まもなく静岡県内にやってくる世界最大のトカゲの話題です。
「コモドドラゴン」はインドネシアの国の動物「国獣」で、輸出許可はインドネシア政府から出されました。11年越しの交渉が実り「コモドドラゴン」を迎える河津町の体感型動物園iZoo(イズー)。園長の思いに迫ります。
秋の行楽シーズン、この日も大勢の観光客が訪れていたのは静岡県河津町にある「体感型動物園 iZoo」です。
来園者:
(爬虫類)かわいいですね。うちでも飼っています
来園者:
爬虫類に特化している。普通の動物園とちょっと違う。そこが楽しい
来園者:
ライオンとか、ある意味どこでもいるといえばいるかもしれないが、珍しい生き物が見られるのは、とても魅力のある園
ここにはヘビ、ワニ、カメ、それにカエルといった、爬虫類・両生類を中心に150種類以上の動物が飼育・展示されています。
伊豆南部の人気観光スポットとしてすっかり定着しました。
観光客の玄関口となる、伊豆急行の河津駅。
その副駅名は、2026年8月から「爬虫類と両生類の聖地駅」とされています。
そして、もうまもなく白輪剛史 園長にとって11年越しの夢が現実になろうとしています。
「コモドドラゴン」の導入です。
体感型動物園 iZoo・白輪剛史 園長:
爬虫類専門の動物園という唯一の看板掲げている。そこにコモドドラゴンがペアで来て、繁殖を目的とするプロジェクト。国際的なプロジェクトに関わることができることは、イズーの目標を達している部分もあって、そこは爬虫類ファンの方には、ど真ん中に刺さる部分ではないか
聖地として、さらなる高みを目指す iZoo。
しかし、ここまでの道のりは平たんではありませんでした。
14年前、河津町で事業を始める時のことです。
体感型動物園 iZoo・白輪剛史 園長:
動物園やったことないでしょ、それは無謀だよ。前の園も経営が難しかったから閉園する。そんなので無理だよと
突き付けられた、厳しい現実とは。
かつて河津町にあった「伊豆アンディランド」は、カメ専門の施設でした。
カメたちのレースが名物で、約100種類が飼育・展示されていました。
白輪園長はこの施設を買い取り、リニューアルオープンさせます。
しかし、初日の来園者はわずか7人・・・衝撃の結果でした。
体感型動物園 iZoo・白輪剛史 園長:
アンディランドを引き継いだとき(初日来園者)7人だった。最初のアンディランド(リニューアル)初日の7人は、とんでもない、とんでもない所を手に入れちゃったな
その後、思い描いていた「爬虫類」の専門施設へ変貌させます。
体感型動物園 iZoo・白輪剛史 園長:
(当時)カメから爬虫類なんてとくにダメだよみたいな感じだった。だけど私は本当に周りの反対を押し切ったっていう部分があったし、それでイズーとしてやっていける自信はあったけれど、反対は大きかった
約1万種類いるという爬虫類、iZooを開園させた目的は、さまざまな個性や魅力を伝えることです。
「ありのままの姿を見せる」展示では、来園者が動物を探すのに苦労することもあります。
その一方、ふれ合いも大切にしていて、爬虫類のイメージが変わる人もいます。
来園者:
(Q.ヘビ・カメなど爬虫類見てどうだった?)少し気持ち悪い。(Q.かわいい生き物はいた?)うん
来園者:
まさかこんなに体験できるとは。触れあえるとは思っていなかった。お勧めしたい。爬虫類はかわいいですね。怖いイメージがあったのですが
体感型動物園 iZoo・白輪剛史 園長:
爬虫類というのは多くの人に好かれる生き物ではない。その好かれない理由って何かというと、実際を知らない部分が大きくて、それを間近に爬虫類を感じてもらって、その中で「自分は好きだな」とか「自分はやっぱり苦手だな」と分かってもらいたい思いが一番大きかった
iZooは開園から11カ月で来園者10万人を達成(2013年)、その10か月後には20万人を突破(2014年)。
いずれも園の想定を超えていました。
新しい動物の導入にも熱心に取り組み、希少な種の研究・繁殖にも力を尽くしてきました。
2013年には、インドネシアに生息する「ミミナシオオトカゲ」を世界で初めて一般公開。
2014年に、世界初の自然ふ化による繁殖に成功しました。
2019年には、インド洋の島に生息し絶滅危惧種になっている「アルダブラゾウガメ」の自然ふ化にも、国内で初めて成功。
生まれたばかりだったゾウガメたちは7年経ったいま、体長30cmほどに成長しています。
そしてまもなく仲間入りするのが、世界最大のトカゲ「コモドドラゴン」。
すでに楽しみにしている来園者もいます。
来園者:
恐竜っぽくてかっこいい所が好き
来園者:
またそれ(コモドドラゴン)が来たら、また来たい
体感型動物園 iZoo・白輪剛史 園長:
いつ来るんだ、いつ来るんだと毎日言われてきた。私 この過去5年間くらいで、コモドドラゴンの単語をパソコンで打たない日はゼロ。必ず英語なり日本語なりでコモドドラゴンという言葉を出さない日はゼロ。本当に0日なんですね。そのくらい毎日やってきた
検疫と隔離を経て、早ければ10月下旬から11月上旬にもやってきます。予定では10月28日に日本到着、31日一般公開となっています。ただ「来園者の笑顔だけがゴール」ではありません。
体感型動物園 iZoo・白輪剛史 園長:
コモドドラゴンをここに導入することは、目標の一つだった。だけどここから先は、今度はインドネシアとの約束があり、コモドドラゴンを繁殖する部分が出てくる。そこはまだ未知の部分。だけど、今までのいろいろな爬虫類の繁殖実績から考えたら、「できる」と思っているからそれをまた達成して、その子供たちを大きくしていく。まだまだ未来は、これはもう目標は無限
爬虫類の魅力を多くの人に伝えたい、希少な種の保存に貢献したい。
追いかける夢に加え、爬虫類専門病院の開設や、命を救うため飼えなくなったペットの引き取り・飼育にも力を注いできました。
先頭に立つ園長は「爬虫類の伝道師」と呼ばれています。
体感型動物園 iZoo・白輪剛史 園長:
周りから爬虫類の伝道師と言われた時から、自分でも爬虫類の伝道師と名乗っていて、爬虫類は皆に好かれる生き物ではない、まだ。それをいかに実際の爬虫類を知らせていくのが、私の使命だと思っている。伝道師と呼ばれることも自分で名乗っていくことも本当に今は誇りに思ってやっている。(Q.終わりはない?)爬虫類に終わりはない。1万種類いますから
iZoo・白輪園長の挑戦は続きます。
