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政府は11月22日に電気・ガス料金の補助再開など、事業規模にして39兆円の経済対策を閣議決定しました。年収103万円の壁の引き上げも盛り込まれています。
事業規模39兆円の経済対策
石破茂 首相:
各政策を国民の皆さまのお手元に届け、賃金・所得を増やしていくよう全力を尽くしていく
石破首相は22日、朝の政府与党の会合で経済対策について「日本・地方経済の成長、物価高の克服、国民の安心安全を柱とする」と説明しました。
対策には低所得世帯への3万円の給付や電気・ガス料金の補助を2025年1月から3カ月間再開することなどが盛り込まれています。
事業規模は39兆円で、裏付けとなる補正予算案には13兆9000億円程度を計上します。
また”年収103万円の壁”については「2025年度税制改正の中で議論し引き上げる」と明記されました。
静岡県試算では1090億円の減収に
”103万円の壁”の見直しをめぐっては国民民主党が基礎控除額を103万円から178万円に引き上げるべきと主張しています。
この場合に地方税の税収がどれほど減るか静岡県が試算したところ、県民税は300億円、市町民税は790億円減り、減収額は合わせて1090億円に上ると見込まれるということです。
減収による不安大きく
政令市である静岡市は市民税の減収額が176億円に上ると試算していて、難波市長は「子育て政策や災害対策など行政サービスを低下せざるを得ない」と不安を口にしました。
静岡市・難波喬司 市長:
(176億円は)とんでもなく大きい額。自由度のない義務的なところ(義務的経費)は縮小しようと思ってもできないので、ある程度裁量で減らせるところに減らしていくしかない。そういうところは市民の皆さんのひとりひとりにものすごい影響が大きいところ
また、難波市長は「控除額を引き上げ、全員から減税することは財源措置の面で適切とは言えないのでは」と政策に疑問を呈し、「しっかりとした制度設計をしてほしい」と求めました。
静岡県は「法人が進出していない小さな市町ほど住民税の割合が大きく、深刻な影響が出る」と懸念しています。
”103万円の壁”をめぐっては引き上げ幅、そして、財源をどうするかが大きなポイントです。
国民民主党が主張する178万円まで壁を引き上げた場合、政府は税収が7兆6000億円以上 減ると試算しています。
一方、国民民主党の玉木代表は「予算の使い回しや税収の上振れ分でまかなえる」と主張しています。
自治体が税収の減少を心配する中、引き上げ幅や財源をどうするか、今後、具体的な検討・調整が進められる予定です。