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物流大手の鈴与(本社:静岡市清水区)は、紙やPDFの帳票を読み取り、業務で使いやすいデータに変換するクラウドサービス「鈴与のQuick AIOCR」を阪急阪神ホールディングスに導入したと発表した。
同ホールディングスでは、グループ共通経理システムにおける固定資産税管理システムの補助ツールとして使用する。
自治体ごとに異なる帳票 目視での確認や入力が課題に
企業が保有する土地や建物などの固定資産には固定資産税が課されることになっていて、各自治体では、土地や家屋の所在地、面積、評価額などを記載した「名寄帳」や「課税明細書」を発行している。
ただ、これらの帳票は、自治体ごとに書式や記載項目、記載位置が大きく異なる上、必要な情報が帳票内に点在している。
このため、従来は担当者が多数の帳票から必要な情報を目視で確認し、Excelに手入力で転記する作業に多くの時間と労力を要していた。
また、一般的なOCRでは、名寄帳の明細情報を固定資産税管理業務で活用しやすいデータ形式に変換することが難しく、読み取り後にもExcelでの加工や整形が必要だった。
こうした課題に対応するため、鈴与では「鈴与のQuick AIOCR」を提供している。
文字の読み取りからデータ加工まで対応
「鈴与のQuick AIOCR」は、固定資産課税台帳や請求書、見積書などを対象とした次世代型の構造データ化クラウドサービス。これまでに、鉄道業界や不動産業界をはじめとする20社余りで導入されている。
主な特徴は3つ。

1つ目が、紙やPDFの文字をAIが高精度に読み取り、デジタルデータに変換する「高精度AI-OCR」。書式の異なる帳票や点線罫線、小数点の誤読も自動で対応する。
2つ目は「ノーコードデータ加工・編集ツール」としての側面。帳票の表構造をAIが自動で解析し、必要な情報を出力フォーマットに割り当てるだけで設定が完了する。データの分割や結合、四則演算、合計・平均算出などにも対応しており、結果を確認しながらデータの加工ができる。
3つ目が「分類・推論AI」。帳票に記載のない物件コードや負担部署などの情報を、過去の学習データからAIが推測するほか、確信度の低い項目は色で警告する機能も備える。
段ボール数箱分の帳票を処理 決算期の負担軽減へ
阪急阪神ホールディングスでは、グループ各社が保有する固定資産について、各自治体から送付される土地・家屋名寄帳や課税明細書をもとに、評価額や課税標準額、面積などの情報を固定資産税の管理システムに登録している。
その際、各資産の利用事業や所管部門を確認しながら、自治体ごとに異なる様式の台帳と個別に照合する必要があった。
中でも、大阪市から送付させる名寄帳・課税明細書は、段ボール数箱分に及び、膨大な処理が求められていたという。
さらに、こうした業務は決算業務と時期が重なるため、担当者にとっては大きな負担となっており、業務の効率化と入力ミスの低減を目指して今回の導入に至った。
阪急阪神ホールディングス グループ経営企画室経理部の末松慎玄 課長は「担当者が確認業務により注力できる環境の整備につながると考えている」とコメントしている。
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