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約6割が外国ルーツ “国際化”する夜間中学が果たすべき役割とは 国はガイドライン公表 専門家は日本社会を支える若者たちへの「公教育」の必要性を強調

かつては戦後の混乱などで学校に通えなかった人に教育の機会を提供するために設置された夜間中学ですが、いま様々な背景を持つ人たちが通っています。現代の夜間中学が担う役割とは、どんなものなのでしょうか。

午後5時、生徒たちが登校してきたのは静岡県磐田市にある県立ふじのくに中学校。

県内唯一の公立の夜間中学です。

夜間中学は、戦後の混乱などで義務教育を十分に受けられなかった人たちの「学び直しの場」として設置されています。

しかし。

ふじのくに中学校 磐田本校・上原弘樹 校長:
日本国籍の生徒は7人の2割。外国にルーツのある生徒は28人の8割

いま夜間中学での学びは大きく変わってきています。

ブラジル出身の日系3世・西村唯一さん(17)。

2025年4月、ふじのくに中学校に入学しました。

昼間はファストフード店でアルバイトをしています。

磐田市内で両親と姉と家族4人で暮らす唯一さん。

来日したのは13歳のときでした。

父(日系2世)・西村シンタロウさん:
ブラジルで店を開いて、レストラン。2022年までうまくいっていたが、コロナウイルスの影響で客がいなくなって潰れた。どうしようかなと思い、また日本に帰ってきた

父・シンタロウさんがかつて暮らしていた日本に2023年家族で移り住み、市内の公立中学校に入学。

しかし日本語が十分に話せず、なじめませんでした。

ふじのくに中学校2年・西村唯一さん:
1番大変だったのは、友達をつくること

父(日系2世)・西村シンタロウさん:
(心配は)やっぱり子供のこと。学校でどうなるのか、言葉も通じなくて

中学校では、日本語を十分に身につけられなかったという唯一さん。

今は同じ境遇の友達が多い夜間中学で、日本語や学びきれなかった教科の学び直しに前向きに取り組んでいます。

このように生徒の生い立ちが徐々に“国際化”する中、教える側は新たな課題に直面していました。

義務教育の学び直しの場を提供する夜間中学。

今では、全国で夜間中学に通う生徒のうち約6割が外国にルーツを持ちます。

教師:
(Q.専門の教科は?)社会

授業を行うのは中学校の教員。

日本語教育が専門ではありません。

どのように日本語を指導すればいいのか、教育現場では手探りの状態が続いていました。

教師:
今から4つの動物を トランスレート・オウン・ランゲージ(それぞれの母国語で翻訳して)

農業専門の教師:
彼らは将来 日本で生活して高校に進学するときには、理科としての知識も必要。でも日本語も必要となったときに、どのようなバランスで伝えればいいか、ずっと悩んでいる

こうしたなか文部科学省は2026年5月、夜間中学における日本語指導のガイドラインを初めて公表しました。

ふじのくに中学校でもガイドラインを参考に、友達と相談したり、考えたりするときは母国語を使い、思いや考えを発信するときには日本語で発言するよう呼びかけています。

外国にルーツを持つ子供たちの学習について研究し、静岡市で夜間教室の運営に携わっている専門家は。

静岡県立大学・角替弘規 教授:
そもそも(日本語指導を)どうすれば良いかわからないところに、文科省からガイドラインとして示されたことは非常に大きい。ただこれだけで良いかと言えば良いのではなく、最初の1歩。どうやったらこの子たちに勉強させるか、社会で前向きに生きていけるのか。希望を持たせることが教育現場の非常に悩ましい課題

日本では、社会で自立して生きる土台を育てるために全ての子供たちが義務教育を平等に受けられると保障されています。

角替教授は、今後日本の社会に出ることになる外国ルーツの子供たちも義務教育を受ける大切さを強調します。

しかし、批判的な考えを持つ人がいるのも事実です。

静岡県立大学・角替弘規 教授:
みんなと仲良く、暴力に寄らずに自分の意見を主張する。人の話を聞くということも学校を通して学ぶ。その関係を作っていくことによって、結果的に社会的な秩序の安定を図る

日系3世の唯一さんはいま、夜間中学で学び直しをしながら、海外留学も視野に自分の未来を思い描いています。

ふじのくに中学校2年・西村唯一さん:
服を作りたい。日本で高級なブランドを作りたい

ふじのくに中学校 磐田本校・上原弘樹 校長:
(生徒たちは)日本でこれから頑張って生活していくという強い思いを持っている。人材不足が叫ばれている中、これから静岡県の経済を支えていく、優秀な労働者として十分な素養を備えている。そういった意味でも夜間中学の果たす役割は大きい

義務教育の最後の砦とされる夜間中学。

日本で夢をかなえたい、社会の役に立ちたいと希望を持つ子供たちを支えています。

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