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【三島・三嶋暦師の館】東海道の人気土産「三嶋暦」まるで直筆の旧暦カレンダーを無料でゲット  

昔の旅人達がお土産として楽しみにしていた「三嶋暦(みしまごよみ)」。今のカレンダーです。静岡・三島市の三嶋大社そばに、三嶋暦の歴史を伝え、印刷体験が無料できる博物館がありました。

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仮名文字で印刷した日本最古の暦

三嶋大社 テレビ静岡・弦間彩華アナウンサー

三島市にある伊豆国一宮の三嶋大社。本殿の彫刻も美しく、平和を象徴する「天の岩戸開きの図」や、知恵を示す「吉備真備 囲碁の図」、さらに勇気を象徴する「源頼政 ぬえ退治の図」を見ることができます。

吉備真備 囲碁の図

三島市出身・弦間彩華アナウンサーのおすすめは、この彫刻を参拝を待つ列に並びながら眺めることです。

参拝が終わったら少し足を延ばしてみませんか。歴史を感じる体験ができて、とっておきのお土産が手に入る場所があるんです。

三嶋大社から歩いて5分ほどの「三嶋暦師の館」は、国の登録有形文化財です。

三嶋暦師の館は、三嶋暦を代々発行していた河合家の家屋を改修した博物館。

三嶋暦師の館(三島市大宮町)

三嶋暦は今で言うカレンダーで、月の満ち欠けに基づいて計算された太陰太陽暦のことです。

つまり現在の太陽暦とは違う、旧暦の暦です。

さらに、仮名文字で印刷された暦としては日本最古といわれています。

三嶋暦の会・一藤木秀光 副会長

版木の美しさはまるで直筆

三嶋暦の会の副会長、一藤木秀光さんに博物館の展示物を案内してもらいました。

最初に見せてもらったのは版木。ヤマザクラの木に文字を反転させて彫ったものです。

三嶋暦の版木

三嶋大社の宮大工が作った版木の彫りは見事で、三嶋暦が美しいと言われる理由です。

次に見せてもらったのは献上用の「巻暦(まきごよみ)」。

献上用の「巻暦」

文字の美しさや線の繊細さが特徴です。版木を使ったとは思えないクオリティで、直筆で書いたように見えます。

当時、販売用だったのは「綴り暦(とじごよみ)」。

販売当時の価額は一冊「150文」くらい。今の価格でいうと約3000円です。

三嶋暦の会・一藤木秀光 副会長:
三島宿に来た人たちにとって三嶋暦を買うのが楽しみの一つで、最大のお土産でした

当時の販売用の「綴り暦」

無料でできる印刷体験

三嶋暦師の館ではレプリカの版木を使って印刷体験ができます。1回20分、体験料は無料です。

弦間アナウンサーが挑戦しました。

まず、版木にローラーで墨を塗ります。きれいに印刷するために、版木の隅まで満遍なく塗るのがコツです。

三嶋暦の会・一藤木秀光 副会長:
隅がすれないことが多いので、縁取りがきれいに出るように墨を塗ってください

次に使う道具は「見当(けんとう)」。“見当をつける”の見当です。

刷る紙の位置を決めるための目印で、見当をつけるという言葉の由来ともいわれています。赤いラインに紙を合わせたら紙を版木の上に落とします。

紙を落としたら最後、一発勝負です。最後にバレンを使って紙に墨が付くようすります。

版木から紙を取り外して三嶋暦の完成です。一藤木副会長に採点してもらいました。

三嶋暦の会・一藤木秀光 副会長:
ちょっとムラがありますが、100点満点で70点くらいです

版木の美しさが売りの三嶋暦。入館料も体験料も無料なので、大社を参拝した後に少し足を延ばしてみてはいかがですか。昔の旅人のようにお土産に三嶋暦を手に入れてみてください。

■施設名 三嶋暦師の館
■住所 静岡県三島市大宮町2丁目5-17
■営業時間 9:30~16:30
■定休 月・年末年始
■問合せ 055-976-3088

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