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かつてケーキ店に当たり前のようにあったという「たぬきケーキ」。昭和世代には懐かしく、若い世代には新しいと最近再び話題に。たぬきケーキとはそもそも何なのか、なぜ姿を消すことになってしまったのか。その正体を探ります。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへたぬきケーキの知名度調査
たぬきケーキは、昭和58年生まれで40歳のにむらあつとリポーターにとっては初耳。
そこで、街行く人にたぬきケーキを知っているか聞いてみました。
「知らないです」「初耳です、たぬきそばみたいに天かすがいっぱい?」
知る人はなかなか現れませんが、聞き込みを続けると、その正体を知る女性に出会うことができました。
たぬきケーキを知る女性:
昔あったケーキですね。耳があって鼻があって、見た目がたぬきの顔になっています。30年くらい前には売ってましたね
愛好家によるオリジナルマップが
たぬきケーキが実在することがわかると、実際に食べたことがあるという30代の男性にも遭遇しました。
たぬきケーキを知る男性:
たぬきケーキを作っているお菓子屋さんに通って食べていました
そんな男性は県外出身。静岡に引っ越してきてから、たぬきケーキがあることをうわさで聞いたそうです。男性が通っていたというお店は、清水区の草薙周辺にあるそうです。
また、かつてのブームを裏付ける貴重な情報が。男性によると、たぬきケーキ愛好家たちが作った全国たぬきケーキマップが存在するようです。
早速検索してみると、全国たぬきケーキ生息マップという名前の地図が。どうやらたぬきケーキは、静岡だけではなく全国で売られているようです。
マップによると、静岡県内にも数店舗で“生息”しています。静岡市に範囲を絞って探してみると、やはり草薙周辺にありました。
お菓子の老舗でたぬきケーキを発見
マップを頼りにやってきたのは、静岡市清水区中之郷の国道1号沿いにある「日月堂リラ」。大正8年創業の老舗です。
ショーケースを見てみると、たぬきの姿によく似たケーキを発見。
昭和世代には懐かしく、若者には新しい「たぬきケーキ(450円)」です。
店主の菊池弘さんによれば、このたぬきケーキが一番オーソドックスな形なんだとか。バタークリームを使用し、甘くないチョコレートでコーティングしてあります。
日月堂リラ 店主 ・菊池弘さん:
父親の代からですから、昭和40年頃発売したと思います
そんなたぬきケーキは、なぜ絶滅危惧種になってしまったのでしょうか。
日月堂リラ ・菊池弘さん:
以前はたぬきケーキにも使われている、日持ちするバタークリームのケーキが主流でしたが、流通の発達によって生クリームが主流になってきました
冷蔵技術の向上も追い風となり「生クリーム」が主流に。 次第にバタークリームを使うたぬきケーキは作られなくなったそうです。
それでも昭和世代が懐かしさを求めたり、昭和レトロブームで若者がSNSで存在を知ったりして買いに来ることがあるんだとか。
懐かしい気持ちになる味
気になるのはその味。
かわいいので食べるのにためらいますが、この際、思い切って頭からいただきます。
にむらあつとリポーター:
おいしい。すごいシンプルなケーキなんですが、バタークリームとスポンジのバランスが絶妙です。初めて食べますが、すごく懐かしい気持ちになりますね
世代を問わず誰もが好きそうな味でした。
ベルギー産スイートチョコレートを使用するなど、以前よりも上質な材料を使用していると語る菊池さん。
最近のブームに乗ってショコラと抹茶の新フレーバーも投入しました。さらにホールケーキだってあるんです。
京都から、たぬきケーキのためだけに静岡に来て、買ってすぐ新幹線で帰っていったお客さんもいたそうです。
知る人ぞ知るたぬきケーキ。その正体は、時代の流れで姿を消しつつある懐かしい味が特徴のケーキでした。
■店名 日月堂リラ
■住所 静岡市清水区中之郷3丁目5-40
■営業時間 9:00~19:00
■定休 月
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