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生徒の顔面を殴り壁に叩きつけ…さらに嘘も 生徒と車中でわいせつ行為 問われる教育委員会の本気度 静岡

県教委による謝罪会見(3月22日)

教職員の不祥事が止まらない。静岡県内で懲戒処分を受けたのは3月下旬だけで9人に上り、このうち4人は免職となっている。教育委員会は“お決まり”のように「研修を実施する」と話すが、その効果は一向に見えてこない。

生徒に好意を抱き自らアプローチ

浜松市教委による謝罪会見(3月28日)

3月28日付で浜松市教育委員会が懲戒免職処分としたのが市立中学校に勤務していた男性教師(20代)だ。

この教師は2023年6月から11月にかけて、校内や別の場所で在学中の女子生徒を抱きしめたり、キスをしたりしたほか、2人で市外へデートに出かけたという。

浜松市教委によれば男性教師が女子生徒に対して好意を抱き、あろうことかSNSのダイレクトメッセージ機能を使って自らアプローチしていたそうだ。

不適切な行為は男性教師が同僚に相談したことで発覚し、学校内で起きた事案であることから校長も戒告処分となっている。

「男性に興味が…」盗撮で懲戒免職に

また、別の男性教師(20代)は2024年2月24日、浜松市内にある入浴施設に滞在していた際、浴場にいた男性をスマートフォンで盗撮したとして懲戒免職処分となった。

盗撮行為に気付いた施設の従業員が警察に通報したことで市教委の知るところになり、調査の中で男性教師は2023年8月以降、市内にある複数の入浴施設で計10回ほど盗撮に及んでいたことを“自白”。

男性教師は「男性に興味があった」と動機を話した上で「欲求を抑えられなかった」と口にしたという。

暴行にウソ…それでも停職わずか1カ月

悪質性という意味ではこちらも…。

浜松市内の市立中学校に勤務している男性教師(30代)は2023年9月26日、担任を受け持つクラスの生徒が学級活動に参加しなかったことに激高し、トイレに連れ込んで顔面を拳や平手で複数回殴った上、頭部を壁に複数回叩きつけ、全治1週間のケガを負わせた。

これだけでも十分に教師としての資質を疑わせる行為だが、男性教師は当初、校長などに対して「トイレに連れ込んだ際、壁に顔や頭がぶつかった」などと虚偽の説明をして、殴ったことについては言及しなかったそうだ。

また、保護者に対しても同様の説明をしたが、生徒が殴られたことを保護者に告げたことでウソが明るみになり、学校側が再確認したところ事実を認めるに至った。

男性教師は後に書類送検され、2024年2月14日には傷害罪で罰金20万円の略式命令を受けている。

それにも関わらず浜松市教委が下した処分は停職。それもわずか1カ月だ。

市教委は「過去の同種事案や処分基準と照らし合わせた」と言うが、これだけ教職員の不祥事が相次ぐ中で処分基準を再検討するという話は一切聞こえてこない。

不必要かつ不適切な身体接触繰り返す

一方、静岡市教育委員会は特定の生徒を抱きしめたり、手を握ったりと不必要かつ不適切な身体接触を何度も繰り返した中学校の男性教師について、3月25日付で懲戒免職処分とした。

被害は生徒の保護者が校長に相談したことで発覚し、男性教師は保護者に直接謝罪したという。

車中で生徒とわいせつ行為

さらに、静岡市内の中学校で特別支援教育の支援員をしていた女性職員は、2024年2月から3月にかけて勤務時間外に自らの車の中で複数回にわたって、わいせつな行為に及んだとして同じく3月25日付で懲戒免職処分となっている。

女性職員は不適切な行為について自ら校長に申告し、「生徒にも社会にも大変申し訳ないことをした」と話していたそうだ。

免職事案でも会見開かず…その理由は?

会見を開かなかった静岡市教委

静岡市教委は今回の2つの免職事案について会見を開くことなく文書で発表しただけで、その理由について「発表資料の内容以上に伝えられることが無い」と話していた。

ところが、3月26日の定例会見でこの件を問われた難波喬司 市長が「会見しないというのはあり得ない」と断罪したのを見て慌てたのか、「会見を行わない理由について説明が不十分だったために正しい情報を伝えることが出来なかった」と釈明。

その上で「事案の性質上、被害生徒を守ることを最優先に考え、会見という手法を使わないという判断をした」と弁明したが、前述の通り“奇しくも”浜松市教委が類似する事案で会見を行っていることや処分を受けた教師の年代なども明らかにしていることを鑑みれば、静岡市教委の後ろ向きな姿勢が見て取れる。

県教委は免職事案こそないが…

このほか、県教育委員会では免職事案こそなかったが、自動車で通勤中に前方不注意が原因で道路を横断していた女性をはねて死亡させた県東部の小学校に勤務する男性教師(37)が3月21日付で停職1カ月の懲戒処分を受けた。

ほかにも、島田市の市立小学校に勤務する男性教師(45)は2023年9月、担任を受け持つクラスの児童7人から集金した彫刻刀代(1万5370円)を紛失したことに加え、公務での使用を申請していた自家用車の任意保険が失効しているにも関わらず、2022年12月から2023年9月までの間、計19回にわたって公務のために自家用車を使用したとして戒告処分に、県立富岳館高校に勤務する男性教師(54)は2023年4月から2024年1月までの間、虚偽の勤務実績を入力して特殊勤務手当(計13万8600円)を不正に受給したほか、部活動の遠征に同行していないにも関わらず虚偽の申告をして旅費(計9200円)を不正に受給したとして減給10分の1(4カ月間)となった。

懲戒処分の発表にあたり、浜松市教委も静岡市教委も県教委も一様に「綱紀粛正や倫理観の向上を図る」「実践的な研修を行う」といった言葉を並べている。

そして、それは今回に限ったことではなくいわば“お決まり”の文言だ。

だが、不祥事は一向に減る気配を見せない。

過重労働などを背景に、文部科学省によれば公立学校における教員採用倍率(2022年度実施)は6年連続で下落し、3.4倍と過去最低を更新するなど、以前と比べて“質”の確保に頭を悩ませているという側面もあるだろうが、今こそ通り一遍の言葉ではなく不祥事根絶に向けた本気度が問われている。

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