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現代版「お代は見てのお帰り」―あなたはいくら払いますか?水族館の入館料を決めるのは利用客 静岡

スマートアクアリウム静岡

ひと昔前の見世物や芝居小屋などでは客の呼び込みに「お代は見てのお帰り」という言い回しを使っていたこともありました。

「代金は、見て気に入ったら帰りに払って下さい」と言う意味ですが、実際には気に入らなくてもタダと言う訳にはいかなかったようです。

ところが、 本当に現代版「お代は見てのお帰り」サービスが始まっているようです。

”ポストプライシング”というそうですが、お客さんがサービスや満足度に応じて代金を決めて支払うというこの新しい取り組みについてお伝えします。

水族館では日本初

とてもユニークな取り組みが、2月から静岡市葵区の水族館で始まりました。水族館としては日本初だそうですが、その狙いとはなんなのか、取材してきました。

池田 孝記者

池田 孝記者:
落ち着いた雰囲気のあるこちらの水族館。平日限定で、変わった取り組みが始まりました

来てもらうきっかけになれば

水族館の受付

水族館の受付担当
「ただいま平日に限り、入館料をお客様ご自身でお決めいただくポストプライシングというものを導入しています」

スマートアクアリウム静岡 館内

こちらの水族館は松坂屋静岡店(静岡市葵区)にある「スマートアクアリウム静岡」。

導入したのは、利用客がサービスや満足度に応じて入館料を決めて支払う、「ポストプライシング」です。

通常、入館料は中学生以上が1400円ですが、満足度が低ければ0円、支払わないという選択もOKだといいます。

真野光晃 館長

スマートアクアリウム静岡・真野光晃 館長:
ちょっと金額的に高いから敬遠したとか、入るのをやめてしまったという声が聞こえてきたりしたので、1回足を運んでもらう機会を作れればと企画しました

ヤシガニ

「暮らしに寄り添う」をテーマに、館内には49の水槽に約150種類、2500点の生き物が展示されています。

スマートアクアリウム静岡 館内

利用客(来館者)が水槽を眺めながらゆっくり過ごせるようなスペースも設置されています。

サービスへの感じ方は様々

代金記入用紙

池田孝記者:
利用客は館内を見た後に用紙に自分が決めた価格を書いて、お金を支払います

利用客:
落ち着いて見ることができたので、大人でも楽しめる水族館だと思った。ちょうど定価の金額で支払った

利用客:
きょうは500円で。水族館に来ているという形ではなく、街に来て寄った感じなのでそこまで出せない。(家族だと)料金的に高くなってしまうので、ちょっと車で移動して大きなテーマパークもこれくらいの値段で行けるところもあるのでそっちに行ってしまうかなとも思う

利用客(二度目の来館):
前回見る時間を1時間しかとっていなくて、ゆっくり見ていたら全部見切れなかったので、もう1回ちゃんと見たいと思って。前回来た時も期待値がすごく大きく同じ金額(1400円)と思っている

スマートアクアリウム静岡 館内

人によってサービスへの感じ方は様々。担当者は、この取り組みがまずは来てもらうきっかけになればとしています。

スマートアクアリウム静岡 入口

スマートアクアリウム静岡・真野光晃 館長:
ともかく施設を見てもらうのが最優先。ぜひ1回足を運んで中を見てもらって、いい施設だと思ってもらって2度目3度目と足を運んでもらえれば

この取り組みは3月29日まで、平日限定で行われます。

価格の後決めー”ポストプライシング”とは

ポストプライシングとは

まだ聞きなれないと思いますがこの取り組みポストプライシングについてどういうものかを整理してみましょう。

サービスを体験したあとに顧客が金額を決めて支払うことができる仕組みです。

こうした取り組みにより顧客の満足度や評価を価格に反映させることが可能となり、サービスの質の向上にもつながると期待されています。

スマートアクアリウム静岡のポストプライシング

改めて松坂屋静岡店にある「スマートアクアリウム静岡」のポストプライシングについてご説明します。 

1…入館時に入館料は不要です(通常は大人1400円、小学生800円、幼児500円)

2…水族館内を観覧します

3…出口でアンケートを記入して、自分で決めた料金を支払います

こうした取り組みを始めたのは、SNSなどで「デパートの水族館なんて」「ワンフロアで1400円は高い」などの声があり、安心して気軽に来館してもらえるように試験導入
に踏み切ったそうです。

3日間の実績

この取り組みを始めた2月1日、2日、5日の平日3日間で通常の平日の3~5倍の来館者があったそうです。

真野館長によれば「1400円というハードルがなく、入りやすくなったのでは」ということでした。

因みに最も高額が2000円、最安値は0円だったそうで最も多かったのは定価の1400円かそれより若干安い価格だそうです。

コワーキングスペースとしても

コワーキングスペースとしての内容

またこの水族館は「暮らしに寄り添う」というコンセプトでリモートワークなどのコワーキングスペースとしても利用可能です。

そのためコンセントを増設、Wi-Fi環境などを整えているほか、コーヒーの自動販売機もあります。

     

木村さんと斎藤さん

お笑い芸人(トレンディエンジェル)・斎藤 司さん:
お笑いライブでお客さんが値段決めるとなるとお金取れるか自信ないな。おそらく館長も広告費感覚のような気がします。でも大道芸のおひねりでも微妙な空気になるからいくらにするかは難しいでしょうね

精神科医・木村好珠さん:
”ポストプライシング”って私も初めて聞く言葉です。1400円が定価だと判っているからそれ以上はなかなか出さない気がします。でも、コワーキングスペースとすれば1400円でも安い感じがしますね、気分転換もできるし。自分で値段を決めるのは空気を読む日本人には難しいかも

今後について

この取り組みはとりあえずは3月29日まででいったん終了の予定となっています。

その後アンケート結果などを検証して、今後どうすればよりたくさんのお客さんに来てもらえるのかを探っていくそうです。

具体的には料金を改定したり、サービスをより充実させたりといった検討をすすめていくことになるようです。

前例のない取り組みの成果がどのようになっていくのか注目していきたいと思います。

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