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「飛翔予算」 県の新年度予算案 一般会計1兆3160億円…災害対策など4つのポイント 静岡

川勝知事

多くの企業や学校では4月から新しい年度が始まるため、この時期は次の年度に「何をやるか」「いくらかかるか」といった予算の編成作業に追われていることと思います。

行政機関も例外ではなく、2月13日に静岡県が新年度の当初予算案を発表しました。

「どのような事業」をやろうとしていて「どれくらいの予算」を付けるのか、私たちの暮らしに直結するこの話題をお伝えします。

川勝知事は2月13日に2024年度の当初予算案を発表しました。

厳しい財政状況の中で「積極的予算」ととらえられる予算案となっているようです。

私たち県民の税金がどのように使われるのか、注目される事業と県の財政事情について見ていきます。

一般会計1兆3160億円 ポイントは「災害対策」など4点

会見する川勝知事

川勝知事:
飛翔予算。富士山に向けて世界クラスに向けて飛翔する時期を迎えている

県の新年度当初予算案の一般会計の総額は1兆3160億円で前年度より543億円減少しました。

県は、予算編成のポイントを4つ挙げています。

石川県珠洲市内

1つ目は災害対策です。

元日に襲った能登半島地震を教訓とし、県の被害想定の見直しなど県内の災害対策費に
約99億円を充てています。

予算を説明する知事

2つ目はイノベーション、技術革新による新しい取り組みです。

静岡県の未来を見据え、知事が特に力を入れている政策でいわゆる空飛ぶクルマなど空を利用した乗り物の導入促進やデジタル人材の育成などに約2億5千万円が充てられます。

川勝知事:
災害は言うまでもないが物流にも、場合によっては人流にもいずれは拡がっていくだろう。この可能性を日本で最初に開いていきたい

食事をする親子

3つ目は子育てです。

国の「異次元の少子化対策」に対応し、不妊治療費の助成や男性の育休取得の推進などあわせて約922億円にのぼります。

くふうハヤテの練習風景

4つ目はスポーツの産業化です。

サッカーやバスケットボール、野球など県内のプロスポーツと連携した地域の活性化を目指し関連事業費に7億円余りを盛り込んでいます。

静岡県庁

予算案は2月20日に開会する県議会2月定例会で審議されます。

松下アナウンサーと鈴木記者

ここからは取材した県政担当の鈴木記者とお伝えします。

-今回の予算についてどのように感じた?

鈴木櫻子記者: 
厳しい財政状況の中、未来を見据えた積極的予算編成ととらえています

一般会計の予算規模は6年ぶりの減少

新年度の予算規模

改めて新年度の予算規模を確認してみましょう。

当初予算案の一般会計の規模は1兆3160億円と6年ぶりの減少です。コロナ禍が明け、新型コロナの対策費を大幅に縮小したことが大きな理由です。

コロナ対策を除いた実質ベース

しかし、コロナ対策を除いた実質ベースで見てみると過去5番目に多く、前年度と比べ153億7800万円増加していてここ数年間は右肩上がりです。

そして、予算編成のポイントとして県が一番に挙げたのはやはり災害対策です。能登半島地震を受け、急遽追加された新規事業もあるそうです。

災害対策で急遽追加「感震ブレーカー」とは

能登半島地震の火災(石川県輪島市)

元日に能登半島を襲った最大震度7の大地震。

石川県輪島市の観光名所の朝市通りでは200棟以上が焼ける大規模な火災が発生し、集中捜索によって少なくとも10人の死亡が確認されました。

阪神淡路大震災や東日本大震災では、原因が判明した火災のうち約6割が揺れのあと電気の復旧後に電化製品や切れた配線などから出火する「通電火災」だったといわれています。

この対策として注目されているのが「感震ブレーカー」です。

感震ブレーカー

鈴木櫻子 記者:
こちらが感震ブレーカーです。分電盤が揺れを感じるとブレーカーが自動で落ちる仕組みになっています

住宅街(静岡市)

避難する際にブレーカーを落とす手間を減らし、停電解消後の電化製品などからの出火を防ぐことができます。

内蔵型の設置費用は5万円から8万円で、静岡市は7年前から住宅などへの設置費用の
3分の2、最大2万5千円を補助してきました。

小沢聖一郎さん

静岡市危機管理総室・小沢聖一郎さん:
震災があってから、1月に入ってから感震ブレーカーをつけたいんだけどという相談は毎日10件くらい来ている状況です

感震ブレーカーとその広報資料

県は、これまで静岡市を含め13の市町に設置費用を助成してきましたが、感震ブレーカーをさらに普及させるため県内すべての市町への拡大を目指し、1億3000万円あまりを予算案に盛り込みました。

地震や津波対策の交付金のメニューに加え、設置を補助する市町に3分の1を助成するということです。

能登半島地震の火災(石川県輪島市)

静岡市危機管理総室・小沢聖一郎さん:
静岡市民に感震ブレーカーという装置を知ってもらいどういう効果があるか多くの方に知ってもらえればありがたい

能登半島地震の教訓に学び、二次被害の防止に向けた全県的な取り組みが求められています。

内蔵型と後付型の感震ブレーカー

静岡市の場合、助成を使って設置したのは2600件ほど。市はまだまだ周知が必要としています。

内蔵型のほか、既存の分電盤に後付けできるタイプも2万円から購入できるそうで、被害を広げないために効果的で取り組みやすい対策です。

主な災害対策

そのほかの主な災害対策を見てみましょう。
      
・木造住宅の耐震化促進
・医薬品などの輸送ドローン
・孤立の恐れある警察施設に衛星通信設備
・南海トラフ地震の第五次被害想定
などが挙げられています。

注目される事業

このほかに注目される事業がありますのでそちらも見てみましょう。

・空飛ぶクルマなどの導入促進
・富士山の入山管理システムの社会実験
・メタバースを活用して仮想空間に不登校児童生徒の学び場作り などがあります。
   
-空飛ぶクルマなどの導入促進は知事の肝いり事業?

鈴木櫻子 記者:
大胆な発想で県の課題と向き合う知事発案のチャレンジ政策です。予算を重点配分し、2024年度以降も複数年度にわたり予算が付く予定です

県民一人当たり44万5000円の借金へ

県の基金・貯金の状況

積極的な予算編成ということですが、県の財政状況を確認していきましょう。

新年度の当初予算案を編成した時点での活用可能な県の基金・貯金は176億円で前年度より13億円減る見込みです。

県債残高の県民1人あたり金額

また、県債残高も総額は減ったものの、人口減少の影響で県民1人あたり44万5000円の
借金を抱えていることになります。

立岩さんと西原さん

ジャーナリスト・立岩陽一郎さん:
やっぱり厳しいと言っても1兆円を超える予算というのは大きいですね、世界的にも国家予算が1兆円超えるという国はそれほど多くないですから。その大きな予算をどのように配分するかは大事ですね。政治の中枢は地方自治だから県議会でしっかり議論してその結果、予算がどうなるのかしっかりみていかないと。

また、災害対策は政府がやらなければならないことを自治体任せにしている気がしますが、そう言ってても進まないだろうから例えば南海トラフが来たらどうなるのかといったことの勉強会などはお金をかけずに出来るのでそうした視点も必要かと

総務省地域力創造アドバイザー・西原茂樹さん:
平成のはじめから静岡県の予算は1兆円規模で動いてますね。今回の予算について県議会議員に私が聞いたところ「目玉がない」って言ってました。沼津の高架化事業が一番お金が必要で、次が食肉センターをやり替えるというように、どちらかというと今まで遅れていた部分にお金をかける感じですね。その他、残土処理や盛土処分などやらなければならない事業が結構あって目玉がない感じだと

私たちが納めた税金がどのような目的にいくら使われていくのか、これからも注意深
く見ていきたいと思います。

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