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国交省の提案を“拡大解釈” 川勝知事は報道陣に自説を延々と…リニア問題は混迷増すばかり 静岡

静岡県庁を訪れた国交省・村田鉄道局長(2月7日)

2月7日。国土交通省の村田茂樹 鉄道局長が静岡県庁を訪れ、川勝平太 知事と面会した。2人が顔を合わせるのは初めてで、話題はもちろんリニア中央新幹線について。村田局長は開口一番、ある“土産”に言及した。

国交省幹部が静岡に 知事と初対面

名刺交換をする2人(2月7日)

リニア中央新幹線をめぐっては、このところ事業計画や開業区間などについて川勝知事が自説や持論を述べる場面が目立ち、JR東海が“わざわざ”会見を開いて打ち消しを図るなど、ある種の“異常”な状況が続いている。

こうした中、静岡工区におけるトンネル掘削工事が南アルプスの動植物に与える影響などを議論した有識者会議の報告書が2023年12月に提出されたことから、村田鉄道局長が2月7日に県庁を訪れ、川勝知事と面会した。

村田局長が着任から半年ほどしか経っていないことから、2人が顔を合わせるのは初めてのことだ。

村田局長がいきなり差し出した“土産”

取材に応じる村田鉄道局長(2月7日)

面会は原則非公開で、撮影は冒頭の挨拶のみが許される中、村田局長はここでいきなりある“土産”について口にする。

「国土交通省としては報告書を踏まえた対策が着実に実行されていくことが大事であると考えており、これが進められていくことについて、水資源の問題、環境保全の両分野について総合的な視点で継続的に確認する新たな体制を準備している」

これには川勝知事も「お~」と唸り、「大変興味深い話」と返した。

面会終了後、取材に応じた村田局長によれば、トンネル掘削工事が大井川の水資源に与える影響を議論した有識者会議と前出の動植物に与える影響を議論した有識者会議で示された対策について「実際にJR東海が実行するということを国としてもモニタリングしていく必要があると考えている」という。

このため、詳細な検討は今後進めていくものの「有識者に集まってもらうような体制を組織しようと考えている」とのことで、そこには「知事には環境の問題は報告書を出して終わりではなく、実行していくことが大事であるということ。それから、環境問題と言うのは不確定要素が多いので実際に工事が始まった後も、“順応的管理”と言っているが、絶えず見直しをして、必要な対策を講じていくことが大事であると伝えたかった」と提案に至った背景を解説した。

あれ?村田局長の説明と食い違いが…

取材に応じる川勝知事(2月7日)

今回の面会は、言わずもがなこのことを伝えることが主な趣旨だったわけだが、川勝知事はどうも国交省の話を“拡大解釈”しているようだ。

村田局長に続いて報道陣の前に姿を現した川勝知事は、まず「関心は全国的にも高いと思っており、私としては期成同盟会にとっても大きな関心なので“工事の進捗”について第三者的な委員会がモニターするということは大変重要だと思った」と述べた上で、突如として神奈川県内で建設が進む車両基地の話題に触れた。

そして、「車両基地が2027年までに出来るとJR東海は言っているが、それも本当に出来るのかわからないので、こうしたところをモニターしてもらうためには第三者がそれなりの権限を持ってやるのがよい。工事の実施計画の進捗をモニターする委員会と私は受け取っている」と“独自の見解”を示したため、困惑した報道陣から「村田局長がそう言っていたのか?」と質問があがる。すると、「いいえ」と即座に否定し、自説であることを認めた。

取材の中で、リニア中央新幹線に関わる問題について「遅らせているつもりはまったくない」と自らの正当性を強調した川勝知事。

確かに政治家として強い信念や考えを持って、言葉にしたり、行動に移したりすることは大事なことだ。

しかし、相手の言うことに聞く耳を持たず、いつ何時どんな場面・局面でも持論や自説を展開し、貫き通そうとする姿勢が「遅らせている」との見方をされる一因なのではないだろうか。

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