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段ボールの中にずっしりと詰められた保存の効く食料品。静岡・沼津市にフードバンクがオープンしました。しかし、深刻な引きこもりの家庭の元まで食料を届ける手段がないことが課題だと言います。
1週間分の「食料BOX」
レンジでチンして食べられるご飯や、サバの水煮缶詰、ペットボトル飲料に、栄養ゼリー。ポテトチップスなどのお菓子も入っています。
一見すると防災用の保存食のようですが、段ボール2箱に詰められたのは生活に困っている人のための1週間分の食料BOX。無料でもらうことができます。
5月にこのフードバンクをつくったのは、静岡・沼津市に拠点を置く一般社団法人「マンパワー」です。
マンパワーは障がい者が働く場を提供していて、その作業場のビルの1階を「フードバンク倉庫」として活用することにしました。
「フードバンク」は、品質には問題がないにもかかわらず、市場で売ることができない食品を企業や団体に寄付してもらい、食べ物がなくて困っている人に届ける仕組みです。
マンパワー・丹羽智 代表理事:
我々ができることは何だろうと考えた時に、施設の作業スペースを片付けることで、保管場所を作ればいいじゃないかと
288箱の食料が早速到着
5月11日、集積所に10トントラックが到着しました。積まれた段ボール288箱には、寄付された食料が入っています。
箱を運ぶ女性:
箱はずっしりと重たいですが、頑張れます
ご飯やみそ汁が入った主食系の箱と、おやつや水が入った副食系の箱の2種類あり、2箱1セットで、ひとり親家庭の1週間分の食料になります。
助けが必要な人は、ぜひ一度連絡をしてみてください。施設や団体に、複数個届けることも可能です。
本当に危機的な家庭に「宅食」もしたい!
マンパワーは4月に「こども食堂」を初めて開きました。SNSで告知しただけで100人近くがご飯を食べに来てくれました。それもまた、フードバンクをやるきっかけになりました。
しかし丹羽代表は、引きこもってこども食堂にも来られない家庭がいると考えています。
マンパワー・丹羽智 代表理事:
食堂に足を運んで食べに来られる子供もいますが、親子で家に引きこもって人に会わないようにしている家庭もあります。学校も行かない、ゴミ屋敷同然の家に引きこもっているご家庭、そういう“見えない部分”に食料を届ける。これが我々がやりたい宅配ならぬ「宅食」です
宅食するには、個人情報の壁が
ただし宅食を実現するにはハードルがあると話します。
マンパワー・丹羽智 代表理事:
そこには個人情報保護の壁があります。困っている人がどこにいるのか、法律上、情報を提供してもらうことは難しいです。なかなか突破できない壁です
そこで、ご近所の力で困っていそうな人の情報を届けてほしいと呼びかけています。
家庭に寄付できる食料がある人も、連絡をしてみてください。生もの以外のカップラーメン、パスタ、レトルト食品など、賞味期限が切れていないものが対象です。
お腹をすかせた人がいるなら助けたい。丹羽代表の思いを、みんなで少しずつ助けられるかもしれません。
■住所 静岡県沼津市大岡800-8
■問い合わせ 055-923-2311 (マンパワー)