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静岡・葵舟ゆかりの島根・松江市へ 2都市の縁を感じる旅

静岡市にある駿府城のお堀を遊覧する葵舟(あおいぶね)にはふるさとがあります。それは島根県松江市。

3月31日には静岡空港から出雲空港への定期便が再開。より近くなる2都市の縁、そして松江市のグルメや観光スポットをご紹介します。

駿府城公園の葵舟

駿府城公園(静岡市葵区) 

静岡市葵区、現在の「駿府城公園」周辺は、かつて徳川家康公が大御所政治の拠点とした場所です。

葵舟は駿府城公園のお堀で2021年から運航しています。

駿府城公園のお堀を進む葵舟

遊覧コースは、お堀を1周。

ゆったり進む葵舟に乗りながら、間近に迫ってくる石垣ややぐらを見上げると、その迫力に驚くことでしょう。

葵舟の船頭・田村誠さん:
普通だったらお堀は埋められてしまうことが多いんですよね。ここは築城当時の石垣が残っているというのが自慢できるところです

そう話すのは船頭歴3年、葵舟開始当初から船頭を務める田村誠さんです。

葵舟船頭・田村誠さん

船頭は船舶免許を持っている人が、第二のキャリアとして参加していることが多いそうです。

石垣ややぐらの歴史、街の変化についても船上で案内してくれます。

葵舟船頭・田村誠さん
季節がいろいろ変わって面白い部分が見られます。石垣の刻印も見られたり、歴史も探索できたりするというのが葵舟の魅力でもあります

駿府城公園の葵舟

石垣に数mの距離まで近づけるのも、葵舟の面白さの一つ。

石垣には建造に関わった大名や職人などの刻印が刻まれている石があり、遊覧途中で近寄って見せてくれます。

葵舟に乗船するには、運航日を公式サイトのカレンダーで確かめ、直接乗船場に向かいましょう。事前の予約は必要ありません。船頭の案内を聞きながらゆったりと、船旅をお楽しみください。

■日時 9:30~16:30 30分間隔で運航 
■運航日 土日祝を中心に平日も 運航日は公式サイト参照
■乗降舟場 駿府城公園 北門橋付近(静岡市葵区駿府町1-1)
■料金 通常:大人1200円 小学生以下600円

【詳細情報】葵舟公式サイト

葵舟は駿府城公園に来る前に、島根・松江市の堀川遊覧船として使われていたことをご存じですか。

屋根が可動式なところも、堀川遊覧船そのままなんです。

葵舟のふるさとを訪ねてみましょう。

可動式の屋根を下げ、低い橋の下をくぐる葵舟

葵舟のふるさと 堀川遊覧船

静岡と松江とのゆかりは、江戸時代にさかのぼります。徳川家康の孫・松平直政が松江藩主を務めていました。

島根・松江市の堀川遊覧船は、松江城を囲む約3.7kmの堀川を巡ります。

のどかな船上には、船頭の歌が響きます。

「亀に鳥たち楽しい出会い これが松江の堀川めぐり~」(堀川音頭)

堀川遊覧船 船頭・木村智志さん:
だんだん(ありがとう)、また来てごしない(また来て下さい)

船頭の出雲弁に、あたたかさを感じることでしょう。

歴史地区、市街地区、自然地区の3つのエリアを訪ねることができるのが、堀川遊覧船の特徴です。

松江城

堀川遊覧船 船頭・木村智志さん:
お城の周りをぐるっと4kmも回るということで、森の自然の景色、歴史を感じるお城とか石垣、それから街の風景も見ることができます。3つのエリアを回ることができるのが魅力です

堀川遊覧船の面白さは他にも。堀川にかかる低い橋を、ぎりぎりくぐり抜ける時には、乗客から歓声があがります。

堀川遊覧船 船頭・木村智志さん

堀川遊覧船 船頭・木村智志さん:
橋をたくさんくぐるんですけど、屋根を下げないとくぐれない場所が4カ所ある。そこを巡っていくのが他にはあまりなく、この遊覧船の見どころだと思っていますね

低い橋へ 屋根の支柱が倒れて低くなる

もともと駅のレストランの料理人だったという船頭の木村智志さん。観光客に街の事を聞かれることが多かったので、案内ができる船頭になりました。

木村さんは松江から静岡に渡った舟を、巣立っていった子供のようだと話します。

堀川遊覧船 船頭・木村智志さん:
ここの舟が静岡市で使われるのは感慨深いものがあります。子供を送り出すような、そういう思いがしています。たくさんのお客様に乗っていただけるよう、がんばってください

■乗船場(3カ所)
松江堀川ふれあい広場(島根県松江市黒田町507-1)
大手前広場(島根県松江市殿町)
カラコロ広場(島根県松江市末次本町97)
■運航時間 9:00~17:00 15~25分間隔で出航 1周約50分
■運航日 365日無休
■料金 大人1600円 中高生1300円 小学生800円
■予約 なし (10人以上から予約可)
■問合せ 0852-27-0417

【詳細情報】堀川遊覧船の公式サイト

グルメに温泉 松江の魅力

松葉ガニ

山陰の冬の名物と言えば松葉ガニ。

漁期は11月6日から翌年の3月20日です。繊細な味で、ゆでたり刺身にしたり、地元だからこそ、さまざまな食べ方が楽しめます。

「海鮮問屋 博多」では、市場や店にある水槽で水温を低くしてカニを生かしているので、4月まで身が詰まった活カニを楽しめます。

松葉ガニ

旅行者に人気なのはカニの茶碗蒸しや刺身、ゆでガニ、カニすき鍋などのフルコース。カニの大きさによって9900円、1万2800円、1万5800円から選ぶことができます。 

■店名 海鮮問屋 博多
■住所 島根県松江市伊勢宮町535
■営業時間 17:00~23:00 (L.O 22:40)
■定休 日 ※月が祝日の場合、日営業・月休み
■問合せ 0852-28-7000

【詳細情報】海鮮問屋 博多の公式サイト

彩雲堂「若草」

お土産に松江の銘菓もお忘れなく。茶の湯文化が発展した松江には、多くの和菓子店があります。

茶人でもあった7代藩主・松平治郷(はるさと)は、茶席に欠かせない茶菓子のために、江戸への参勤交代の際には京都や江戸から職人を連れ帰ったほど熱心だったそうです。

「若草」 681円(3個入り)~

彩雲堂の「若草」は、松平治郷が好んだ茶菓子を明治時代に復活させた品。

ふっくらした求肥に、薄緑の寒梅粉をあしらっています。

賞味期限は10~15日あるので、お土産として持ち帰ることができそうです。

■店名 彩雲堂 本店
■住所 島根県松江市天神町124
■営業時間 9:00~18:00
■定休 不定休
■問合せ 0852-21-2727

【詳細情報】彩雲堂のオンラインストア

風流堂「山川」

風流堂の「山川」は、紅白が美しい打ち菓子です。

一般的ならくがんよりも、口の中に入れるとサッと溶け、甘味が後をひかないので、抹茶によく合います。

「山川」 1058円(1枚入り)~

山川は当時の茶会の記録にも度々登場し、松平治郷が詠んだ歌にも「山川」が出てきます。

「散るは浮き 散らぬは沈む紅葉の 影は高尾の山川の水」

秋にはモミジに見立てた赤い菓子を上に、冬に近づくと川底にモミジの葉が沈んでいくように白い菓子を上、赤い菓子を下に配置したというから、遊び心を感じます。

賞味期限は11日ですが、乾燥しないようできるだけ早めに食べてほしいということです。

■店名 風流堂 寺町本店
■住所 島根県松江市寺町151
■営業時間 9:00~18:00
■定休 毎月第1日曜及び1月1日

【詳細情報】風流堂の公式サイト

松江しんじ湖温泉

シジミ漁獲量日本一の宍道湖は、美しい夕日が魅力です。

その北側の湖畔に位置する「松江しんじ湖温泉」は、地下1250m以上から湧き出す約77℃の天然温泉で、旅館やホテルが軒を連ねます。

宍道湖の夕日

無色透明なお湯は気になるにおいもなく、お肌はしっとり、さらりとした感覚に。

温泉を掘り当て配湯を開始してから、まだ約50年の温泉です。

松江しんじ湖温泉旅館協議会・乙部明宏さん:
ここ松江しんじ湖温泉は、わずか50年しか経っていないんですけど、風光明媚なところに旅館団地を作ったということで、すごく美しい景色が見えると思っています。どうか静岡のみなさん、ぜひ松江におこしいただきますように、お待ちしております

なにわ一水の客室からみた宍道湖

3月31日再開 FDA静岡ー出雲便

1月9日以降運休していた静岡ー出雲便が、2024年3月31日から再開しました。

毎日1往復で、静岡発が午後2時15分、出雲発が午後3時です。フライト時間は約1時間10~15分。

静岡市と松江市がもっと身近に感じられるかもしれません。

【詳細情報】静岡ー出雲便の時刻表(FDA公式サイト)

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