新幹線で荷物を輸送するJR東海が展開するサービス「マッハ便」が注目を集めています。どんなメリットがあるのか、サービスを利用した和菓子店の反応は。
色とりどりの練り切りやういろうに、餡がたっぷり詰まったどら焼き。
創業150年以上の歴史をもつ静岡県浜松市の和菓子の老舗「巌邑堂(がんゆうどう)」です。
従業員:
イチゴを運びます(Q.どこまで?)最終的にはシンガポールまで
この日の早朝、従業員が段ボールに詰めていたのは大量のイチゴ。シンガポールで開かれる和菓子のイベントで、いちご大福を販売するためです。(※いちご大福の販売はすでに終了)
約15年前から海外のイベントで和菓子を販売していますが、素材の鮮度を保つ難しさを感じていました。
巌邑堂・内田弘守 社長:
どうしても中2日、3日かかる時は完熟ではなく少し若いイチゴを選んで、ダメージがないように輸送していたが、本来の甘さが少し損なわれる感じがあった
こうしたなかで新たな輸送手段に選んだのが、JR東海が2年前から展開する「マッハ便」です。
午前8時、JR浜松駅にイチゴを持ってきた従業員が段ボールを引き渡すと―。
利用者と同じようにコンコースからホームへ向かいます。
そして9時25分発の「こだま」が到着すると急いで搬入します。
活用するのは使っていない乗務員室です。
少ない揺れでイチゴを傷つけることなく約2時間後に東京駅に到着しました。
荷物は倉庫で保管されることなどなく羽田空港へ。内田社長が待つシンガポールの百貨店に届いたのは翌朝でした。
これまでの輸送手段と比べると2日間の短縮につながりました。
巌邑堂・内田弘守 社長:
10年以上前はすごく苦労して現地で作るしかないところ。短い時間で送れると、日本のそのままのクオリティを現地で届けられるのはとてもメリット。以前と比べておいしくなったというお客さんが本当に多かった
マッハ便は揺れが少なく時間通りに届けられるという理由から、鮮度が重要な食料品のほか医療機器の輸送にも多く利用されています。
JR東海 事業推進本部・下稲理子さん:
JR他社や他の事業者と連携しながら、まだ知らない人にもサービスを知ってもらえるよう広げたい。静岡は豊かな海の幸が多くあるので、水産事業者と連携して新しいことができないか、静岡の新鮮なものを他の駅に運べないか、今から勉強していきたい
現在利用できるのは県内ではJR静岡駅のみ。
JR浜松駅はトライアルで実施し、利用客の確保などが見込まれれば今後利用できる駅を増やしていくということです。
新幹線が新たな“速達”の手段として物流の一助となるのか注目です。
