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県都・静岡のまちづくり…構想30年超 どうなる?東静岡アリーナ整備事業

東静岡駅のアリーナ建設候補地周辺

全国20の政令指定都市で最も人口の少ない静岡市。川勝知事からは政令市の失敗事例とまで言われたこともあります。

人口減少や少子高齢化などの問題を抱える中、都市の魅力を高め地域経済の活性化が期待できるとしてアリーナ建設構想が持ち上がり検討が進められて来ました。

市内6つのアリーナ候補地から最終的に選ばれたのはJR東静岡駅北口の市有地。

市の活性化に向けアリーナ建設に期待が寄せられる一方で、先日開かれた近隣住民への説明会では改めて課題も浮き彫りとなったようです。

そこで、構想が出てから30年以上となる東静岡アリーナ整備事業の話題ついてお伝えします。

JR東静岡駅北口に整備が検討されているアリーナについてお伝えします。

どのような計画なのか、まずはこちらをご覧ください。

アリーナ実現に期待

鈴木櫻子記者

鈴木櫻子 記者:
JR東静岡駅の目の前、そして国道1号線沿いというこの立地に今予定されているのがアリーナの整備です

東静岡駅近くのスケートボード場

現在はレストランや公園、スケートボード場となっている市有地。

ここに静岡市はプロスポーツや大規模なコンサートを開催できるアリーナの整備を目指し、周辺環境や採算性の調査を行っています。

インタビューを受ける女性

男性と女性:
ベルテックスの試合をここでやるなら見に来たい

女性:
若者向けのJ-POPもそうですし、海外とか韓国とかの色々な国の方が来れたりとか色々なジャンルのコンサートを開いてもらえれば

男性:
近くに温泉や商業施設もあるのでだいぶにぎやかになるのでは

難波喬司 市長

難波市長もこれまで沖縄県や佐賀県のアリーナを視察するなど構想に前向きな姿勢を見せています。

難波喬司 市長(11月22日):
アリーナの概算費用や事業収支、経済波及効果、こういったものを今整理している
通常にやれば採算性は取れる事業だと思っています

住民からは不安の声

商業施設周辺の渋滞

一方、避けられない問題もあるようです。

鈴木櫻子 記者:
アリーナ整備の課題となっているのが渋滞という交通事情です。予定地の目の前は国道ということもあり普段から混雑しています。

特に週末には商業施設周辺で渋滞が発生。すでに地元住民たちを悩ませています。

杉山輝雄 会長

千代田学区自治会連合会・杉山輝雄 会長:
アリーナに車で来る人たちも当然考えられますし送迎の車もかなり来るだろうと、
それで渋滞が一層激しくなったら自分たちの生活に支障をきたす。これからどういう風に(地区を)発展させていくつもりでいるのかを示していただければ住民の考えが変わってくるんじゃないかと思っています

東静岡駅周辺

こうした中で開かれた住民向けの説明会。

難波市長はまちづくりも一体で考えていくと説明し、渋滞対策として一般向けの専用駐車場は作らないことやアリーナと周辺の駅をつなぐ高架型の歩道の整備を提案したということです。

難波喬司 市長

難波喬司 市長:
人の流れをどうこれから円滑にしていくか、南北交通をどうしていくかとかをこれから考えていかないといけない。そういった交通体系も踏まえたまちづくりが必要だという話をさせていただいた

東静岡駅周辺の空撮

市は今後も住民との対話を重ね、アリーナ整備を事業化するか2023年度中にも判断したいとしています。

プロスポーツに大規模コンサートも

東静岡アリーナとは

まずはどのようなアリーナを検討しているのかを見ていきましょう。

場所はJR東静岡駅北口の市有地で広さ約2万4000平方メートルあります。

国道1号に面しており、JR東静岡駅や静岡鉄道・長沼駅からも近い立地となります。

規模としてはスポーツの試合などで5000席以上、音楽イベントなどで8000席以上の規模を想定しておりプロスポーツの試合や、人気アーティストのコンサートを呼び込もうということです。

バレーボール元日本代表・大林素子さん:
立地として最高ですね。SVリーグの5000席以上もクリアしてるし。ただ住民の方の意見も最もだし、時間をかけて課題を解決して欲しいと思います

ジャーナリスト・鎌田 靖さん(元NHK解説委員):
現場を見て第一印象は本当に駅に近いなということです。アリーナはアクセスの問題が一番なので、その点ではすでにクリアできてますね。ただし、こうした事業を進める上でのポイントは「住民の賛同が得られるか」「採算がとれるか」「施設が物語を作れるか」の3点だと思います。まずは行政がこうした懸念を払しょくできるかですね

県内の施設規模の比較

このアリーナの規模ですが、スポーツ施設としては浜松アリーナやエコパアリーナと
同等の規模になります。

また、コンサートなどのイベントもエコパアリーナと同じか、それ以上に大きな施設にしていくとされています。

音楽、コンサートについては基本的に観客動員力のあるアーチストであっても十分に呼べる規模にしていく考えのようです。
       
それからスポーツについてですが、静岡市を本拠地とするベルテックス(B2リーグ)のホームアリーナを中央体育館から移せばB1リーグライセンス申請も可能となります。

バレーボール元日本代表・大林素子さん:    
スポーツやる人間、エンタメ側の人間からすれば大きなものがあればいいなと思います

ジャーナリスト・鎌田 靖さん(元NHK解説委員):
静岡県内にこれだけ施設があるということを知りませんでした。でも、静岡市には大きな規模の施設がない感じですね

30年以上前からの構想

アリーナ計画経緯

こうしたアリーナ計画は急に出てきたわけではなく、紆余曲折はありましたが30年以上前に始まっています。

簡単にこれまでの経緯を振り返ってみますと次の通りとなっています。

1991年  東静岡駅の市有地に多目的アリーナ計画
2015年  このはなアリーナ オープン
2016~2018年 市民文化会館再との複合化検討も実現困難
2022年  東静岡をアリーナ候補地として選定
2023年 「アリーナ誘致方針」策定

住民の懸念

周辺はマンションや住宅もあり、近隣住民の方は多くの懸念を抱いているようです。
これまでに市に寄せられているものとして次ようなものがあるそうです。

・交通渋滞(近くの商業施設への出入りですでに渋滞が発生)
・騒音やゴミの放棄といったトラブル
・長沼駅北側BANDAIが“見せる工場”で年間20万人の来訪見込み。アリーナができると
 長沼駅付近がパンクするのでは

課題を解決し魅力ある街づくりを

アリーナ建設の課題

住民の方の懸念以外にも大きな課題があるようです。

まずは整備費。100~200億円とも言われていますが実際の金額はどの程度になり、予算手当などをどうしていくのか。

次にどう収益を上げていくかです。赤字施設となると将来的にも大変な財政負担になってしまいます。市の試算によれば30年間は黒字想定となっているそうです。

ちなみに経済波及効果は30年間で4890億円という試算結果になっているそうです。

また、交通渋滞の問題については、悪化させないため一般向けの専用駐車場は作らず、公共交通機関の利用を呼びかけていくとしています。

そして、車と歩行者を分ける高架型の歩道も検討するそうです。

ジャーナリスト・鎌田 靖さん(元NHK解説委員):
アリーナでいいのかと言うのはあるかもしれませんが、とにかく今のままではもったいないですよね

小松建太アナウンサー

まちの求心力を高め、地域経済活性化効果も期待されるアリーナ建設ですが、解決すべき課題は少なくないようです。

長年のテーマとして取り組みを進めてきている整備計画ですから、今ある課題を解決しながら魅力ある街づくりを進めて欲しいと思います。

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