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新型コロナ “第10波”に異論!? 新たな波の名称を感染症対策の司令塔が考えた 新変異株で流行 静岡

感染状況を説明する県感染症管理センター長

新型コロナウイルスは、感染力の強い新変異株JN.1への置き換わりなどで感染拡大が進む。国内で新型コロナが確認されて以来、10番目の波になりそうだ。ただ静岡県の感染症対策の司令塔の医師は、“第10波”と呼ばず別の名称を提案した。季節性インフルエンザと同じ「5類」になったことも背景にあるようだ。

静岡県独自の注意報と警報

マスクをする人

新型コロナウイルスの感染症法上の分類が「2類相当」から「5類」に引き下げられた2023年5月以降、静岡県は独自に定めた基準にのっとり感染拡大注意報と警報を発令してきた。
毎日発表されていた感染者数が「5類」移行後は発表されなくなったため、感染状況を県民にわかりやすく伝えようと設けた。

静岡県に感染拡大警報(2024年2月)

2023年冬の第8波を参考に基準を定めた。県内の139にある定点医療機関の1施設当たりの1週間の患者数が8人を超えた場合は「感染拡大注意報」で、感染者が急増するおそれがある状況だ。16人を超えると「感染拡大警報」で、感染者の増加が続き医療のひっ迫のおそれがある状況だ。

同じ5類の季節性インフルエンザは、厚生労働省が定めた注意報と警報の全国統一の基準があるが、新型コロナには全国的な基準がない。

4カ月ぶりの警報 新たな波

静岡県の新型コロナ感染状況

その新型コロナ感染拡大警報が、2024年2月2日に静岡県全域に発令された。1月22~28日までの1週間の定点医療機関当たりの感染者数が19.14人となり警報の目安の16人を超えたためだ。前週比は2023年11月下旬から10週連続で増加している。
警報発令は2023年9月下旬以来で約4か月ぶりだ。

コロナ(黄)とインフルエンザ(青)の感染者数

1週間の感染者の推計は1.7万人で、これはこれまでの最大波だった第8波(2023年冬)の約4割、第9波(2023年夏)の約7割だ。

病床確保病院の中等症以上の入院者数や、コロナで休職している医師や看護師数、救急搬送困難事案も増えていて、県は医療状況の評価レベルについても1月下旬に「医療ひっ迫注意報」に引き上げた。まさに第9波に次ぐ、新しい波が立ち上がっている。

県内はインフルエンザも警報発令中で、同時に両方の警報が出たのは史上初めてだ。

10番目の波の名称は?

静岡県の新型コロナ感染状況

新型コロナは静岡県では2020年2月に初めて確認され、以来 流行する株の移り変わりなどで2023年11月まで9回 大きな波があった。
それぞれ「第1波」から「第9波」まで、通し番号で呼ばれてきた。1月から感染者急増している波は、10番目の波だ。

警報発令の2週間前の1月19日 静岡県は「感染拡大注意報」を発令したが、その際、県の感染症対策の司令塔となる、県感染症管理センターの後藤幹生センター長は「コロナの、いわゆる第10波が始まってきているという状況になっています」と発言していた。後藤センター長は医師でもあり、感染症の専門家だ。

県感染症管理センター・後藤幹生センター長

ただ2月2日の警報発表の緊急記者会見で「“第10波”という認識はあるか」と問われ、後藤センター長は“第10波”にかわる新たな名称を提案した。

後藤センター長は「2桁になったら番号つけるのをやめるかという話もあるような気がしますが」と前置きしたうえで、オミクロン株が主流になった第6波(2022年冬)以降の2年間は、毎年 冬と夏に流行がくることから、通し番号の“第10波”はやめにして“2024年冬の波” と呼んではどうかと提案した。

第6波(2022年冬)以降の推移

県感染症管理センター・後藤幹生センター長:
オミクロン株に代わってからは(2022年1月以降)毎年必ずと言っていいほど、第6波と第8波は1月の正月明けに、第7波と第9波はお盆明けに立ち上がる。偶数(6,8)が冬、奇数(7,9)が夏。(今回の流行は)“第10波”ではなく“2024年の冬の波”というのが一番正しい。番号をやめたらどうか。多分の今年の夏も第11波か第12波かわからないがそうなってくると思うので、年に2回の“夏の波”と“冬の波”というのがいいのかなと思っています。(今回の波は)今年の番号をつけて“2024年冬の波”。“2024年冬の波が始まった”という表現がいいと思います

感染の推移を説明する後藤センター長

後藤センター長は、徳川家康が豊臣家を滅ぼした「大阪 冬の陣、夏の陣みたい」と自分でつっこみを入れていたが、「年に加え冬の波、夏の波といった方が、(いつのことだったか)記憶に残りやすい。番号だといったい、どれが何波か数えていないとわからなくなりますので」と、新しい名称のメリットを強調していた。

確かに同じ5類の季節性インフルエンザも年に1回 秋から冬にかけて周期的に流行を繰り返すが、その波を通し番号で呼ぶことはない。

新変異株JN.1は「感染力が強い」

JN.1はオミクロン株の新たな変異株

さて名称はともあれ、新たな波は気になることがある。オミクロン株の新たな変異株JN.1の流行だ。12月25日から1月28日までに判明した県内の75検体のうち、JN.1を含むBA.2.86系統は43検体57%、JN.1だけだと29検体39%だった。

後藤センター長は、最近の流行拡大の理由のひとつにJN.1への置き換わりをあげ、「感染力が強い。一度かかった人でも(これまでの変異株に比べ)かかりやすい」と注意を呼び掛ける。

静岡市(資料映像)

県感染症管理センター・後藤幹生センター長:
国立感染研究所のリポートをみると、これまでに身についた免疫抗体、感染したりワクチン接種を複数回してえた抗体に対して、抗体がくっつくのを逃げる(中和抗体からの逃避)能力が、これまでのXBBとか過去の系統と比べてもすごく強いと言われている。ですので、1回かかった方やワクチンをうった方もかかるリスクが多少あがっていると思います。ただ重症化するというデータはあまりないようです。臨床現場の医師の報告によると、重症化するのは株にかかわらず、これまで1回もかかったことがない方で、なおかつワクチン接種が2回以下などの方が、症状がきつく出やすいと言われています。そういった方が症状を軽くしたいと思ったら、無料の期間中(2024年3月末まで)にワクチン接種をお願いしたい

静岡県内ではこれまで一度 感染拡大警報が発令されると注意報に引き下げられるまで6~8週間かかっていて、後藤センター長は「警報は3月半ばまで続く」と予想する。

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