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「亡くなるのを待っているのでは?」という問いに検察は…“袴田事件”再審無罪から11日 控訴期限迫る

袴田さんの弁護団による会見(10月7日)

1966年に当時の静岡県清水市(現在の静岡市清水区)で一家4人が殺害された強盗殺人放火事件のやり直しの裁判(再審)で、静岡地裁が袴田巖さんに対して無罪を言い渡したこと受け、弁護団は10月7日、最高検と東京高検に対して控訴権を放棄するよう申し入れました。

1966年、静岡県清水市(当時)で味噌製造会社の専務一家4人が殺害された強盗殺人放火事件、いわゆる袴田事件の再審をめぐっては、9月26日に静岡地裁の國井恒志 裁判長が袴田巖さん(88)に対して無罪判決を言い渡しました。

また、判決公判で、静岡地裁は(1)袴田さんが犯行を自白した検察官調書(2)犯行着衣とされた“5点の衣類”(3)“5点の衣類”のうち袴田さんの実家で見つかったとされるズボンの切れ端の3つについて「証拠の捏造」を認定しています。

ただ、法律上、10月10日までは判決を不服として控訴することができるため、袴田さんの弁護団は7日、最高検と東京高検に対して控訴権を放棄するよう申し入れました。

弁護団は申し入れの後、記者会見を開いて面会の様子を明かし、この中で「控訴したとしたら、袴田さんが亡くなるのを待っているのではないか?」と尋ねたところ、検察側は「袴田さんが亡くなってしまったら大変なこと。健康状態や年齢、事件が58年間継続していることも検討の対象としている」と述べたと言います。

このため、主任弁護人を務める小川秀世 弁護団事務局長は「控訴しないのでは、との感触を受けた」と期待を寄せました。

一方、静岡地裁が「証拠の捏造」を認定したことに対して、検察側は「(この点に)こだわっているということはない」と断言したということですが、「最終的に誰が判断するのか?」と問うと答えをはぐらかされたということです。

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