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【島田・大善寺】“えんま様”本当は優しい?! 11月10日は年に一度の「閻魔様の縁日」

静岡・島田市の旧東海道にある「大善寺」では、年に一度の「閻魔(えんま)様の縁日」が11月10日に開催されます。日々の自分をえんま様と見つめ直すチャンス。えんま様に反省を告げる「えんま様の前でごめんなさい」やスタンプラリー、さらに出店も並びます。

「時の鐘」があった島田宿のお寺

旧島田宿にある江戸時代から続く大善寺は、「時の鐘」で時を知らせていた浄土宗のお寺です。

釣り鐘を鳴らし、大井川を渡る“川越し”のために、朝の始まりと夕方の終わりを知らせる宿場町の時計の役目もありました。

行き交う旅人の安全を願い、川越しに失敗した人の弔いもしていたお寺です。

戦時中に武器にするため回収され現在は2代目の鐘

通る人を見ている“えんま様”

大善寺には本堂と別に「閻魔堂」があります。

川越しの旅人が訪れていた時代の名残のように、行き交う人たちが足を止めお参りができるよう、旧東海道(現県道34号)沿いに建っています。

旧東海道沿いの閻魔堂

えんま像は島田市で一番の大きさで色鮮やか。知らない人もついつい足を止めてしまいまうほど、大きさも形相も迫力があります。

えんま様の右には仏様の像もあります。

 中央)えんま様 奥右)仏様

真ん中のえんま様は、悪い人はいないかと通る人をにらむように見張っているようですが、実は「見守ってくれている」のだそうです。

えんま様は、人が死後に極楽浄土に行くか地獄に行くか裁く冥王と言われているので、地獄に落とされるという恐いイメージがあるかもしれません。

しかし、大善寺のえんま様が厚く信仰を集めてきた理由は、「えんま様が地獄に落とすのではなく、自らの行いが自らを地獄に落とす」と、説いてきたところにあります。

道行く人を見守る閻魔様

人々が自分自身を戒めるための「抑止力」になるよう見守ってくれるからこそ、えんま様があがめられてきたのです。

11月10日は「閻魔様の縁日」

そんな優しいえんま様が主役となる縁日は、地獄の釜のふたも開くと言われる8月16日に毎年開催されていましたが、2024年は猛暑のため11月10日に開催されます。

縁日では、イベントからお店の出店と盛りだくさんです!

「えんま様の前でごめんなさい」

専用の紙に、これからも続ける善いことと、これからはできるだけしないことを書きます。

えんま様に1年間の反省を告白し、良いことは継続する約束ができます。紙は縁日翌日、お経で納めてくれます。

過去開催時の用紙

スランプラリー ぬり絵

子供向けに、境内を回って見つけるスタンプラリーとぬり絵があります。

スタンプラリーは、全部クリアするとお菓子がもらえます。数に限りがあるので参加の方はお早めに!

過去開催時のぬり絵やスタンプラリー、参加者がいただけるもの

お坊さんの太鼓や紙芝居

堂内でもイベントが行われます。午前11時と午後1時からの2回、お坊さんの太鼓の演奏「豊山太鼓 千響」があります。年に1度の演奏なのでお聴き逃しなく!

他にも縁日限定でお坊さんの紙芝居「小僧さんの地獄めぐり」が見られます。

出店のコーナー

屋外では、地元の飲食店など約10店の出店があります。

パンやピザ、おむすび、など昼食向けのお店や、ハンドメイドのお店など、いろいろなジャンルのお店が出店予定です。

心に響く“掲示板の言葉”

閻魔堂だけでなく、ぜひ見て欲しい場所が大善寺にはあります。

毎月1日と15日に書き換えられる閻魔堂隣の掲示板です。住職が時節に合わせて考えた言葉や選んだ言葉が書かれています。

県道からも読める掲示板

一言だけれど、身に染みる言葉や考えさせられる言葉がつづられるので、毎回楽しみにしている地元の人々がたくさんいます。

書いているのは18代目住職の山田雅宣さん。73年前から続く“掲示板の言葉”を引き継いでいます。

18代目住職 山田雅宣さん

今回の取材で、大善寺のえんま様についてたくさん教えてくれた住職の山田さん。みなさんもぜひ聞いてみてください。優しくわかりやすく教えてくれます。

イベントは無料で参加できます。ぜひ優しいえんま様と会って、心のリフレッシュをしてみてくださいね!

■イベント名 大善寺 閻魔の縁日
■住所 静岡県島田市向島町2919
■日時 11月10日(日) 10:00~14:00
■問合せ 0547-37-4486

【もっと詳しく見る】大善寺のホームページ

取材/麻衣子

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静岡生まれ静岡育ち。 学芸員目指して勉強中。神社仏閣巡りが好き。 主に静岡県中部エリアの情報発信をしていきます。
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