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東日本大震災で9割死滅の水族館も…災害時の水族館・動物園の対応は?動物も避難生活 静岡 

伊豆・三津シーパラダイス(沼津市)

震災で避難生活を送っているのは人間だけではありません。能登半島地震で被災した「のとじま水族館」の生き物たちも各地で「避難生活」を送っています。

2011年の東日本大震災を機に水族館や動物園が被災した場合、受け入れ可能な施設への橋渡し役を全国の動物園・水族館が加盟する協会が担う仕組みが機能したようです。

ただ、それでも救えなかった命もあったそうで、静岡県内の施設はどのような備えをしているのか調べてみました。

8m級の津波に備えて

石川県七尾市の「のとじま水族館」は、能登半島地震で被災し大きな被害が出ました。

南海トラフ巨大地震が想定される静岡県。県内の水族館でもできる限りの備えをしていました。

伊豆・三津シーパラダイス

アシカやイルカショーが大人気の静岡県沼津市の伊豆・三津シーパラダイス。

自然の入り江を利用して作られたこの水族館は南海トラフ巨大地震が発生した場合、10分ほどで8m級の津波が到達すると想定されています。

そこで来場者の命を守るため、年に2回、避難誘導訓練を行っています。

土屋考司さん

伊豆・三津シーパラダイス 土屋考司さん:
こちらの避難経路を外へ、直接外へ出ていただいて、できるだけ津波等の被害を受けないように高台へ避難するような経路をとっています。ここからさらに上の山の方まで避難が可能ですので

外に出られる経路を何カ所にも設置し、来場者ができるだけ高台へ避難できるようにしています。

自家発電設備

伊豆・三津シーパラダイス 土屋考司さん:
こちらが自家発電の設備になります。循環が止まってしまうと生物たちが死亡してしまうのでそちらの電源、あとは海水のくみ上げやそういった部分の生物の生命の維持に直結するような部分をバックアップするのがメインの役目です

「のとじま水族館」(石川県七尾市)

石川県七尾市の「のとじま水族館」。地震の影響で館内は大きく損傷しました。

照明は水槽内に落下。大水槽の水位は通常の半分以下に。

ろ過設備はストップし、水中の様子が見えなくなるほど水質が悪化。ジンベエザメ2頭が死にました。

災害時に孤立するリスクも考えて

伊豆・三津シーパラダイス

約300種類3000点の生き物を飼育する伊豆・三津シーパラダイス。

自家発電に加え、断水時には貯水タンクを使えるようにしています。

また、生き物のえさも週に2回、数日分ずつ仕入れて保管しているほか、仕入れ先の漁港にもストックしています。

土屋考司さん

伊豆・三津シーパラダイス 土屋考司さん:
我々の水族館があるこの地域も主要道路が限られているので、災害時には孤立する可能性もまったくないとは言えないと思う。いろいろなところを常日頃考えておかなければいけないと再認識した

東日本大震災では9割以上が死滅の水族館も

伊豆・三津シーパラダイスの備え

伊豆・三津シーパラダイスでは大震災などに備え、来場者の避難誘導を年2回実施しています。

また、停電時は自動的に自家発電に切り替わるシステムとなっており、自家発電は津波を想定して高い場所に設置されています。これにより最低5時間は発電可能だそうですが、その後どう対処するかは検討が必要とのことです。

水は貯水タンクを通していて、断水時にはタンク内の水を使うことを想定しています。

えさは週に2回、3~4日分仕入れて保存することにしており仕入れ先の漁港にもストックをしているそうです。

のとじま水族館の被害

能登半島地震で被災したのとじま水族館は館内が激しく損傷し、ろ過設備がストップしてしまったため、水質が悪化しジンベエザメ2頭が死んでしまいました。

ホームページによると2月6日時点で9種63点の生き物が県内外へ避難しており、水族館を支援するクラウドファンディングの受付を開始しているものの再開のめどはたっていないとのことです。

東日本大震災時の「アクアマリンふくしま」

13年前の東日本大震災でも水族館の大きな被害が出ていました。

ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」は2000年にオープン。800種類を超える生き物を展示していましたが、9割以上の生き物が死滅してしまいました。

建物に大きな被害はなかったものの全館で停電となり、水の循環などができなくなったためだそうです。

そこで生き残った生き物は別の水族館に移すことで対応することとしたそうです。この時に三津シーパラダイスにもトドが来たそうです。

ちなみに「アクアマリンふくしま」は震災から4カ月で再オープンしたものの、福島第一原発の事故の風評もあって思うように客足戻らず、再開後も苦労が続いていたそうです。

「アクアマリンふくしま」は日本水族館協会に加盟していたので、生き物たちの避難などについてそちらの協力体制を活用できたようです。

災害時の動物園の対応は?

災害時の動物園について

水族館だけではなく動物園でも災害時の対応は難しいものとなってきます。

2016年の熊本地震では熊本市の熊本市動植物園でも地割れやおりが破損し、一部の動物をほかの動物園などへ避難させています。

その後、動物園が全面開園するまで2年10カ月かかったそうです。

静岡市の日本平動物園では、緊急時に動物たちの脱走を防ぐためにフェンスを2重3重にも設置し、万一に備え動物の脱走訓練も行っているそうです。

菊地さんと大山さん

弁護士・菊地幸夫さん:
こうした施設では災害時に人間が施設に留まる可能性もあるので、その分の備蓄も必要でしょう。また、ドイツの水族館では大規模な水槽が壊れて被害が出たので、そうした対策も大事ですね。日本は名だたる水族館大国ですが、人の移動もままならない時に生き物を移動させることは大変なご苦労があったと思います。我々市民の命だけでなく、文化的施設も含めた総合的な対策、備えが必要でしょうね

バレーボール元日本代表・大山加奈さん:
2週間に一度くらいの頻度で水族館に行きますが、そこで災害に遭うかもしれないということはまったく考えていなかったので反省します。入場料が高いなと思っていましたが、通常の維持費も莫大な上に、こうした対策にもお金をかけているのを知ると決して高くないなと感じました。有事の時は人命優先になってしまうけど、こうした生き物も大切な命ですし、普段私たちを癒してくれる存在なので出来る限りのことをして守って欲しいです。何か出来ることがあれば力になりたいということを考えさせられました

小松建太アナウンサー

人命が大切なのは言うまでもありませんが、人間以外の生き物も大切な命ですから災害時にどう守っていくのか、あらゆることを想定して備えておく必要があるように思います。

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