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生き埋め現場に急行!土砂を目の前に余震が襲い“恐怖と焦り” 消防隊員が能登応援を振り返る 静岡

家屋倒壊現場(能登半島地震)

能登半島地震は発生から1カ月が経過した。気象庁によれば地震の発生件数は緩やかに減少しているが、日本海側で発生した新潟県中越地震(2004年)や熊本地震(2016年)などと比較して、地震(余震)の回数は多く推移しているという。

そうした余震による二次災害の危険と不慣れな降雪地帯という状況下、南海トラフのリスクを抱える静岡県から緊急消防援助隊として派遣された隊員は能登の被災地で何を見て、どのように感じたのだろうか。

ここまで大きな被害あるとは…

能登半島地震の津波

多くの人が正月気分に浸っていた2024年元日の夕方、石川県能登地方を最大震度7の地震が襲った。津波の浸水した範囲は3市町で東京ドーム約40個分にのぼる。

道路の寸断や液状化、家屋の倒壊など甚大な被害をもたらし、1月31日時点で238人の尊い命が失われている。

第4次緊急消防援助隊出発式(1月10日 静岡市)

消防庁の出動指示に基づき、緊急消防援助隊として静岡県内からも市町の消防本部から隊員が派遣され安否不明者の救助・捜索活動を続けている。

静岡市消防局 吉田消防署の細川日徳さん(38)と稲垣幸司さん(40)はそれぞれ現地での活動を無事に終え帰任した。

静岡市では災害の長期化を想定し、緊急消防援助隊について第10次隊までの隊員の人選・確保を行っている。

細川さんは第3次派遣、稲垣さんは第4次派遣で二人とも吉田特別救助隊の隊長として現地で活動した。

細川日徳さん

細川さんは1月7日から11日まで石川県珠洲市宝立町の鵜飼地区を中心に安否不明者の捜索にあたっていた。途中、道路の崩壊や土砂崩れなどにより現地までのルートが確保されていない状況を目の当たりにして「ここまで大きな被害があるとは思っていなかった」と話してくれた。

現地の消防隊員は被災者でありながら

能登半島地震の被災地

活動を開始した7日の被災地は雪となり、降り積もった雪の影響で捜索は困難を極めたという。

「倒壊した家屋の上に雪が積もっていると足元も取られますし、下の状況が良く見えないですね。活動が思うようにいかなかった」と細川隊長。

救助活動中の隊員

現地の消防本部や避難所で得た情報に加え、119番通報をすべてリストアップして1軒1軒の住宅を回った。助けを求めてきた人の安否を確認するためだ。

こうした中、細川さんが目の当たりにしたのは自らも「被災者」でありながら、職務をまっとうする現地の消防隊員の姿だった。

救助活動中の隊員

第3次派遣 吉田特別救助隊
細川日徳 隊長:
現地の消防隊員はご自身ですごく心配なところがあると思うのですが、我々にはそういったところを見せることはなく、任務に対して精一杯頑張ってらっしゃるなと

そして「日頃顔を合わせていない職員達が1つのチームになりますので、情報の共有化というのはとても重要だと改めて認識した」と話してくれた。

生き埋め現場に急行 

稲垣さんと村田記者

一方、稲垣さんは10日から14日まで珠洲市大谷地区で捜索活動を行った。

裏山が崩れ、男性が生き埋めになっているという現場に急行。

「敷地内に建物が2つある場所で、1つは土砂で流れて完全にないような状態。1つは1階が崩れて傾いて屋根部分だけが残っているような状態だった」と話す。

裏山が崩れる直前、男性は「大切なものを取りに行く」といって家に戻ったという。

最後の姿を目撃した家族の証言をもとに捜索にあたった。

捜索活動を続ける隊員

「目の前まで土砂が来ている状態で、もし余震があった場合に二次的な災害が起きるのではないかという現場だった」と振り返る。

また、救助隊として人を助けたいという強い気持ちはあるものの活動や時間的に限られている部分があるために焦る気持ちもあったそうだ。

懸命な捜索活動が続けられたが男性の発見には至らなかった。

救助活動中の隊員

一刻の猶予も許されない状況下で稲垣さんは大切にしていた思いがあったそうだ。

「私自身は隊員を預かる立場で、怖いという気持ちがすごく大きくて。ただ、その怖いという気持ちがないと安全な活動もできないと思いますので、怖いという気持ちも大切に活動していました」と教えてくれた。

隊員が危険をおかして救助に懸命に取り組んだ結果、二次災害とならないよう心掛けていたのだ。

備えたものは使えるか?命を守る意識を高めて!

2人は被災地で見た現状を通して、災害時の備えや行動について強く感じことがあったそうだ。

細川さんは「(食料は)自分が煮炊きできるものなのか、簡易トイレは自分で設定できるのかとか、そろえたならば一度使ってみるということが非常に重要」と言う。

稲垣さん

また 稲垣さんは次のように話してくれた。

第4次派遣 吉田特別救助隊
稲垣幸司さん:
(これまでの災害で)津波と土砂が一瞬にして家屋を倒壊させてしまうということも見てきましたので、そういったところに住んでいる方は命を優先して、すぐに安全な場所に避難してほしい。自分たちの命は自分たちで守るという意識を高めてほしい

能登半島地震で倒壊した建物

いつ来るかわからない地震。

そして、命より大切なものはないはずだ。

多くの命が犠牲となった能登半島地震の教訓から学べるものは少なくないだろう。

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