国民民主党の榛葉賀津也 幹事長は1月23日、テレビ静岡の「ただいま!テレビ」に出演。いわゆる年収103万円の壁やガソリン税暫定税率、さらに参議院議員選挙について党ナンバー2としての見解をたずねた。(#1・#2から続く)
蓮見直樹アナウンサー:
引き続き国民民主党・榛葉賀津也 幹事長にお話を伺っていきます。
ここまで年収103万円の壁について伺いましたが、同時に国民民主党が訴えているのが ガソリンの暫定税率の廃止です。
永井俊樹アナウンサー:
まずガソリン1リットルあたりの小売価格の内訳を見ていきますと、ガソリンの本体価格に石油石炭税2.8円、ガソリン税53.8円、さらに消費税となっています。
そして、このガソリン税には本則税率と暫定税率があります。本則税率というのはガソリンにかかる本来の税率で28.7円。一方、暫定税率というのは道路整備の財源不足に対応するため1974年に導入されたわけですが、暫定といいつつ今日に至るまで廃止されておらず25.1円となっています。
このガソリンの暫定税率についても与党と国民民主党は去年12月11日に廃止することで合意しました。ただ、時期については明記されず、今後協議することになっています。
蓮見直樹アナウンサー:
50年経って廃止は決まったわけですけれども、このガソリン税の問題についてはどのように見ているんでしょうか?
国民民主党・榛葉賀津也 幹事長:
みなさん、ガソリン高いでしょう?先週また5円上がって、補助金がなくなって、でもガソリンが高いんじゃないんですよ。ガソリンの税金が高いんです。買ってもいない53.8円のガソリン税に、また消費税をかけているんですよ。本体価格に消費税ならいいけど、ガソリン税にも消費税をかけているですから。これ二重課税といって、あってはならないんですね。
しかも、暫定税率は50年前に田中角栄という政治家が、2年間の約束で、当時、50年前に車を運転する人というのは裕福な金持ちだったので、その金持ちのみなさんから25円10銭だけ上乗せをして、それを新潟や静岡や田舎の道路を補修しようといって道路特定財源で始まって、3年延長して5年で止めるという約束だったんです。道路特定財源になっているんです。しかも、それが50年間ずっとゾンビのように続けて、いま一般財源になって何に使われているかわからないんですよ。
考えてみてください。都会のど真ん中に住んでいる東京のみなさんはガソリン入れなくても生活できますから。恵まれた東京の人は1円もガソリン税払わずに、地方に住んでいる静岡や中山間地の方々が9種類9兆円も総額で税金を払わされているんですよ。これはおかしいでしょ、という話。しかも暫定ですよね?暫くの間、定めたものが暫定なんですよ。50年間続けるなんて納税者をバカにしていますよね。こんなの直ちにやめなければいけないです。そうすれば25円10銭ガソリン安くなりますから。
蓮見直樹アナウンサー:
ガソリン価格が年明けから上がる中で暫定税率の廃止は決まった。では、いつなんだ?と思うわけです。時期については、与党にどのようなものを具体的に求めたいですか?
国民民主党・榛葉賀津也 幹事長:
これね、50年間続いたでしょ?財務省や総務省は「絶対に暫定税率を廃止させない」とずっと言っていたんですよ。ところが今回、暫定税率廃止に自民党の森山幹事長と公明党の西田幹事長が廃止するとサインをした。
実は103万円の壁もみなさんは「おっ」と言われましたが、玄人はこの暫定税率の廃止に「本当か?」と。自民党の細野さん(衆議院議員静岡5区選出)から電話があって、「榛葉さん、フェイクニュースかと思った。本当に勝ち取ったの? 凄い!」と。
ことのわかった風をしたコメンテーターが「時期が書いていないから逃げきれますよ」なんて言いますけど、逃げ切れないです。だって、時期をいつまでとやったら、自民党と公明党がサインをするわけがないから、暫定税率を廃止することを約束させたことが大きいんです。
時期は、国民がもう限界ですよ。この年度末やこの冬も国民のみなさんがべらぼうに高いガソリン税を払い続けていて、車検では重量税を払って、春には自動車税をまた払らわされて、9兆円9種類。もう時期が書いてなかろうが、政治家や行政マンは国民の方を向いて「一刻も早く止めてくれ」というのが国民の悲鳴ですよね。時期が書いてないからズルズルやっていいなんて言ったら、夏の参議院議員選挙で我々は堂々と論陣を張って、みなさんに信を問いたい。
入口鎌伍デスク:
国民民主党でガソリン税というと思い出されるのがいわゆるトリガー条項です。国民民主党ではトリガー条項の凍結解除を目指して過去には予算案の採決で賛成に回るという対応を取ったものの、進展が期待できないことから与党との協議から離脱するという苦い経験があるかと思います。この時はまだ与党が衆議院で過半数割れする前だったため現在とは状況が異なりますが、失敗したなと感じている点や上手くいかなかった経験から学んだこと、今回の協議・交渉に活かしていきたいことはありますか?
国民民主党・榛葉賀津也 幹事長:
あの時は補助金に対応するとなったんですね。いままでに7兆数千億、税金突っ込んでいるんです。補助金でやるといっても、全国にいま2万3000程度のガソリンスタンドがあるんですけど、本当に補助金分、安くなっているかわからないですよね。
税金を安くすれば確実に25円10銭安くなるんですけど、補助金をやっても本当にその分が安くなっているのかわからないので、資源エネルギー庁が62億円の税金を使って、某広告代理店に税金を使って本当に安くなっているのかチェックさせたんですよ。
その後、「本当に安くなっているの?」と会計検査院がチェックをしたら「極めて不透明で、このやり方はダメです」と会計検査院からダメ出しをもらっているんです。税金を安くすれば確実に下がりますから。もう、待ったなしです。
自民党のみなさんも静岡の国会議員のみなさんならわかるでしょ?これをやらなかったら静岡のみなさんも生きていけないですよ。しかも、車に乗らなくても物価に全部跳ね返りますからね。スーパーの陳列棚に並ぶ商品は車で運ぶんですから。この高いガソリン代・ガソリン税が全部物価に跳ね返りますから。物価を下げるためにもガソリン税を下げていくのが大事になってくるわけです。