ニュース

【袴田事件】弁護側は「無罪判決を出してくれる」と自信…そのワケは? 菊地幸夫 弁護士が解説

死刑判決が確定した袴田巖さんのやり直しの裁判は、27日に検察側と弁護側双方の専門家5人に対して同時に尋問が行われました。裁判のあと、弁護団は「無罪判決を出すと確信した」と自信をのぞかせました。菊地幸夫 弁護士がその理由を解説します。

検察と弁護側の証人5人を同時尋問

有罪の決め手とされた“犯行着衣”

袴田さんのやり直しの裁判では、事件の1年2カ月後、みそタンクから見つかった犯行着衣とされる衣類に残った血痕の「赤み」について、長期間みそに漬かっても赤みは残るのか、黒く変色するのかが最大の争点となっています。

27日は「赤みが残る可能性は否定できない」とする検察側の専門家と「赤みは残らない」と主張する弁護側の専門家 計5人に対して同時に尋問を行う”対質”が行われました。

裁判官:
1年以上みそに漬かった血痕の赤みが黒く変色するメカニズムに異論はありますか?

旭川医科大・清水恵子教授(弁護側):
ありません

九州大・池田典昭名誉教授(検察側):
ないです

裁判官:
当時の状況を踏まえて赤みが残る可能性はありますか?

久留米大・神田芳郎教授(検察側):
当時の状況をふまえて可能性が「ない」とは言えません。弁護側が「赤みが残らない」と断言していることに違和感を感じます

旭川医科大・清水恵子教授(弁護側):
当時の状況を100%再現することは不可能ですが、科学者として実証実験を行い、より起こりうる現象を結果として導き出しています。赤みは残りません

弁護団「無罪判決を出してくれると確信」

弁護団事務局長・小川秀世弁護士

3日連続の証人尋問を終えた袴田さんの姉ひで子さんは…

袴田ひで子さん:
27日の清水先生をはじめ(弁護側の)他の先生方の証人尋問は素晴らしくて大変良かったと思っています。これは大成功でございました。血液は赤だとか黒だとかと一生懸命もめて検察庁では反論するんですね。だけど、やっぱりなんか苦し紛れに言ってるって感じでした

弁護団事務局長・小川秀世 弁護士:
本当に裁判所がはっきりと無罪判決を出してくれると確信を持てた

旭川医科大・奥田勝博 助教:
裁判官にはわかってもらえたのかなと、ちょっとした手ごたえはあるので、あとは判決次第かなとおもっています

静岡地検の奥田洋平 次席検事は「検察として立証すべきことはきちんと立証できたと認識している」とコメントしています。

なぜ検察と弁護側の証人を同時に尋問?

3月27日の法廷スケッチ(静岡地裁)

-5人まとめての証人尋問はかなり珍しい?

菊地幸夫 弁護士:
私も経験したことがない。法令の規定では証人は1人ずつで、複数に聞く場合は1人が証人をしている時は、他の証人は別の部屋にいて聞かないようにする。ただ、例外規定で一緒にすることもできる。それを嫌がる証人もいる。「あの人の目の前で違うことは言えない」と。ただ、裁判所からみれば、互いの言うこと、違いを直に同時に聞いた方がわかりやすいメリットはある。検察・弁護双方の証人に同時に聞いて、互いに反論させた方がどっちが優勢かよくわかる。片方ずつ聞くと両方正しく思えてしまう。

弁護側が「無罪判決を確信」のワケ

血痕をめぐる検察・弁護側証人の主張

こちらに弁護側・検察側のあわせて5人の証人の説明をまとめました。

最大の争点になっているのは犯行着衣とされる衣類についた血痕の赤みです。

弁護側の証人は「大気中や血液に含まれる酸素に触れることで黒く変色する」などと、赤みは残らないと主張しています。

一方、検察側の証人は「血痕の乾燥具合など色の変化の阻害要因について弁護側の実験・考察は不十分」などと説明しました。

菊地幸夫弁護士

-弁護側はかなり手ごたえを感じているようでしたが?

菊地幸夫 弁護士:
有罪にするためには「5点の衣類が9割9分9厘証拠だ」というところまで立証しないといけない。それが出来ずあやふやに終わってしまえば「無罪推定」の原則によって無罪になる。だから赤みが残るのかどうなのかはっきりわからないとなると、弁護側は「この衣類は袴田さんの有罪の証拠をいえるかどうかわからない」というところまで裁判官にわからせればいいので、どちらか決め手がないとすると袴田さんに有利な方に行くのではないか

次回の裁判は4月17日に行われ、5月22日に結審する予定です。

静岡のニュースを発信!静岡で何が起きているのか。これからどうなるのか?丁寧に詳しくお伝えします
  • BLOG
  • Instagram
  • LINE
  • YouTube