、にむらあつとリポーター

低いのは豊作の証。気をつけてゆっくり進んでください。

志太地区は明治時代から続くナシの一大産地です。昭和初期には1600軒ものナシ農家があったという記録も残っています。

静岡県の落葉果樹の歴史と産地

浅田梨園では約560本のナシを育てています。品種は旬の時期が微妙に異なる10種類。

取材に訪れたこの日は、甘みが強い「筑水(ちくすい)」が食べ頃とのことで、実際に収穫させてもらいました。

筑水、幸水、豊水の食べ頃

「筑水」は7月下旬~8月10日頃、「幸水」は8月10日~25日頃、「豊水」は8月20日~9月10日頃まで収穫できます。

ナシの“食べ頃”見分け方

どうやって収穫時期を見極めるのでしょうか。浅田さんに教えてもらいました。

ツルツル肌がおいしい

浅田梨園・浅田侑也さん:
肌がツルッとツヤツヤしているんですよ。触ると分かりますが、収穫前だとザラザラしているんです

触って比べてみれば一目瞭然。確かに、収穫前のナシと比べると手触りが全然違います。

未熟なナシと完熟ナシの見た目の比較

大きい方がおいしい

もう一つのポイントは大きさ。ナシは大きい方が水分がたっぷりなのでおいしいと浅田さんは話します。

食べ頃のナシを見極めたら収穫してみましょう。果実部分を持って少し上に持ち上げてあげるだけで、簡単に幹から外れました。

ナシは追熟しない

もぎたてを切ってもらうと、そのみずみずしさが見ただけでも伝わってきます。

筑水はこの甘さが特徴。酸味がほとんどありません。

皮をむいた筑水

にむらあつとリポーター:
かんだ瞬間に果汁がジュワーっと口の中に広がり、みずみずしいです

ところで、収穫してからしばらく置いておいた方が、熟しておいしくなるのでしょうか。

意外にもナシは追熟はしないそうです。

浅田梨園・浅田侑也さん:
とったら熟成は進まないので、木の上で熟した状態でとることによって、おいしさが続きます

志太地区は梨栽培に最適な環境

ところで、なぜこの地域でナシが盛んに作られているのでしょうか。

浅田梨園・浅田侑也さん:
この辺りは大井川の下流の地域ですので、かなり水もありますし風も強い地域です。冬しっかり寒いので、ナシが翌年いい花芽をつけ、いい実になります。ナシを作るにはこの地域は最適だと感じています

ナシ園「志太地区は明治時代から続くナシの産地」

志太地域で作られる梨は「志太梨(しだなし)」と呼ばれ、夏の名物になっています。

浅田梨園では、そんな志太梨を存分に味わえる「ナシ狩り」も開催。実は最近、全国的にも珍しいあるサービスをナシ狩りで始め、人気を集めているそうです。

全国でここだけ? プロカメラマンによるナシ狩り撮影

浅田さんが取り出したのは、立派な一眼レフカメラ。

なんと浅田梨園では、カメラマンによるナシ狩り撮影サービスを行っているのです。

浅田さんが取り出したカメラ

浅田梨園・浅田侑也さん:
私がナシ農家もやりながらブライダルカメラマンとして、結婚式場での撮影もしています。1日1組限定のナシ園を貸し切った状態でナシ狩りをして、ご友人やご家族一緒にナシ狩りをする様子を撮らせてもらうサービスです

浅田さんが撮影したナシ狩りの写真

実際に撮ってもらうと、カメラマンとしての浅田さんは「いいですね!」「最高です!」と盛り上げ上手。笑顔の写真がたくさん撮れることでしょう。

「梨狩り写真館」は予約が必要で、高校生以上が3300円、小学生以上が2000円、未就学児は1000円です。

盛り上げ上手な“カメラマン”の浅田さん

直売所は朝から大混雑

ナシ園の隣には直売所があります。取材に行った日は朝から大混雑していました。

同じ時期にとれるナシを品種ごとに袋入りで売っています。値段は5個入りで1100円から。

浅田農園の直売所

買いに来ていた人に尋ねると、「毎年4、5回は来てる」「本当に甘くてジューシーでおいしくて、ついつい買いすぎてしまう」とのこと。

別のお客さんは人から頼まれた分も合わせて両手でナシを重そうに持ち帰っていました。

開店と同時に来ないと売り切れてしまい、なかなか手に入らないそうです。

直売所の袋入りナシ

「志太梨」を次世代へ

しかし志太梨の農家も、数が減ってきていると浅田さんは話します。

浅田梨園・浅田侑也さん:
ナシ農家が徐々に減ってきてしまっているんですね。この先も10年、20年続いていく産地にしたいので、私が発信をしていきたいというのが一番の思いです

たわわに実るナシの実

志太梨というブランドをより多くの人に知ってもらいたい、という思いが伝わってきました。

歴史ある志太地区のナシを味わいながら、珍しい撮影サービスも楽しんで、ナシ狩りの新しい風を感じられる体験でした。

※好評につき8月末現在で、2025年度の直売所販売の予約を締め切っているそうです。

■スポット名 浅田梨園
■住所 静岡県焼津市上泉2238
■営業時間 11:00~15:30
■定休 水

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