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海上花火大会もスケールアップ!?「選ばれる観光地であり続けるため」宿泊税導入へ 静岡・熱海市

熱海市

首都圏に近く「お洒落なリゾート地」と「昭和レトロな風情」が混在する観光地として近年再び人気が高まってきている熱海市で静岡県内初となる宿泊税の導入が決まりました。

1人あたり1泊200円を徴収するというこの税金。導入の背景や期待される効果などについてお伝えします。

3月14日に熱海市議会が閉会しましたが、最終日のこの日、静岡県内で初めて宿泊税が導入されることが決まりました。

県内で初めての宿泊税導入へ

熱海市議会(3月14日)

熱海市議会議長:
議案第16号、熱海市宿泊税条例につきましては、地域社会の発展に寄与する持続的な観光振興を図る施策に要する費用に充てるため全会一致で原案の通り可決すべきものと決しました

2024年3月14日。熱海市議会で市が導入を目指している宿泊税の条例案が、全会一致で可決されました。

斉藤 栄市長

熱海市・斉藤栄 市長:
観光施設は常に更新や新しい投資をし続けなければならないと思っていますので、満足度の高い観光地を宿泊税を使いながら目指してまいりたい

熱海駅前

12歳以上の宿泊者から1人1泊200円を徴収し、市は年間約7憶円の税収を見込んでいます。

森田金清理事長

熱海温泉ホテル旅館協同組合
森田金清 理事長:
お客様に+200円いただくということで、その意味合いはしっかりご説明していきたいと思っている。熱海はまた来たい街、温泉地だと思ってもらえるような、ソフト面ハード面の充実を図っていきたい

県内初めてとなる宿泊税導入へ

熱海市街

この背景には人口減少と高齢化による熱海市の深刻な財源不足があります。

市は、市民の税金を観光客のために使うのではなく、観光客から徴収した税金を還元したいと考えています。

宿泊客

宿泊客:
いいと思います。熱海は宿泊税を払う価値があります

宿泊客:
あまり賛成しない。だってちょこちょこ来るから

宿泊客:
熱海を盛り立てていくために必要ならとらざるを得ないのかなと。魅力的な街なので払ってでも来たい。(Q.200円位だったら良い?)そうですね。缶ジュース1本ちょっとって考えるとあまり大きな値段ではない

熱海が選ばれる観光地であり続けるために

熱海市内の足湯

市は、新たに観光地域づくりを推進する法人を立ち上げ、観光振興に取り組んでいく方針です。

熱海市街の土産物店と観光客

熱海市・斉藤栄 市長:
熱海全体の観光の政策を考え実行していく。そういった組織を作る。宿泊税を使って、日本をリードして行く。さらに進化できるようにしていきたい

熱海市は2025年4月1日から宿泊税を導入する方針です。

宿泊税について

宿泊税とは各自治体が独自に導入し徴収する地方税で、導入している自治体の地域にある宿泊施設に宿泊すると宿泊料金に応じて課税されることになります。

東京都が2002年に初めて導入した後、ほかの自治体でも導入する動きがあり、現在は全国9つの自治体で導入され観光振興の財源に充てられています。

東京ディズニーリゾートがある千葉県浦安市も2025年度以降の導入を目指すなど様々な自治体で検討されているようです。

導入の背景に深刻な財源不足

熱海市の税収と社会保障費の推移

熱海市の宿泊税導入の背景には深刻な財源不足があります。

ピーク時の1996年には139億円あった税収は約3割減少する一方で社会保障費は約5倍増加しています。

そこで宿泊税導入となったわけですが、課税対象年間宿泊者数を350万人と想定して1泊1人200円での計算すると年間7億円の税収が見込めます。

現在の観光予算5億円は観光などを含め様々な公共投資に回すことになるそうです。

さらに進化した温泉観光地をめざして

宿泊税導入に対する地元の受け止め

宿泊税導入により熱海市への観光客が減ってしまうのではという懸念もありましたが、
熱海市ホテル旅館協同組合連合会・森田金清 会長は「行政だけに頼るのではなく、観光に使える予算をしっかり確保しなければならない」としています。

また、熱海市・斉藤栄市長も導入により「さらに進化した温泉観光地を目指す」としており、観光政策を進めるDMO法人も設立すると言うことです。

DMO法人について

そのDMO法人とは観光地域づくりの司令塔を担う役割を果たす法人です。

熱海市はこれまでは熱海市役所の観光部局が担当していましたが、DMO法人を立ち上げ、充実した人員体制で専門的な視点の観光政策に取り組むことを目指します。

市役所では複数業務を担当する上に人事異動もあります。また、公務員なので観光ビジネスに関する専門性が十分ではない点も否めませんでした。

そのためDMO法人を立ち上げ、専門家によるデータに基づく観光戦略を策定・展開していこうという狙いがあります。

例えば「どうやってインバウンド需要を取り込んでいくか」「熱海旅行は日帰りが多い 
がどうやって滞在日数やリピート率アップするか」「会議などのビジネス利用をどうやって増やすか」といった課題に関する取り組みが期待されています。

斎藤さんと西原さん

お笑い芸人・斎藤司さん:
良く分からない所もありますが、カードで事前に決済しているのに現地で支払うのは面倒なのであらかじめ一括徴収して欲しいです。熱海市のような背景があれば仕方ないですよね。社会保障費の増加をみると何かしなければというのも理解できます。熱海はロケで何度も行っていますが、私のような東関東の人間にとって箱根や熱海は気軽に行ける温泉地として頑張って欲しいという思いがあります

総務省地域力創造アドバイザー
西原茂樹さん:
宿泊税の導入を検討している自治体は多いけど、導入しているのは観光地として有名な地域ですね。社会保障費が増加し税収が減少しているのは熱海市だけでなく全国どこでも同じような状況です。国は地方交付税で教育や福祉などに不公平が生じないように補助していますが、観光振興のお金は対象外ですから自前で何とかしなければならばい。そこで宿泊税を導入したわけだけど6年越しで了解を得たもので、戦略的、挑戦的取り組みだと思います。伊豆半島周辺にも波及効果が期待できるのでは

松下アナウンサー

首都圏に近く、新幹線駅もある好立地で、「温泉」「海」「山」「グルメ」と観光資源にも恵まれた熱海市にこれからどんな魅力が新たに加わっていくのか注目していきたいと思います。

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