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伊豆南部で唯一赤ちゃんを出産できる医院が分娩業務を終了へ…件数は20年で8割減 経営厳しく苦渋の決断

伊豆南部で唯一、分娩業務を行っていた静岡県下田市の医院が出産の取り扱いを終了することがわかりました。扱う件数は20年前に比べ8割減少。医院の経営が厳しく苦渋の決断です。

臼井医院(下田市)

伊豆南部で唯一、赤ちゃんを出産できる静岡県下田市の臼井医院。

2025年1月の予定分で出産への対応を終了することになりました。

臼井医院・臼井文男 院長:
少子化だけではないが一番大きなのは少子化があって、それに伴って病院の経営が大変になる

最大の理由は少子化に伴う分娩取り扱い数の減少です。

20年程前は1年間で約350件の出産がありましたが、2023年はその2割、70件程にとどまりました。

臼井医院・臼井文男 院長

地域のお産を一手に担っている…その一心で続けてきたものの、年々経営が厳しくなる中で人件費の確保などが難しくなったとして、2024年9月に分娩の扱いの終了を決めました。

臼井医院・臼井文男 院長:
お産をメインでやってきたので、少子化ということでやむを得ないという思いがある。少しでも地域の医療にお手伝いできたと思う。ただ、個人の診療所としてやっていくのはしんどい

下田市民

これを受け下田市民は…。

市民:
はっきりいってすごく不安。この先、この町で子供が産めなくなることに対して。何かあったときに遠いところまで行かなければいけないとなると、生と死にかかわるくらい大変なことなので、できれば近くにあれば良い

市民:
人が減って困っている時代に出産の回数減らしたり、そういう影響が出なければいい

下田市・松木正一郎 市長

下田市・松木正一郎 市長:
生む場所という意味で道路網が脆弱な地域にとって、いつ生まれるかわからない。夜かもしれないというところで、非常に大きな課題だととらえている

臼井医院(下田市)

臼井医院は分娩は終了するものの、引き続き妊婦健診など外来診療は続ける方針です。

伊豆南部での出産は難しくなる見通しで、今後のさらなる出産数の減少も懸念されます。

すでに患者への説明は済ませ、必要な妊婦へは伊豆の国市や伊東市などの病院を紹介しているということです。

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